2017年04月29日平淑恵さん一人芝居「化粧 二幕」(紀伊國屋ホール)

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 今日から弘前、盛岡です。
ただいま弘前に入りました。道路空いてる。順調です。雨のせいか、北朝鮮のミサイルのおかげか、ふだんより空いてます。

昼から好天。超混んでまいりました。詳細は近々。

 さて、『化粧 二幕』・・・かつて、渡辺美佐子さんが28年間。計648回演じてきた一人芝居。7年前に幕を降ろした後、文学座の平淑恵さんが演じてきましたが、明日でファイナルだとか。ああ、もったいない。



 「井上ひさしの代表作」と言われてますけど、元々は、木村光一主宰「地人会」の一人芝居新作6本のうちの一つ。舞台を見た瞬間、そうとうインスパイアされたんでしょう。遅筆で有名な彼がすぐに二幕を加筆したんですからね。

 たしかにその魅力というか魔力があると思います。

 大衆演劇。女座長。うらぶれた芝居小屋。楽屋。股旅物。衣装。カツラ。一本どっこ。贔屓客。カネ。貧困。棄てた息子。テレビ局。お涙頂戴。母恋物語。母性。入谷鬼子母神。雑司ヶ谷鬼子母神・・・化粧。

 化粧てのはたいていだれにも見せないもの。満座の前で見せながら芝居する、つう演出。なんとも憎いですな。

 一人芝居つうけど、落語も浪曲そして講談も一人芝居ですよね。

 噺やセリフ覚えるのが大変。毎日ふうふう言ってるレベル。これまだ素人。そのうち慣れてきますと「笑わせてやった」「泣かせてやった」と自分の技量に自惚れてきます。毎回同じセリフで飽きてきたな、と感じる。これ、二流レベル。

 一流になるってえと、お客に合わせて押したり引いたり。ここまできますと「舞台はお客がつくるものなんだ」と気づきます。主客転倒。同じセリフなんて2つとしてありません。だって毎日お客が違うんだもん。

 お客が自分をどう乗せてくれるか毎回楽しみでしょうがない。

 う〜ん。傑作。だれか演らんかな。