カテゴリー:日本一の原油アナリスト藤澤治がズバリ直言する!「原油・シェールガス・資源の近い未来」

2013年06月07日 (金)

アメリカから安価なLNGを大量輸入できれば貿易赤字は減る。

 アメリカではシェールガス増産で国内ガス価格が低下していますが、シェールガスを液化天然ガス(LNG)として輸出しようとする動きが盛んです。

 かつて、アメリカのガス需要増を補うためにLNGを輸入するためにターミナルを数多く建設しました。2009年半ばには輸入ターミナルが4ヶ所、建設中が3ヶ所あったのです。シェールガスの急激な増産で、現在、これらの輸入ターミナルを輸出用ターミナルにしようと転回しているのです。

 様変わりです。

 ただしエネルギー輸出には極めて慎重で、日本への輸出も先日、ようやく許可されました。原油輸出は原則禁止なんですね。LNG輸出にしてもエネルギー省と連邦エネルギー規制委員会の認可を得なければならないのです。

「ガス輸出は国益を損なう」と反対も少なくありません。エネルギー省は2012年半ばに第三者の外部コンサルティング会社、NERA Economic Consultingに「ガス輸出がどれだけアメリカ経済に影響を与えるか」という調査を委託しました。

 2012年12月に報告書を公開。「国内の天然ガス価格は上昇するが、マクロ的にアメリカ経済には利益になる」という結論でした。
 エネルギー省はこれを受けて、LNG輸出を原則的に認可するはずです。

 ただし自由貿易協定(FTA)の締結国々への輸出は自動認可されますが、日本のように非締結国への認可は難しいのです。FTA非締結国への認可が下りているのはSabine Passプロジェクトのみでした。

 環境問題や技術的な側面でも連邦エネルギー規制委員会の許可を必要とします。こちらはコストもかかり環境問題に関するアセスメントがあるのでむちゃくちゃ時間がかかるのです。

 いま、エネルギー省と連邦エネルギー規制委員会の両方の許可を取得しているのは、ルイジアナのSabine Pass LNGプロジェクトのみです。

 FTA締結国向けの認可が下りているのは16件。主要なプロジェクトはテキサスのFreeport LNGプロジェクト、メリーランドのCove Point LNGプロジェクト、ルイジアナのCameron LNGプロジェクト、テキサスのPangea LNG プロジェクトの4件。この4件は年内にエネルギー規制委員会の認可も受けられるでしょう。

 輸出開始時期は、Sabine Passは15年、Freeport, Cove Point, Cameronは17年、Pangea LNGは18年とされています。

 量的には合計で年5620万トンですが、この数字がいかに大きいか。。。いま世界最大のLNG生産国はカタールですが、年間7700万トンす。いずれ米アメリカはカタールに次ぐLNG輸出大国となるかもしれません。

 もしすべてのLNG輸出計画が認可されたら、LNG生産能力は年間1億5000万トン超になりますが、さすがにそこまではいかないでしょう。

 エネルギー省からFTA締結国への輸出案件は短期間に許可が下りますが、エネルギー規制委員会はかなり期間がかかります。天然ガス価格が上がる可能性もありますから、20年頃には年間6000万〜7000万トンにはなるかもしれません。

 日本企業にしても、たとえば、Freeport LNGには中部電力、大阪ガスが液化加工契約をしています。Cove Pointには住友商事と東京ガス、Cameron LNGには三菱商事と三井物産が契約を協議中です。

 カナダでもLNG輸出プロジェクトが計画されています。日本は東日本大震災以来、原発が停止しています。LNG火力発電の急増。高値購入。アメリカから大量にLNGが輸入できれば輸入価格を下げることができます。

 この問題は日本のエネルギー政策の中でも重要なテーマです。


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