2018年07月31日円高か円安か・・・どちらに振れてもおかしくない!

カテゴリー中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記」

 いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。

 まず最初に、昨日と今日は日銀の金融政策決定会合です。この内容次第で1ドル105円あるいは115円・・・為替の方向性が決まります。



先週述べたとおり、為替もトランプによって乱高下してますね。1日に2円近くの円高はご存じの通り。

「ECBも日銀も通貨安誘導している。ドルが高すぎる」
 「FRBは利上げしたがるが、生きた経済にはよくない」

 もちろん、トランプ発言に市場は瞬時に反応し、円高ドル安となりましたが、長期金利はといえば、2.85%から2.89%へと上昇しましたが、短期金利と金利先物は動いていません。つまり、FRBは独自判断で利上げを進めていく。トランプは金利政策に介入できない、と市場は認識しているわけです。

 それにしても、歴代の大統領はFRBへの文句は言いたくても直接にはいわず、他国の大統領や首相、財務大臣、中央銀行総裁に対して、「プラザ合意」「ルーブル合意」というエゴ丸出しの政治でドル安へと強制誘導してきました。

 トランプは違います。



 彼の執務室には民主党を創設した、第7代大統領アンドリュー・ジャクソン(強烈な人種差別主義者で奴隷解放に反対して民主党を創設!)の肖像画が掲げられています。奴隷解放のために共和党を創設したリンカーンではありません。

 なぜでしょうか? アンドリュー・ジャクソンという人物は、実は中央銀行(合衆国第一銀行)の契約更改を頑として認めず、通貨発行権を政府にとどめた大統領です。おかげで3回も暗殺されかかったほどです。

 考えてみれば、リンカーンにしろ、ケネディにしろ、そして未遂でしたが命を狙われたレーガンにしても、共通点は「FRBを潰そう!」と画策した大統領たちでした。トランプの頭の中には「FRB潰し」「FRBから通貨発行権をもぎとる」「ユダヤ金融資本からアメリカを取り戻す!」という強い意思があるように思えてなりません。

 ただし、いまのところ、ユダヤ金融資本(ネオコン等の軍産複合体も含む)との綱引き、駆け引きで、意思を通したり、意思を曲げたり、虚々実々の「権力争い」を展開しています。「米露会談」のあと、ロシアとプーチンに対する発言がコロコロ変わるのも「権力争い」の途中にある証拠です。

 さて、為替はドル安円高、ドル高円安のどちらに進むのでしょうか? どちらに転んでもおかしくありません。

 タイミングを読むと、自民党総裁選において「安倍3選がほぼ決定的」になった直後に日銀会合が開かれることに気づかなければなりません。偶然ではありません。今月の日銀会合までに3選を決めたい、と安倍首相も黒田総裁も考えていたと思います。

 なぜか? 「ドル安円高」にするためでしょう。

 安倍首相も黒田総裁も本音は「ドル高円安」です。事実、日銀は「指値オペ」を実施(指定した価格=固定利回り=で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を実施)。
 長期金利が一時0.105%(前日終値から0.020%高い! 17年7月以来の高水準!)と1年ぶりに上昇(価格は下落)。即、抑制するぞ、というメッセージを送りました。利回りは一時0.090%まで上げ幅を縮小しました。「指値オペ」は23日に続いて27日(16年9月導入後6回目)、さらに30日にも実施したので今月だけでも計3回。トータル7回となります。
 「月2回」もそうですが「月3回」は制度導入後初めて。それだけ今月はタイトだったのだ、と思います。







 市場は「金融政策決定会合で日銀が緩政策策を修正する」と考えています。金利に上昇圧力がかかっているわけですが、引き金を引いたのは「ロイター」です。あまりのタイミングの良さにトランプ(ホワイトハウス)と口裏を合わせていたのではないか、と私は勘ぐっています。
 「日銀は金融政策決定会合で鈍い物価動向を踏まえ、物価2%目標の実現に向けて金融緩和策の持続可能性を高める方策の検討に入った」
 つまり、FRBはすでに利上げとテーパリングに転じ、ECBも年末には量的緩和を終了させる。さすがに日銀もいままでの金融政策を変えざるを得なくなるだろう、という意味でしょう。
 「あの日銀がアベクロミクスを転換するのか!」という噂でドル高が円高に転換。トランプ発言が拍車をかけた、というわけです。



 本音は円安継続。しかしトランプの要求を「忖度」すると、「ドル安円高」へと舵を切らざるをえないのではないか、と思うのです。以前から、私は8月に大調整がなければ年末の株高はない、と考えていますので、割安株を仕込むチャンスかもしれません。

 「米露会談」でトランプはイラン問題というよりも中東問題をロシアに任せることを秘密会談で決めた、と思います。そして11月の中間選挙の頃には北朝鮮に対してなんらかの具体的行動を展開するのではないか、と思うのです。

 前回述べたとおり、株価も金価格もファンダメンタルズやチャートで分析できる領域はそれほど大きくありません。なによりも大きなトレンド。政治、宗教、戦争等を含んだ「地政学」がここ数年、大きくクローズアップされてきています。









 なぜか? いま、世界で大変動が進行しているからだと思うのです。「トランプVS習近平」「トランプVSプーチン」「トランプVSヨーロッパ」「トランプVS北朝鮮」という構図だけで考えていると大局観を見失います。

 トランプの真の敵はいままでのアメリカを食い物にしてきた「ユダヤ金融資本」なんですね。

 トランプがパワーを固めたら、国連(国際連盟から国際連合。いずれも提唱したのはユダヤ武器商人の代理人=アメリカ大統領でしたね)と下部組織のIMF、その下部組織の世界銀行そしてWTOは潰しにかかるでしょうね。つうことはNATOは大幅改編必至です。
 なぜって、米露が協定を結ぶんですからアメリカにNATOは不要でしょ。つまり、EUは独自にNATOを結成せなあかんわけよ。だから、「アメリカにたかるな! いますぐ払え! このユーロ野郎!」とトランプはいつも言ってるわけ。

 ここらへんのことは下記の本にたっぷり書いてますんで読んでね。





 でね、どうでもいいんすけど、最近、徳永英明さんがさだまさしさんに見えてしょうがないのよね。ちがうか! 私だけ?


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「全米は、泣かない。後編」(五明拓弥著・1,620円・あさ出版)です。