2017年08月13日早いもんですな。もう盂蘭盆会ですか。。。

カテゴリー中島孝志のスピリチュアル研究会」

 お盆ですな。東京と地方では季節感も違うみたいでね。だいたい7月が多いのかな。地方の場合は、都会に働きに行ったこどもたちが盆休みで実家に戻ってくる8月15日前後というケースが多いのではないでしょうか。

 13日に迎え火、16日に送り火。五山の送り火もそうですもんね。

 五山の送り火は16日午後8時から東から5分ごとに点されるようですが、松ヶ崎村の「法」と「妙」にご注目ください。火の勢いが違います。消し方も違います。
 ここは、桓武天皇が都を開く時、平城京から優れた農作人を引き連れてきた処らしくてね。比叡山のお膝元であるにもかかわらず、のちに日蓮宗に一斉改宗します。喜んだ実眼上人が踊ったのが、日本最古の盆踊り=題目踊りのようです。

 「法」「妙」にしても、家運を火で占うほど大事なもののようで、ここだけは地域のための送り火。左右大文字、船形、鳥居形とは点し方も違うことに注目するとおもしろいかも。

 さて、「お盆」つうのはサンスクリット語の音写「ullambana=盂蘭盆会」の略ですな。亡者救いの仏教行事がいつの間にか、日本古来のご先祖様の魂鎮めと習合されたようでして。

 早い話が先祖供養。

 ご先祖様の霊魂を「精霊」といいますが、京都では「おしょろいさん」と呼んでますな。きゅうりとなすに楊枝を刺して、馬と牛。つまり、精霊馬、精霊牛に乗ってもらってご先祖様を送迎するわけで。早くお迎えしたいから馬を使い、ゆっくりお送りしたいから牛を使う。いろいろ考えてますな。

 精霊蜻蛉もご先祖様のお里帰りなんで、お盆の間は虫は捕らない。これが習わし。


六道まいり。去年も一昨年も原原メンバーをお連れした六道珍皇寺。


 この世とあの世の境目=六道の辻に位置します。小野篁が冥界に通った井戸(非公開)でも有名です。現世と冥土を行き来して閻魔王とも交流したというのが小野篁です。


「水塔婆」に戒名を書いてもらいます。迎え鐘をつきます。先祖の霊が宿る高野槙の枝を持ち帰ります。



奥には閻魔堂(篁堂)がありまして、弘法大師、小野篁、閻魔王が祀られています。公開されています。閻魔大王は迫力ありますよね。


 ずっと北に上がりますと千本えんま堂(正確には引接寺ですけど)があります。やはり、水塔婆を書いてもらい、迎え鐘をついて、ということです。閻魔大王(ご本尊)の左右には司命尊と司録尊が置かれています。


 誤解されてるようですが、閻魔大王は地獄の管理人ではありません。亡者を極楽にやるか地獄にやるか審判する裁判長てなわけ。だから脇に書記と命令する役を従えてます。「えんま帳」つうのはここから来たわけです。

 どうやって亡者の罪業を見抜くかつうと、「浄玻璃の鏡」を使うわけ。これ、閻魔王庁に置かれてましてね。生前の一挙手一投足がすべて鏡=プロジェクターに映し出されちゃう。「この野郎、ウソばかりつきやがって」とバレちゃうわけ。舌が何枚あっても足りない。けど、地獄の沙汰もなんとやら。。。


 夜は万灯会。清水寺、六波羅蜜寺、壬生寺・・・ですかな。京の東にいくつもの灯が見えます。
 清水寺の麓は元もと鳥辺野つう葬送地。昔のことですからムシロに死体をのせるだけ。風葬といえばかっこいいけど早い話がのざらしですわな。いまや8000もの石塔石仏に灯明を捧げる万灯会なわけでね。

 また、お盆がやってきます。