2018年03月04日「ドクトル・ジバゴ」

カテゴリー中島孝志の落語・演劇・タカラヅカ万歳!」

 ロシアの作家ボリス・パステルナークの原作。

 ロシア革命がいかに人間的な側面を無視し、革命のための革命であったか、革命党のための革命であったかが鮮明に伝わってくる作品でして、
 ですから、こんなもの、ソ連国内では発表も出版もできませんわな。で、イタリアで刊行されて世界的に売れたわけ。なんと18カ国に出版されました。

 しかも翌年、ノーベル文学賞授与の快挙!

 けど、ソ連共産党は彼をソ連作家同盟から除名追放すると脅迫。で、彼は受賞辞退。なにしろ受賞したら亡命必至ですからね。

 「母国を去ることは死に等しい」

 政治的理由でノーベル賞受賞を辞退する初のケースになりました。

 でも、そこはやはりノーベル委員会が政治勢力ですからね。辞退を認めず一方的に賞を贈っちゃう。ですから、パステルナークは辞退扱いにはなっていないのよ。公式に受賞者として扱われているんです。


映画化は1965年。アメリカとイタリアの合作。巨匠デヴィッド・リーン監督。主演はオマー・シャリフにジュリー・クリスティ、そしてジェラルディン・チャップリン。アカデミー賞5部門受賞。とくにモーリス・ジャールの挿入曲「ラーラのテーマ」が有名かしらん。


大好きなキーラ・ナイトレイ。これはテレビドラマ。


ロシア本国ではじめて映像化された「ドクトル・ジバゴ」。ラーラ役が気品あるチュルパン・ハマートヴァ。どんぴしゃでおます。


ユーリには宝塚歌劇団理事にして専科から轟悠さん。ラーラには有沙瞳さん。

 20世紀初頭、革命前後の動乱期のロシアで、純真な心を持つ詩人でもある医師ユーリ(ユーリイ・アンドレーヴィチ・ジバゴ)と、彼が愛し続けた運命の女性ラーラが辿る波瀾の生涯を描く。
 悠久のロシアの大地で、時代のうねりに翻弄されながらも懸命に生きた人々の軌跡、そして愛の形を鮮烈に描き上げる大河ロマンです。

・1885年 ユーリ・ジバゴ出生。
・1905年 血の日曜日事件。ジバゴ、医学生。詩を作る。ラーラ(17歳)、コマロフスキーと強制的関係。
・1913年 ジバゴ、トーニャと婚約。ラーラ、パーシャと婚約。関係を清算するためにコマロフスキーを撃つ。
・1914年 第1次大戦勃発。軍医ジバゴ、看護婦ラーラと再会。
・1917年 終戦。ロシア皇帝銃殺。内戦始まる。ジバゴ、ラーラと別れてモスクワへ。ユリアティンに住むラーラと再会。軍医として赤軍に強制拘束される。
・1921年 ジバゴ脱走。ラーラの元へ。コマロフスキーにラーラ親子を預けて別れる。
・1922年 ソ連建国。
・1929年 ジバゴ死亡(享年44歳)

 なぜか本妻よりも愛人がクローズアップされとるんよ。「赤い糸」ってあちこち結ばれてるんかなあ。この件についてはある霊能者から聞いた話がいちばん説得力がありますな。原原の3次会あたりでお話しまひょ。。。