カテゴリー:日本一の原油アナリスト藤澤治がズバリ直言する!「原油・シェールガス・資源の近い未来」

2013年05月16日 (木)

石油はしぶとく長期的に生き残る

 1週間のご無沙汰です。藤澤治です。先週は「石油時代の終わりの始まり」というお話をしましたね。
 では、そのあとはとうなるのか。ポスト原油はなんなのか。。。石油の消費が減少すれば何がエネルギーの主役に躍り出てくるのでしょう?

 世界の1次エネルギー需要構成はBP統計によりますと、2011年は石油33%、天然ガス24%、石炭30%、水力6%、原子力5%、再生可能エネルギー2%となっています。

 これが現状ですね。

 長期的には、2030年でも石油の構成比は28%程度で急激には下がりません。この減少分を補うのは天然ガスと再生可能エネルギーでしょうが、天然ガスは26%に伸び、再生可能エネルギーは5%に増加すると予測しています(2030年度)。

 しかし石油のシェアは下がっても1次エネルギー需要自体が増えるので量的には増加していくわけです。

 2030年には現在の日量9000万バレルから日量1億バレル以上に増加します。石油は産業用燃料としては減少するかもしれませんが、交通用燃料、石油化学等に使用される原料としては相変わらず人気があるんですね。

 自動車燃料が真っ先に考えられますが、蓄電池を利用したハイブリッド(HV)、家庭で充電できるプラグ・イン・ハイブリッド(PHV)、電気自動車(EV)あるいは圧縮天然ガス(CNG)、圧縮水素自動車などが次世代自動車としてもてはやされています。

 日本を例にとりますと、新車の販売台数では、毎月、プリウスが圧倒的に売れてますが、保有台数に占める割合はごくわずかなんですね。

 11年3月末で、HV140万台、EV9200台、PHVとCNGを足しても次世代自動車は141万台。11年末で乗用車の登録台数は5867万台、バスやトラックを合わせると7500万台超です。次世代自動車の保有比率は、乗用車全体の2.4%程度。トラック等を含めた総自動車数にしめる割合は2%に満たないんです。

 HVはこれからも伸びるでしょうが、EVはフル充電で走行できる距離が短いし、充電設備のインフラが整備されていませんから、日産リーフや三菱アイ・ミエーブは苦戦しているわけです。

 無公害車として最終的な自動車は燃料電池車(FCV)ですが、これはこれで開発コストが高いし、技術的にもまだ商業化できるレベルではありません。それに自動車メーカーも、ガソリン、ディーゼルの内燃機関の燃費向上技術を磨いて、さらに燃料効率改善に努力しています。
 
 現在、OECDの先進国で進んでいる技術、とくに次世代自動車の普及は、非OECDの発展途上国では経済的に難しい。トヨタもホンダも2020年代でもガソリン、ディーゼルは自動車の主力燃料に留まるでしょう。BPの長期エネルギー展望でも、石油は相変わらず交通部門の燃料の90%を占めると予測しています。

 石油は今後ともしぶとく主燃料として残ります。液体であり、持ち運びに便利という利点は、やはり捨てがたいわけです。


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 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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