カテゴリー:「鬼の般若」の経営道場

2006年10月12日 (木)

社長の意思決定法

 「般若先生、社長の意思決定法について教えてください」(若手起業家・28歳・男性)

◇意思決定の方法では◇
 社長業は決断業です。毎日、毎日、意思決定の連続です。
 問題はそのレベルですね。脂汗を流し、寝られず逡巡する。どうしよう、こうしようか、とことん迷う・・・というような意思決定は日常茶飯事ではありませんよね。
 毎日、この連続だとストレスで死んでしまいますもの。
 けど、年に数回、数年に1回という頻度で、「もう死にそうだ」「どうしていいかわからない」というほど、意思決定ができずに迷いに迷うことがあると思います。

 というわけで、あなたの質問は「命運をかける意思決定」「究極の意思決定」をどう考えるかというテーマに置き換えて考えてみたいと思います。

 意思決定のポイントは、第1に「答えはどっち!」かを鮮明にすることです。これ、料理番組ではありませんのであしからず。
 AもBもどちらを選んでも正解のように思える。でも、絶対にどちらかを選ばなければならない。これが厄介なんですね。役員や従業員の間でも意見が真っ二つにわかれたり。すると、どちらを選んでも禍根を残しかねない選択になりますね。

 ということは、反論意見が出てくることを前もって想定しておいて、なぜ「B」を選んだのか(あるいはなぜAなのか)をハッキリしておくことが大切です。理論武装、説明責任をきちんと果たすことが社長として重要な仕事になるのです。
 「あぁ、なるほど。そういう理由で意思決定したのか」と納得はしなくとも、理解してもらっておかなければなりません。これをしておかないと、異論反論、疑問がくすぶって、ひょんな時にうねりのように増幅されて組織が木っ端微塵になりかねませんから要注意です。

 第2は、正解Aと正解Bの選択時に1人で決断すること。
 たとえ役員でも、社内の人間の言うとおりにはできませんよね。社長は最終責任者。だれにも責任転嫁はできません。それだけに最後の決断はいつも孤独です。けど、それができなければ社長などさっさとやめてしまいましょう。1人で考えて考えて考えぬいて意思決定をするのがあなたの仕事なんです。
 もちろん、その決断について第三者に意見を聴き取ることはいくらしてもかまいません。

 3年前、顧問先で人事の大変革を実施したいが・・・という相談を社長車の中で受けたことがあります。もちろん、私なりに組織案を持っていましたから社長の腹案にいろいろとアドバイスしました。社長自身も意見を聴きたかったのでしょう。
 私のアドバイスに共感したのか、元々、彼自身がそう考えていたのかはわかりませんが、私の組織案通りの組織でマネジメントしています。幸い、業績も向上しています。

 第3は「意思決定の基準をなにするのか?」ということです。
 これは「野望」を第1に優先してはなりませんぞ。野望は密かに基準とすべきものです。基本は「ビジョン」「使命」「理念」「志」を基準にすることです。すると不思議なことに、社内も外部の人々にもわかりやすい説明ができるのです。社長の意思決定をより強力にバックアップすることになって安心して取り組むことができます。

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中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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