カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年04月19日 (木)

「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」」

 かつて、BBC「偉大な英国人」投票で1位になった人物ですね。英国首相にして、作家としてはノーベル文学賞受賞。しかも戦時内閣を率いて、ズタボロ英国を勝利に導いた人物ですから、そりゃ1位になりますわな。

 ま、チャーチルがいなければ連合国の勝利はなかったでしょうし、だからこそ、彼さえいなければ日本の敗戦もなかったと思います。

 この男こそが、不戦中立法が成立したばかりのアメリカを戦争に誘い込んだ張本人。直前まで日本との戦争などありえない、と考えていたアメリカ人が、対日参戦へと世論をいっきに換えさせたわけですからね。

 日本にとっては天敵そのもの。

 オランダ、ベルギー、フランスを打破し、いよいよ英国侵略に乗り出そうとするヒトラーの勢いを止められない。最後の砦が英国でした。

 フランス国内にいる英国軍はドイツに包囲され、風前の灯火。陸軍を失う英国は、わが国は海軍国だ、と言い張っても負け惜しみにしか聞こえませんわな。
 フランスを呑み込んだドイツは、フランスの艦隊を従えてドーバー海峡を渡ってくるに決まってます。


第90回アカデミー主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞(辻一弘他2名)受賞の快挙。

 現状を打破するにはアメリカをなんとしても巻き込まなければ・・・。

 内閣全員がドイツとの交渉に臨もうと、とうていドイツが呑むはずもない条件を覚書に書き込んでいた時、チャーチルは一世一代の演説をします。

 「ヤツは言葉を武器に戦場に乗り込んだのさ」という外相ハリファクスの言葉は深いね。

 あきらめの悪いヤツでなければ危機は突破できんわな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「世界を動かす【国際秘密力】の研究 トランプ大統領のパフォーマンスは《隠された支配構造》をえぐり出す 前編」(ベンジャミン・フルフォード・クリス・ノース著・1,960円・ヒカルランド)です。

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2018年04月07日 (土)

「夜に生きる」

 『Live by Night』つう映画。分類するとなるとギャング映画なんすけどね。で、ギャング映画好きだから、「こういうの好きでしょ?」とくれたわけで。

 ま、『仁義なき戦い』は全巻もってるしね。

 月に数回、原原の教材づくりで中野のスタジオに籠もってます。で、ここの社長がとんでもない映画狂でしてね。70歳過ぎた今も1日2〜3作は見てるわけ。

 「昔の映画は間が長かったね。いまのはスピーディだな」

 たしかにね。尺が長いとコストかかりますからね。

 で、こちらが急いでても映画の話をはじめちゃうわけ。あれ見た? これ見た? なんてさ。で、見てないと、「見なくちゃダメだよ」と言いながらスジぜんぶ話しちゃうわけ。それじゃ見てもつまんないじゃん?

 時々、これ、いいよ、ってんでDVDくれたりしてね。ま、それもあってわんさか増えるんだわな。この映画もその1つなんだけど。。。


「天国はどこにあるの?」「ここだよ。ここにあるんだ」

 主演、脚本、監督はベン・アフレック。つうと、少し詳しい人なら、ああ、あの映画に出てるよね、とピンと来るはず。
 マット・デイモンとの共同脚本『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97年)は有名だよね。傑作です。アカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞。『消されたヘッドライン』(09年)も見たな。
 ジョージ・クルーニーと共同プロデュースした『アルゴ』でもアカデミー作品賞を受賞してまんな。
 弟のケイシー・アフレックは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー主演男優賞受賞。これは以前紹介したよね。

 で、この映画。ギャング映画なんだけど、その枠では収まらんな。

 舞台は1920年代。といえば禁酒法時代。アメリカ人て元もと原理主義者だからこういうバカな法律つくっちゃうわけ。イエスだって葡萄酒OKなんだから。酔っちゃいけない、つうことなんだろうけど、酒呑んで酔わないなんてバカそのもの。私、あまり酔わないんで大バカ者なんすけどね。

 禁酒法前後のアメリカ社会が見事に描かれてますね。舞台は当然、キューバ、フロリダ。プロテスタントとカトリック、それにユダヤという宗教対立に、白人なかでもユダヤ、イタリー、アイルランドに黒人、ネイティブそれにプエルトリコ人。人種対立がどれだけ激しかったか。ギャングにしても分別処理されてたわけ。

 たしか、ダッチ・シュルツはオランダ系ユダヤ人でしたよね。ビリー・バスケイトだわな。

 で、マシンガンの撃ち合い、殺しのシーンは山ほどあんだけど、脚本の中身が厚い厚い。完璧にできあがってますな。原作がいいこともありますけどね。深みがちがう、つうか。洒落てる、つうか。ま、趣があるんだわ。

 あまりネタバレしても野暮だしね。

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2018年03月16日 (金)

「今夜、ロマンス劇場で」にはまってます。

 忘れないうちに・・・明日は「ぴよこちゃん倶楽部」です。
 「中島孝志の銘柄研究会」は正午スタート。いつも通り投資に効く「ネタ」をご披露します。参考銘柄を取り上げてテクニカル分析(今回は「一目」の続きと「ボリンジャー」がメイン)してみましょう。こういう相場ですから「週10%リターンのデイトレ」をご披露しましょう。金投資は長期、株式はトレンドによって短中長でギアを切り替える投資法がベターだと思うなあ。
 ゲスト講師による講義は午後2時スタートです。ゲスト名とテーマ等は今朝5時のメーリングリストで流した通りです。


 「看護士さんに台本を聞いてもらっていたよ」
 「そう」
 「結末を知りたい、というんでね。書こうと思うんだ」
 「どんな結末にするの?」
 「君の欲しがっていたモノを最後にプレゼントすることに決めた」
 「私の欲しがっていたモノ?」
 「・・・」


なにを欲しがってたと思う?

 大脳生理学によりますと、夢というのは「記憶の蘇り」らしいですね。ま、私に言わせれば、忘れるために夢に見るのではないか、と考えています。

 「君の夢を見たよ」なーーんて言われて喜んでたらあきまへん。これ、潜在意識のなせるわざでして、「もう忘れたいから夢に見た」ということなんです。

 夢というのは、記憶の整理です。意識がある時に山ほど情報をインプットして記憶する。この膨大な情報を寝ている時に取捨選択し、優先順位でによって分別処理し、脳のハードディスクに整理整頓してるわけです。

 「整理」と「整頓」は意味がぜんぜん違いますよね。私の本をきちんと読んでる人は簡単に理解できます。

 「なんとなく夢は覚えてるけど正確にはわかんない」という人は、夢を右脳でインプット。つまり、「映像」でインプット。
 夢の内容をこと細かくすらすら話せるのは「論理」「文章」を司る左脳で理解してるからです。

 どちらがいい悪いではありませんよ。

 さてさて、夢には色がついてます。白黒の夢しか見ないよ、という人もいます。たぶん後期高齢者どころの話ではないでしょう。
 「いや、カラーですけど」という人もいます。こういう人は若い。なぜなら、普通に生活していて、ありとあらゆるものがカラフルだからです。とくに映像媒体が映し出すモノはすべてカラフルのはずです。

 白黒? う〜ん、終わってますね。

 インテリの中には、カラフルな映像ではなく「言葉」できっちり夢を見る人もいます。たとえば、三蹟として名高い藤原佐理がそうでした。
 この人、円融、花山、一条の各天皇でそこそこ権勢を奮った人物ですが、魘されるような怪異な夢を見るんですけど、そのつど、「不動尊」という文字が現れて助けられています。

 おもしろいですな。

それにしても、綾瀬はるかさん、とてもいいっすね。坂口健太郎さんでしか相手役つとまんなかったかも。惚れ惚れしちゃう。『白夜行』見なくちゃ。セーラー服の綾瀬はるかさん、まぶしいっすよーー。

ブログで紹介したの、なんと10年前っすよ。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「朝鮮語のすすめ」(渡辺吉鎔+鈴木孝夫著・756円・講談社)です。

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2018年03月10日 (土)

アカデミー作品賞・監督賞「ザ・シェイプ・オブ・ウォーター」

 えっ、「スリー・ビルボード」じゃないの? シェイプ・オブ・ウォーター? なに、それ。半魚人とおばはんの恋物語? ふ〜ん、「リトル・マーメイド」や「美女と野獣」ちゃうんやからのーーー。

 近所の映画館でレイトショーやってたんで、ウォーキングのついでに行きましたがな。

 はい、これっす。お見それいたしました。こんだけ重たいテーマをラテンにシャンソンにスタンダードに、あれこれ素敵な音楽をさりげなく入れてミュージカル風に、それでもスリルとサスペンスたっぷりのラブストーリーへと仕立てあげてしまいましたなあ。

 実に遊び心たっぷり。


 
 ところで、主演のサリー・ホーキンスってさ。『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ作品)の舞台となる「臓器提供クローン養成寄宿学校」で校長と対立して辞めさせられる教師を演じてたよね。

 今回は女の魅力ゼロ、幼い頃のトラウマで声が出ない。性欲はそれなりにあるごくごく普通の女。勤め先(政府の研究開発機関)で掃除のおばさんとしての働きぶりにはなんの支障もないし、友達は2人しかいないけどこれまたなんの支障もない、という生活ぶり。

 贅沢はできないけどなんとか生きてきた。平々凡々に生きられればOKの人生。

 それが一変しちゃった。「恋」しちゃったから。

 その彼つうのが、米ソ冷戦下、アマゾンで捕らえられ運び込まれた半魚人。原住民からは「神」と崇められてる存在。

 「殺して生体解剖しては?」と提案するエリート軍人。「犬を宇宙に飛ばしたソ連に対抗して、これを宇宙に送りましょう」と主張する研究機関の博士(実はソ連のスパイ)。五つ星の元帥は生体解剖に決めます。
 
 「逃げさせなくちゃ」 

 組織も資金もある連中相手に出し抜く掃除のおばちゃん2人とリストラ絵描きジジイ。



 男と女、若者と年寄り、勝ち組と負け組。富裕層と貧困層、支配する人と支配される人、命令する人と命令される人・・・とかく分類したがるけど、マネーは人類を超える存在となりました・・・いや、なりませんね。

 「私は何? 私はしゃべれない。彼も言葉を話すことができない。私たちには何の違いもない」

 異物に過剰反応するのは細胞レベルでも人類レベルでも同じ。コミュニケーションすればわかるんだけど、防衛本能から敵対意識が先行しちゃう。

 とくに欧米の人間はそうなる。なぜなら人類がアフリカから世界のあちこちに散らばっていく過程で、あの連中は置いてけぼりを喰らった「棄民」なのよ。だから、人を見たら泥棒か殺し屋と思うし、敵か味方か、主人か下僕か、つう二者択一しかできない。

 何様のつもり? 「異物」を排除してきた連中だからこそ、これがアカデミー賞に選ばれたんだ、と思えてならないのよ。

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2018年03月08日 (木)

「宣戦布告」

 「自衛隊は出てくるか?」
 「出てきません。首相は弱腰ですから」
 「ならば、長引かせた方がいいな」
 
 問題を長引かせて社会不安にする。政治を揺さぶる。野党をけしかける。戦争するぞ、と脅迫する。

 北朝鮮ですな。ああいう、なにも失うものがない「ならず者国家」は強いっすよ。日本はもちろん、アメリカですら及び腰。
 なぜなら「被害」が出るからね。同じ人間だけど「命の値段」が違います。現実的にはね。裕福な国(国民)は金持ちケンカせずでカネで済むならさっさと片付けたい。

 そこを狙われる。

 狙われるヤツより狙うヤツのほうが圧倒的に強い。戦力は関係ない。ベトナムでゲリラ戦で負けた米軍を見ればよくわかります。枯れ葉剤を撒き散らすしかなかったのも米軍が追いつめられていたからでしょ。

 民主主義てのは面倒くさいのよ。この映画でよくわかるのは、日本てのは防衛省も自衛隊もいりますけど、いざ、戦争となったら、法律的に許されることはなにもなかった、ということ。敵を殺したら刑法の殺人罪に問われます。タマが誤って民間人にあたったらり、これまた刑法で裁かれます。

 軍法がないもん。自衛隊法、あれは軍法ではありません。それが証拠に、軍法会議がありません。普通の裁判所で裁かれるから、自衛隊員は戦えませんよ。

 バカな国です。そんな自嘲的な発言、つぶやきがあちこちに出てきます。

 このバカさ加減を解消したのが安倍さん。中国と朝鮮そしてアメリカから命令されて、「戦争できない国」にわが国を留めておこう、と暗躍してるのが一部の野党ですね。

 国を守り、国民を守るより、憲法を守りたい連中です。何度も言うけど、ミサイル何発か見舞われないとわからんだろうな。

 いちばん重要なのは、「守ろう」という強い意思なのよね。能力でも法律でもなく「意思」が重要なのよ。

 その点、アメリカはいままで裏で戦争ばかりしてきてるし、国家に代わる「戦争代行組織」もつくってきましたから、いつでも、どこでも、だれとでも戦争できるんすよ、あのISにしてもそうですし、戦争の犬たち=傭兵会社、軍事会社もたくさん用意してありますしね(ウクライナ東部で戦争してるのはそういう連中同士ですから。商売だから戦争終わんないのよ)。

 どうしてこんな代行組織をつくったかというと、中ロが拒否権発動するから、アメリカは好き勝手に動けないからですよね。

 原油決済通貨をドルからユーロに替えようとしたサダム・フセインに言いがかりをつけて潰した時だって、だれも賛成してくれず、世界で真っ先に賛成したのは小泉純一郎というアメリカ利権の代理人だけでした。



 警察のSAT隊員が殺され、市民が殺され、それでも自衛隊の出動ができない。自縄自縛の憲法は敗戦でアメリカが日本を縛るためにつくったもの。PJ憲法が有事に際しても日本国民の生命と財産を守れない。

 ほかの国では当たり前のことがこの国ではなにもできない。

 すべてはアメリカの戦略であり、アメリカのボチ政治家たちの怠慢のせいであり、メディアと愚かなメディアを信じる国民のせいでありんす。

 中国、北朝鮮、そして韓国という仮想敵国は、国防上、当たり前のことを当たり前にやってるだけで、上から下までわが国の平和ボケが続いたことがいちばんの問題なわけでしてね。

 ま、北朝鮮から何発かミサイル落とされるまで目覚めんでしょうな。平和ボケはそれほど酷いもんだと思う。

 映画制作では防衛庁(当時)と自衛隊は徹底的に協力を拒否したそうっすね。
 北朝鮮特殊部隊が原発攻撃を企てて上陸する、という内容ですからね。こんな映画に協力したら、野党や朝日新聞からどんな批判を受けるかわからんもんなあ。迷彩服メーカーまで一切、協力しないように通達が出てたようです。

 だけど、これ、原作は麻生幾さんなんだけど、元もとは自衛隊と警察との勉強会で講義してた池田整治先生の話がベースだな。

 この時期、見るにはサイコーっすよ。DVD買うなりレンタルするなりで勉強してちょ。。。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「パリのすてきなおじさん」(金井真紀・広岡裕児著・1,728円・柏書房)です。 

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2018年03月03日 (土)

「ザ・グレイテスト・ショーマン」

 成功中ってのは得意満面なんで周囲が見えなくなるのではなくて、実は自分が見えなくなるのよ。で、すべてを失うと今度は過度に自信喪失してなにもできない、と自己卑下に走るようになるのよね。

 どちらも「実相」とは違います。



 2人の坊さんが議論しとるわけ。
 「風が動いてるんだ」
 「いや、旗が動いてるんだ」
 旗が風になびいてるんだけど、どちらも譲らないの。で、それを見た高僧がひと言。
 「風動かず、旗動かず。人の心が動いているのみ」

 これ、原原では何回もご紹介してる六祖慧能自身が経験した公案なんすよ。
 慧能は五祖弘忍の奥義を引き継いだものの、身分はたんなる寺男。で、600人超の門下の承認はとても得られない。後継は自他ともに天才と認める神秀だ、と目されてましたからね(この男が興した北宋禅は則天武后=武則天に支援されますが滅びます)。
 で、弘忍の奨めで山を下り修行の旅に出ます(これが臨済・曹洞へと広がる南宋禅です)。広東省のある法性寺で印宗和尚の涅槃経講座があると聞きつけて訪ねたときのことなんすね。 

 原文は「六祖、因みに刹幡(せっぱん)をあぐ。二僧有り、対論す。一は云わく、幡動く。一は云わく、風動くと。往復して曾て未だ理に契わず。祖云わく、是れ風の動くに非ず、是れ幡の動くに非ず、仁者の心動くのみと。二僧悚然(しょうねん)たり。」というお話なんすけどね。

 「そりゃ風が吹くから旗がなびいてるんでしょ?」と識者は考えますわな。物理の法則ですもん。けど、そんな理屈は禅では通用しません。

 唯識ですね。

 あなたの限界はどこまで? 自分がダメだ、と考えた処までっすよ。限界をつくるのはだれでもない、あなたなんすから。
 そして、あなたの成功はだれも邪魔なんぞしてません。いつも邪魔すんのはあなた自身なんすよ。

 心こそ 心惑わす 心なれ 心に心 心許すな、ゆうてね。

 騙すのは他人ではありません。あなたの心があなたを騙しとるんです。

 なお、「心が動くのみ」と喝破した慧能は即、「いや、ちがう。風も旗も、そして心も動いちゃいない」と悟ります。「動く動かない」という相対ではなく、「動不動は一如である」という絶対の次元にいたるんですね。

 ここが禅の面白いところ。あれかこれかという分別ほどつまらんものはないんです。

 無い物ねだりをしたくなるのが人間らしくて好きなんだけど、無い物ねだりって「あるもの(残されているもの)」に気づかなかったり、それがものすごく価値があるのにわかろうともしなかったりね。

 「意外とやるじゃん、おれ!」

 何度も本の中で繰り返してるけど、この世でいちばん強い人は自分で自分を励まし続けられる人ですからね。他人を励ますなんて簡単簡単。だれでもできます。難しいのは自分を励ますことよ。最後まで自分を見捨てないこと。これはホントに難しいんだわ。

 「成功を求めすぎたみたいだ」

 若い頃に貧乏しすぎますと、とことん財とか地位を求めてしまいがちですね。「このくらいでいいかな」という歯止めがききません。欲張りなのよ。いくら持ってても不安なの。

 「お金はいくらあっても邪魔にならないでしょ?」
 「残念! 邪魔になりますよ」

 育ちがいい人って自分の器がわかるのね。こんなに持ってちゃいけない。間違い起こす。ほどほどがいい、ってね。

 「財」は目に見える価値です。実体があります。金貸しが喜ぶ担保にもなります。けど、目に見えない「信用」つう価値とは同じ次元にはありません。信用というのは目に見えない価値だからね。

 スウェーデンのオペラ歌手ジェニー・リンドの興業打ち切り、サーカス放火事件の2つで破産した後、失意のどん底にいた時、P.T.バーナムは「興業道具」としか考えていなかった「タレント」たちから「予期せぬ提案」を受けます。

 「もうサーカスはないんだ。給料は払えない。無一文だからね」
 「そんなことはわかってる。俺たちはサーカスを無くしたがファミリーを無くしたわけじゃない。本当の家族にも厄介者扱いされ、居場所の無かった俺たちにホームをつくってくれたのはあんただ」
 「金遣いの荒いご主人様のためにパートナーのオレが毎週貯金してきた。これでもう一度チャレンジしよう」
 「サーカスは焼けてないんだ・・・そうか、場所は波止場でいい。テントがあればできる」

 ここからいまに繋がるテント興業のスタイルが生まれるわけ。
 世紀のプロモーター。世界一のショーマン。

 バーナム独自に編み出した「ビジネス成功の10箇条」があんだよね。以下の通りっす。

1性格(キャラ)に合ったビジネスを選ぶ。
2約束は必ず守る。
3どんなことでも懸命にやる。いまできることを先延ばししない。
4深酒しない。
5理想に走り過ぎない。
6エネルギーを無駄に分散しない。時間と能力を集中せよ。
7優秀なスタッフを雇う。適材適所。誠実でないものはクビ。
8常にPRする。黙っていては誰も気づかない。
9浪費しない。収入の範囲内で生活する。蓄財が大切。
10他人に頼らない。自分の成功は自分でしか築けない。

 まるで松下幸之助さんじゃん。今日、新潟でとことん講義しますから期待してね。

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2018年03月02日 (金)

「今夜、ロマンス劇場で」

 忘れないうちに・・・明日は新潟原原のオーラスです。二次会が屋形船なんで午後4時スタートです。なんと全国から17人が参加するとのこと。もち。二次会に参加しないメンバーもいますけどね。
 そうそう、今回は「原原トライアル参加」だそうです。冷やかし大歓迎です。

 もう1個忘れないうちに・・・寄り付きから株価は大幅に下がりそうですな。CME日経先物でここまで下げてますからねえ。21000円を一瞬切るでしょうな。けど、押し目買いのチャンス。
 長期金利リスクもあるんだろうけど「中国リスク」でしょ。ここでピンと来たらたいしたもんす。習近平独裁宣言は認めない、つうこと。わかる? 明日の新潟原原「まくら」で解説します。
 

目立たないけど、「ヨーロッパ発金融危機の懸念」大ありなんだよなあ。欧米では今まで量的緩和合戦。これからは金利上昇合戦。でもヨーロッパは勝てない。つまり、市場からマネーが消えるつうこと。


 「見つけてくれてありがとう」・・・なるほど、そういうことなのね。

 「会うべくして会った」とか「ご縁」とか「赤い糸で結ばれている」とか、いろいろ言われてますけどね。見つけてくれたわけ。「35億!」の中からさ。

 隣のだれかさんでも良かったわけでしょ。でも「あなたじゃなきゃダメ!」とわざわざ見つけてくれたのよ。これ、かなりのことっすよ。「見つけられる人」がいて、「見つける人」がいて、「見つけられる人を見つける自分を見つけている自分」がいるわけさ。

 「人のぬくもりに触れたら消えてしまうんだ。それがこの世界に来る代償なんだ」
 「そんな危険を冒してまでどうしてこの世界に?」
 「おまえに会いたかった」

 健司がスクリーンの美雪を見ていたように、美雪も映画を見ている健司を見てたのよ。だーーれも見てくれない映画。振り向いてくれない。必要とされない自分。

 けど、健司は美雪を見つけてくれた。



 いちばん苦しいのは美雪なんだよ。宿命を変えられないんだもの。愛する人の手を握ることさえできないんだもん。で、健司を愛してやまない映画会社の社長令嬢に託すわけ。

 「あいつは弱い。すぐ落ち込むしウジウジする。そんなときは手を握って、あいつの隣にいてやってくれ」

 けど、健司は美雪のことが好きで好きでたまんないの。で、心を決めます。
 「一生触れなくていい。あなたにこの世の綺麗なものをすべて見せてあげたい。ずっと僕の隣にいてください」



 健司は年をとります。あれから60年。いろいろなことがありました。テレビに押されて映画は斜陽。撮影所も倒産。
 しかし美雪はあの頃のまま。入院中の健司を見舞う美雪はとても夫婦には見えず祖父と孫娘。若い看護婦さんもそう思ってた。「2人の物語」を彼女に聞かせるとラストはどうなるか聞きたがった。

 「その先はできてないんだよ」

 最期の時。。。若い頃2人はそうしてたようにいつもの連想ゲーム。お題は「美しいもの」。けど健司にはもう話す気力はないんだなあ。

 「おまえはいつも遅い。じゃ、私から・・・はじめて見た青空。雨上がりの虹。・・・健司の隣で見たものはすべて美しかったよ。」
 「私を見つけてくれてありがとう・・・もう触ってもいいよね」

 手を握る。息も絶え絶えの健司の胸に顔を埋める。背中を抱く。ハグ。すべて初体験。だって、ぬくもりを感じた瞬間、消えてしまうんだもん。

 「こんなに温かいんだ・・・」

 病室の窓から2人を見ていると、美雪の姿はだんだん薄くなり、そして消えていきました。



 「涙が止まらない」「号泣!」って宣伝コピーにありましてね。女の子じゃあるまいし(中学生の観客も多かったす)、こんな作り話でひねくれオヤジは泣くはずないさ、と思ってたんすけど、なかなかなのよ。なんでかなあ。。。たぶん、だれもが持ってるピュアな部分がわしづかみにされるつうか、それが琴線に触れるつう意味なのかもしれんけど。ま、心の世界だから理屈なんて超越しとるわな。

 琴線ではなく金銭にしか振れないヒヒオヤジの錆びた心にも届きました。

 心ってのはしょっちゅう磨いてないと錆び付いちゃうのよ。
 錆び付くとどうなるかつうと、人生とってもつまんなくなります。「あんさん、なんのために生きてるの?」「喰うためです」と平気で答えちゃう。喰うのは手段。目的じゃないわな。そこに気づかないほど錆び付いちゃうわけ。 

 それにしても綾瀬はるかさん。美しい云々つうレベルを超えて輝いてましたよ。まさにスター。オーラ全開。ワンシーンワンシーン、美しすぎて・・・ため息の連続。

 大人のためのおとぎ話。「いい夢」見させてもらいましたよ。映画はこうじゃなきゃ。こんだけゴージャスな脇を集めてどうすんだ、と思ってたけど、ファンタジックなのよ。『ローマの休日』『ニューシネマパラダイス』『カサブランカ』・・・等々のオマージュか、つう意見もありますが、私が感じたのはコッポラの『ワン・フロム・ザ・ハート』なのよ。

 25年前に観たあのファンタジアを思い出していました。もう1回観なくちゃ。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「万事正解」(角野卓造著・1,296円・小学館)です。 

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2018年02月14日 (水)

「スリー・ビルボード」

 忘れないうちに・・・今日は名古屋原原、明日は大阪原原。それぞれオーラスです。
 名古屋は特別ゲスト池田整治先生のご登場です。だれも話せない、だれも知らない、しかしトンでもなく大切なお話をしてもらいます。


 「車貸してよ」
 「歩いていきな」
 「レイプされてやる」
 「おまえなんかレイプされちまいな」

 母娘。対立。怒り。売り言葉に買い言葉。あてつけ。



 ホントにレイプされちゃった。殺されちゃった。しかも焼かれて。。。

 後悔。懺悔。復讐。警察への怒り。地域への怒り。アメリカという国への怒り。夫への怒り。なによりも自分への怒り。

 静かだけど重たい内容。けど、物語はサクサク進む。いろんなことが起きて飽きない。人の人生ってこんなに詰まってたっけ?

 いちばん大切なのは・・・愛だよ。まあ、そうなんだろうけどさ。

 願いより努力のほうが偉いんだろうけど、努力するのは願いがあるからでね。なにもしなければなにも変わらないのはホントなんだけどさ。願うのは楽なのよ。努力は大変なのよ。だからやんない。努力せんでも願いが叶うといいけどねー。

 けど、運だけで勝負すんのはしんどいわな。そう、努力って掛け捨て保険なの。だから叶わなくても払い続けるわけ? そう、失敗しても努力が足りないって納得できるでしょ? 「努力はOK。運がNG」と言われるよりはええわな。   

 「世の中は不公平にできてる」つう意味では公平なんやから。結論は急がずみちみち考えましょうや。嫌ならやめてもええんやから。

 う〜ん、アカデミー賞いけるんちゃう。

 去年だか一昨年だか、バンコク往復の機中でずっと見てたのが「ファーゴ」。おかげで原因不明の高熱が2週間続きましてね。知恵熱でしょうか。主役=女性警察署長(妊娠中の)を演じてたのがフランシス・マクドーマンド。今回の主役でんねん。

 考えてみると、この人の映画かなり見てましてね。ほかにも「真実の行方」とか「ミシシッピ・バーニング」「ミラーズ・クロッシング」「ショートカッツ」「バーバー」「デブラ・ウインガーを探して」「スタンドアップ」とかね。コーエン兄弟の作品好きだかんね。
 アカデミー賞、エミー賞、トニー賞と演劇3冠王。亭主がコーエン兄弟のジョエル・コーエンだわな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「1000年先の地球のために 「滅びの道」から「永久の道」へ」(池田整治+宗庵著・1,620円・ナチュラルスピリット)です。

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2018年01月18日 (木)

「赤いハンカチ」・・・。

 忘れないうちに・・・今日は大阪原原でんねん。さすが大阪。たっくさん動員してくれてまんねん。あんがとーー。
 さて、ダウは26000ドルの大台突破しましたな。ま、去年は70回も高値更新してますから驚きはせんけどね。CME日経先物も円建24000円を軽く突破してますんで、寄り付きだけは期待できるんちゃう。最近の展開見てますと息切れしとるからなあ。後場までもつかどうかはわかりまへんで。。。


 あのね。来週火曜日の「日刊ゲンダイ」に「中島孝志の1日」つう記事が載るらしいっす。
 ま、『朝四時起きの仕事術』が30万部くらい売れましたんで、お見知りおきの方も少なくないと思うんですけどね。つまり、1日を3分割して生きる、つう提案本なのよ、これ。詳しくは記事をご参照ください。1頁の半分のボリュームらしいっす。

 編集部長は昔からの友人でして、「焼鳥屋探訪記」なんて連載も付き合ってくれました。今回は仕事つうより、後から気づいたんですけど、「トランプと日本の自動車産業の未来」についてインタしたかったらしいのね。
 けどさ、私、ドコモメールってほとんど見ないのよ。で、ずっとスルーしてたらしい。最後は電話。やっぱ、これが確かだわな。通じたもんね。

 日刊紙のスケって大変なのね。今日明日でお願い、つう依頼。深夜の電話取材も多いしぃ。水曜から名古屋、大阪、大阪、出雲。日曜になんとか戻れるかつうスケでしょ。

 イベントに参加するんでそこまで来てもらうことに。場所は横浜駅そば9Fホール。なんでかっつうと、ここで映画『赤いハンカチ』上映後、浅丘ルリ子さんのトークショーがあんのよ。2年ぶり。



 つまんねえ映画。裕ちゃんが主役だけど、旭さんお得意の無国籍映画と同じじゃね。
 舞台は横浜。ニューグランドも出てくる。いまから54年前のハマの風景がたっぷり。懐かしさに見とれちゃう。

 「あれ? 山本陽子さん?」
 
 そうなんすよ。裕ちゃんを罠に嵌めた元同僚(二谷英明)の邸宅のお手伝いさん役が山本陽子さん。デビュー作らしいね。よく気づいたよな。

 裕ちゃんはめっちゃ足が長くてカッコイイ。休憩時間にトイレ行くと、ジイさんが「赤いハンカチ」鼻歌してんだもんね。その気持ちわかります。ずっとジイさんだったわけじゃない。青春あったんだよ。

 トークショーの浅丘さんによれば、裕ちゃんとは37作も撮ってるとのこと。中でもこの作品がとても印象に残っとるんだと。そうかー、ええのんか。そんなにええのんか・・・。いい映画でした。

 曲が大ヒットしたんでついでに製作された映画。ルリ子さんもどうせいつもと同じだろ、と思ってた。演じてびっくり。前日DVD2回観たとのこと。

 監督は井上梅次さん。ていってもわかんないわな。宝塚きっての絶世の美女、月丘夢路さんのご主人。といってもね。そうだ、「宇宙戦艦ヤマト」の監督さんです。

 当時、浅丘さん24歳。裕ちゃん30歳。若い若い若い若い。

 観客は1000人くらいいたんちゃう。ジイさんバーさんばっか。そういえば、ルリ子さんもう喜寿でっせ。似たよな世代が集まったわけか。

 3丁目の夕陽の時代だわな。

 若い頃はカネはないけど、時間と健康だけはたっぷり。中年はカネは少しなら融通できるけど時間がない。あれもしたいこれもしたいけど後回し。年寄りは時間だけは死ぬほどあるしカネも自由になる。けど身体が動かない。

 ままならんわな。

 ベターハーフを誘っても、「あんたとだけは旅行したくない」とおしゃべり友達と旅立つ始末。ああオレはこのまま死んでいくのか・・・。ま、いいさ、1人じゃない。だって孤独、おまえという友がいるんだから。ムスタキだね、これじゃ。

 死んだら終わり。だけど勉強する。本を読む。仕事する。すべてだれの時間でもない私の時間だから。
 人生は長いようで短いっす。迷ってる暇なんてありゃせんのです。後悔せんように生きなあかんなー。時計の砂もあまり残っちゃおらんからのー。

 明後日は出雲原原。第5期のスタートです。たいしたもんやなー。私がじゃないですよ。彼らが凄いのよ。若い経営者たちと長老、仙人、牢名主のバランスがとてもいい勉強会。みな顔見知り。今回よーやく「純粋な読者」が申し込んでくれました。

 札幌原原も復活しよっかな・・・。カジノで潤いそうだしな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「誰がアパレルを殺すのか 前編」(杉原淳一・染原睦美著・1,620円・日経BP社)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2017年11月08日 (水)

「道」

 月曜日の「通勤快読」は『洋子さんの本棚』を取り上げましたが、お二人が学生時代にフェデリコ・フェリーニの『道』をご覧になって、いたく感動した、というお話がありました。この映画大好きなんで、ついつい話すぎてしまいました。

 リスナーの中には奇特な方がいまして、その話が良かった、と木に登らせてくれるんでげすよ。ああ、そういえば、以前、ブログで紹介したなあ、と思い出したら、なんと12年前でしたよ。12年前・・・2005年。何やってたかなあ。

 「好きだなぁ、この映画。学生時代も含めると、たぶん30回以上は見てると思うな。
 連休中に2冊の校正チェック、2冊の書き下ろし。だから、♪時間は大事だよ。アフラック!♪
 にもかかわらず、また見いちゃった。書斎には映画のDVDが山ほどあんだけど、忙しくなればなるほどこういうの引っ張り出しちゃうのよね。クビを絞めることがわかってんのにさ(人間、なかなか変われないもんすね)。

 道。いったいどこにつながってるのやら。イタリア語では「la strada」。そう、パナソニックのカーナビのブランド名よ。ここからとったんだろうな。
 
「同行2人」という言葉をお遍路さんはよく言うよね。
 1人でも2人、3人旅なら4人。弘法大師がついてる道行(みちゆき)。だから「道行2人」でもあんのよ。
 
 さて、主人公ザンパノ(アンソニー・クイン)は「鋼鉄の肺」で売ってる大道芸人。といっても、粗鉄の鎖を力任せに引きちぎる芸ね。粗野で愚かで暴力を奮うことでしか自己表現できない不器用な男。バイクに小さな小屋をつけて、村から村へと歩く貧しい旅芸人。



 ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)は、ザンパノに1万リラで買われた女。ザンパノの手伝いをする天真爛漫な女。
 ザンパノとの旅生活は辛いことばかり。だって、優しさの欠片もない男だもん。何の芸もできないからバカにされ、穀潰し扱いされるんだけど、ほかに頼る人間はいない。嫌いだけど、「ザンパノ、ザンパノ」と頼るしかない。

 それに男と女。一緒に旅を続けていると親愛の情が湧いてくるものさ。

 ザンパノは旅先で女と親しくなる。服をくれたり、食べ物をくれる女とすぐに寝る。それが嫌でジェルソミーナは1人で街を彷徨う。

 その夜、華麗な芸を披露する綱渡りの男と出会った。その男、ザンパノとは犬猿の仲。綱渡り男はザンパノと会うとなぜかからかいたくなる。で、いつも喧嘩。

「私なんかなんの役にも立たないの」
「この世にあるものはすべて何かの役に立ってる。この小石だってそうさ。おまえに芸を教えてあげよう。ね、どうしてザンパノと暮らしてる? 逃げたくないのか?」
「何度も逃げた。そのたびに殴られた」
「どうして、ザンパノはおまえを捨てないんだ? 俺だったら一発で捨てるのに・・・そうか、ザンパノはおまえに惚れてるんだ」
「えっ、この私を?」

 綱渡り芸人はジェルソミーナにラッパを教えます。もの悲しいメロディなんですよね。これが。



 仲のいい2人をやっかんだザンパノはまたまた喧嘩。警察まで来る大騒ぎで2人ともサーカスから追い出されてしまう。
「ザンパノと別れてうちにおいで。食べさせてあげるよ」とみなに言われるジェルソミーナ。けど、彼女は警察の前でザンパノを待つんだよなあ。ここまで送ってくれたのはあの綱渡り男なんだよね。

 男の選択を間違ってるわな。けど、男と女なんてそんなものかもしれませんな。理屈じゃないから。理屈で付き合ってる女いますよ。「あの男のどこが好き?」「う〜ん、カードかな」だって。ウケるわ。

 ザンパノとジェルソミーナは次の村に行く途中、修道女を乗せ、そのまま教会に泊まらせてもらいます。この時、ザンパノは銀製のキリスト像を盗んじゃう。「泥棒はいけないよ」と最後まで彼女は反対するんだけどね。

 ジェルソミーナは自分たちのしたことが恥ずかしくて、修道女たちには目を向けられないの。

「ここで暮らせるように頼んであげる」
「ううん、できない」
「いつも旅なの?」
「そう、あなたは?」
「2年おきに教会を移るわ」
「なぜ?」
「土地に愛着が湧いたら、神様に仕えられないもの」

 愛着は未練の別名だもんね。

 次の村に急ぐ途中でパンクで困ってる綱渡り男に出会います。
「手伝ってくれよ。いつか手伝うからさ」
 ザンパノはいきなり綱渡りの顔面にパンチをお見舞。打ち所が悪くて綱渡り男は死んじゃうの。

「だれにも見られてない。心配するな。殺す気はなかったんだ」
「彼の様子が変よ変よ」と壊れたように繰り返すジェルソミーナ。

「俺には生きる権利がある。メシ代を稼ぐにはこんなところにはいられないんだ」
「わたしがいなければあなたは独りぽっちよ」
「刑務所なんてまっぴらだ」
「彼の様子が変よ変よ」と、ジェルソミーナは狂ったように泣き出しちゃう。

 ザンパノは壊れたジェルソミーナをここで捨てます。



 それから4〜5年後。初老になったザンパノは相変わらず「鋼鉄の肺」の芸で糊口を凌ぐ大道芸生活をしてます。海水浴場で稼ぐ合間に街を散歩してると、どこからともなくあのメロディが聞こえてきます。

「いったいどこから?」

 耳を凝らすと、村娘が洗濯物を乾しながらハミングしてるわけ。

「そのカンツォーネは?」
「ああ、あなた、サーカスの人でしょ。昔、ある女がよくラッパを吹いてたの」
「その女はどうした?」
「死んだわ。高熱で弱ってたから私の父が家に連れてきてあげたの。ご機嫌のいい時はあの砂浜でラッパを吹いてたわ。昔、旅芸人をしてたとか」

「・・・死んだのか」

 その夜、ザンパノはしたたかに酔っては喧嘩します。「俺は1人でたくさんだ」と呟きながらジェルソミーナが愛した砂浜にやってきます。

 そして、号泣するのよね・・・。

 なぜ泣いたんでしょうねぇ? 悪党らしくもない。悪党なら悪党らしく涙なんか流さず、「バカな女だぜ」と吐き捨てればいいのに。

 罪悪感? 寂寥感? 孤独感?

 ジェルソミーナは、なんの見返りも要求しなかった。いつも殴られ、いつもバカにされ、いつもほかの女と大っぴらに浮気され、いつも物扱いされた。けど、いつも真心を込めて尽くしてくれた。坂田三吉の女房の小春か、中村仲蔵の妻お岸だぜ。

 純愛? 献身? 腐れ縁? たんなるバカ?

 ジェルソミーナに俺は何をしてやっただろ? してやろうと思えばいくらでもできたけど、ジェルソミーナのことなど視野になかった。利用するだけ利用して・・・捨てた。

 懺悔の気持ち?

 ジェルソミーナさえいたら楽しく暮らせた。カネもなにもないけど幸せだった。だって、バカだけど、あの女はいちばん大切なことを知ってるから。ザンパノはいまようやく気づいた。ラッパの音でね。

 罰は死ぬまで孤独と一緒に生きていくこと。

 人間、元気なうちは気づかない。持ってる間は気づかない。恵まれてる時は気づかない。なくしてはじめてわかる。

 なぜ? 「無意識」の前には「意識する力」なんて微々たるものだからですよ。無意識の世界って魂のレベル、神仏の世界ですから。
 「心をコントロールする」なんてのは神をも懼れぬ暴言。せいぜいできて「心を調和すること」くらいっしょ。大宇宙の法則に則って生きているかどうか。平たく言えば、どこから斬ってもジェルソミーナになれるか、ってことかも。

 どこから斬ってもザンパノ・・・そりゃわしのことでっけど。」


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「新しい分かり方」(佐藤雅彦著・2,052円・中央公論新社)です。

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プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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 講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
 著訳書は330冊。ほかに電子書籍100冊。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
 日本青年会議所の「TOYP(人間力)大賞」を87年から3年連続受賞の快挙(横浜JC推挙)。
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