カテゴリー:日本一の原油アナリスト藤澤治がズバリ直言する!「原油・シェールガス・資源の近い未来」

2013年04月18日 (木)

先物市場ってなんだろう?

 世界には原油3大市場というものがあります。

 NYMEX先物市場ではアメリカ産のWTIが取引されていますし、ロンドンのICEでは北海ブレントが取引されています。ドバイには07年にDME(Dubai Mercantile Exchange)で中東オマーン原油の先物が上場され、現在、その市場規模はますます拡大しています。

 アジアでは原油取引の現物市場のハブとして有名なシンガポールがありますが、いままで先物市場が何回か設立されましたが、流動性が少なくて成功していません。
 あまりにも相対取引が多いですし、アジアの資金量が少ないからでしょうね。

 そのかわり、石油専門誌プラッツが1単位25000バレルというドバイ原油の取引市場を提供しています。先物市場でもあり、量がまとまれば現物の引き渡しも行われています。アジア向けの原油価格は、このプラッツの査定価格が指標となっているのです。

 シンガポールのドバイ価格は、ロンドンのブレント市場と連動していて、ブレント価格が上昇すればドバイ価格も上昇する、というメカニズムです。

 日本の石油会社が中東諸国から長期契約で輸入している原油はシンガポールで査定されたドバイ価格にリンクしています。

 結局、ブレントの先物市場がドバイ価格に影響を与えているので原油価格は先物市場で決まっているのです。

 石油需給が価格決定の主因とはいえ、原油はすぐには調達できません(欧州諸国がブレントを買う場合を除く)。野菜が足りないからスーパーで野菜の値段が高くなるのとは様子がちがいます。ここで強調したいことは、あくまでも現在の需給ではありません。「将来の需給」に対する思惑です。

 いま供給が需要を上回っていても、将来、逼迫するという懸念が少しでもあれば原油価格は高騰しますし、ある程度、需給が緩和して、これからは供給が需要を大幅に上回る(=かなり余る)と予想すれば価格は下がります。当たり前ですね。

 では、これから原油価格はぶっちゃけどうなるのか?

 原油の生産量はアメリカを中心に増加してますから中期的には下がります。

 12年に出版されたSalvatore Carollo著の『Understanding Oil Prices』という本があります。03〜10年までの32四半期を調べているのですが、うち19四半期は需給の関係で値段が変わったわけではない、という結論です。

 値段が上がったり下がったりする要因は、高品質ガソリンを生産する欧米製油所のレベルと投機マネーだ、とのこと。この意見を鵜呑みにするわけにはいきませんが、先物市場では投資銀行やヘッジファンドといった連中の影響は大きくなっているのが現実です。これは私のように毎日毎日、原油市場を分析しているアナリストの実感とも一致しています。

 需給要因と関係のない価格上昇を「実需無き価格高騰」と呼んでいますが、08年7月のWTI史上最高価格=1バレル147ドルはまさに実需無き高騰でした。

 次回は、かつて、この原油価格を舞台に繰り広げられた「日本政府の謀略」についてお話しまょう。

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コメント:

投稿者:メガ

エネルギー先物は限月スプレッドでの運用がいいと思うんです。
https://www.facebook.com/EleCapJapan
のエレメンツキャピタルの解説を見ました。ただあまり先物カーブの動きを理解していないかもしれないという不安があり、機会があれば教えて頂けると嬉しいです。

2013年04月29日 17:33

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中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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