2017年07月02日宝塚雪組「幕末太陽傳/Dramatic“S”!」は必見です!

カテゴリー中島孝志の落語・演劇・タカラヅカ万歳!」

 う〜ん、早霧せいなさん(愛称は本名から「ちぎちゃん」)、いよいよ卒業されてしまうんですけど(今月23日が千秋楽っす)。姿格好といい、仕草といい、現役トップスターの中で、私にはベストに見えるんです。


宝塚随一の男前、轟悠さんとかぶるんだよなあ。。。私だけ?

 で、卒業演目がこれ。なかなかっす。1957年封切の日活映画。鬼才川島雄三監督の代表作ですね。

 当時、ドル箱スター裕次郎で大儲けした日活。裕次郎演じる「太陽族」てのは湘南の不良ですからね。「あんなもんをヒーロー扱いしていかがなモノか」つうバカな意見に幹部が右往左往。
 ま、実態は太陽族映画であてたターキー等へのやっかみでしょ。私も経験ありますからよくわかります。足を引っ張るのに「世論」とか「メディア」とか抽象的なモノを使うわけ。

 リーマン幹部たちと大喧嘩しながらつくったのがこれ。だから、わざわざ「太陽傳」としたわけ。幕末の太陽族を描いてやれ、つう心意気よ。

 まあ、こんな監督ですから、製作直後に日活を辞めちゃいます。バカな組織てのはどこも同じでね。逸材を放り出してヒラメを残します。行く末は・・・裕次郎、旭以降はどか貧を怖れてじり貧。最後は女の裸にすがるしかなかった。

 もち、名匠たちは辞めていきました。おかげで10年待っても監督になれない連中にお鉢が回ってきます。埋もれた才能が大暴れしたけど、ま、焼け石に水。
 韓国みたいに邦画を保護すればいいのに、完全に自由化しましたからね、バカな政治家たちは。映画界は「暗黒の20年」どころではなかったのよ。

 この傑作をひっさげて卒業とはあまりにもイカしてるじゃありませんか。

 「幕末太陽傳」てのはご存じの方も多いと思いますが、「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」等、古典落語の名作を本歌取りした作品です。最初から最後まで笑わせてくれます。

 幕末の品川宿。一文無しで相模屋を訪れ、女郎おそめを揚げて大尽遊びの佐平次。翌朝から居残りを決め込んじゃう。で、番頭まがいに働きます。反射神経がいいから、次々と騒動を解決しちゃう。で、礼金をちゃっかり貯めこんじゃう。高杉晋作に久坂玄瑞。幕末の志士たちとの交流も痛快っすよ。

 映画では左平次はフランキー堺。もち、早霧せいなさんが演じます。
 おそめが左幸子。映画「飢餓海峡」のヒロインですよね。この人、元もと、体育と音楽の先生やってたんですからね。この映画ではじめてとてつもない美人なんだと気づきました。雪組では一緒に卒業する咲妃みゆさんが演じます。

 映画ではライバル女郎こはるにこれまた絶世の美女南田洋子なんだけど。

 高杉晋作に石原裕次郎、久坂玄瑞に小林旭さん。それぞれ二番手スター望海風斗さん、彩凪翔さんが扮してます。
 


 相模屋の放蕩息子と幼なじみで駆け落ちする女中おひさは・・・大好きな大好きな芦川いづみさんが演じたのよ。「あいつと私」で裕次郎と共演。ああいう顔、大好きなんすーー。藤竜也さんの奥様。最盛期に引退。横浜に住んでるんだよなー。藤さんの弟さん知らない仲ではないから紹介してもらおっかな。えっ、81歳? う〜ん、スクリーンで会えればいいっす。


日活ダイヤモンドライン&パールライン揃い踏み。向かって一番右。隣はトニーですねー。懐かしいなあ。

 新潟原原のH先生の奥様とお嬢さんも「宝塚命」で、すでに大劇場で満喫してきたらしいね。お目が高い。これ、超お勧め。ただしチケはプラチナ超えてダイヤモンド。ま、しょうがないよね。見ないと人生損すると思うけど。。。