2006年12月01日いちばん好きな漫才師「Wヤング」

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いやぁ、もう師走でっせ。月日の経つのは早いもんでんな。もう少ししたら、クリスマス、正月、節分に終戦記念日でっせ。

 それにしても、漫才師ごっつう出てますな。バラエティはもち、ドラマやら、歌番、スポーツやら、ほいでもってニュース・報道番組まで、もう出まくりやがな。いま、お笑い芸人なくして、テレビは成立しなくなってしまいましたなぁ。
 と思うたら、小説業界までお笑い芸人に乗っ取られてしもて・・・。そやそや。映画もそやで。洋七さんの「がばいばあちゃん」。最高やったなぁ。北野武さんはもうすっかりカンヌの顔やがな。

 心配なんは、いまの漫才師、コンビゆうよりいったんバラバラになって、MCが突っ込んで笑いをとるゆうパターンやな。ということは、コンビとしての実力はどないなんやろ?
 吉本にいた木村政雄さんもよう言うてましたな。
「ナイナイは花月で全然ウケない」
 客筋いうのんとはちゃうねん。そもそも、おもろないねん。パラエティやからなんとかなってんねん。

 ロンブー、品川庄司、くりいむしちゅう、さま〜ずも同じやないかなぁ。
 つい最近、漫才聞いたけどな、さむい!さむすぎるで!
 漫才師にかわったとたんにつまらなくなるて、いったいどういうこっちゃ?

 ほな、おもろい漫才師いてるんでっか?
 そうでんなぁ。前にはいてましたなぁ。
 だれでっか? やすきよでっか?

 ちゃうちゃう。Wヤングや。

 Wヤングゆうたら、いまも関西のほうで、NHKのお笑い番組とかでちらちら見まっせ。
 いや、あれちゃいまんねん。あれは2代目や。初代がめちゃおもろいねん。

「えらいすんまへん!」
「ちょっと聞いたぁ?」

 しゃべくり漫才の天才やがな。
 中田治雄はんのツッコミ。平川幸雄はんのボケ。そらもう爆笑でっせ。このコンビが花月に出てると、お客の笑いで通天閣が揺れたゆう話やで。


史上最強の漫才コンビやな。漫才ちゅうのはこうやるんやゆうお手本や。

 ダウンタウンとどっちがおもろい? そら、比べること自体が間違いや。
 全盛期のたけちゃんが、「おいらが逆立ちしても勝てない漫才師が1組だけいる。追いつくどころか、どんどん引き離されていくばかりだ」と悔しがったのがこのWヤングや。
 たしかに、ツービートよりもテンポが早かったわな。光速のしゃべくりやからな。

 マンザイブームを作った「花王名人劇場」て番組ありましたな。やすきよはあれでスターになるわけやけど、ホントはやすきよの出番はなかったんや。
 澤田ゆうプロデューサーが目をつけてたのはWヤングやねん。
 ところがやな、不幸なことに野球賭博の借金で追い詰められてしもて片割れが自殺しはったんや。1979年のこっちゃ。で、急遽、代役で抜擢されたんがやすきよなんや。

 マンザイブームの後やったら、なんぼでも借金返せたのにな。ほんま、人生はタイミングやな。そう思わんか?

 吉本の若手はみなWヤングを目指したんや。あのスピード感あふれるしゃべくり。打てば響く掛け合い、舞台で客を相手に自由自在に遊んではる。
 それでいて、絶妙の間やな。あの間だけはだれにも真似できまへんで。つくづくそう思うわ。天才やな、漫才の神さんやな。