カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2019年04月22日 (月)

「男はつらいよ」第18作「寅次郎純情詩集」

 忘れないうちに(その1)・・・本日深夜2時「3分でわかる!チャートたっぷりメルマガ!中島孝志の『経済教室』 を配信しています。テーマは 『嵐の前の静けさ? パフェット指数に注目!』 です。会員さんはご確認ください。。。

 忘れないうちに(その2)・・・昨日午後1時 “どん底メルマガ”「臨時便」、タイトルは 『10連休明け!好決算発表8銘柄「D」「B」「M」「T」「S」「T」「I」「U」チャート解析で丸裸にする!』 を配信しています。ご確認下さい。
 
 4/8配信「S」3%、4/12「W」3%、「H」4%、4/20銘柄研「N」7%「S」4%。5月目前「T」3%(ドンピシャ)。薄商いの中上昇してます。
 

 今日の通勤快読は聴く方も、読む見る方も、どちらもテーマは「京マチ子」さん。

 紹介していて思い出し、DVDを引っ張り出そうとしたら見つからない。イライラするよりネットで見ればいいわけでね。いつもは「ながら鑑賞」ですけど、今回は集中しちゃいました。

 いいなあ、この映画は・・・いつもの通り、善人しか出てこないからね。



 「寅さん、お母様を愛してくれてました?」
 「冗談じゃねえや、オレが」
 「お母様はそう思ってたわよ、きっと」
 「・・・」
 「早く良くなって寅さんに会いに行きましょうね、と言ったら嬉しそうにこっくり頷いたわ」
 「・・・」
 「だれにも愛されたことのない生涯だったけど、最後に、ひと月だけでも寅さんていう人がそばにいてくれて、お母様がどんなに幸せだったか、私にはわかるの」

 「サクラ、あの人にピッタリの商売あったぞ」
 「なーに?」
 「花屋よ、あの奥さんが花の中に座っていたら似合うぞ」
 「そうね、とってもいい考えだわ」
 「仕込みとか配達とか掃除は、みな、オレがやるんだよ。奥さんはただ座ってりゃいいんだ。花束をもってお客さんに、どうもありがとうございましたって渡してくれりゃいいんだ。流行るぞ、この店は」
 「・・・」
 「本当になってたら、オレも渡世人稼業プッツリ足洗ってよ、おまえが言うように、とらやでゆっくり正月過ごすことができたんだよな」
 「そんなこと考えてたの、おにいちゃん。あのお母さんに、その話聞かせてあげたかったわね」
 「墓参りの時にでも話するさ。じゃあ、行くぞ」

 寅さん、優しくて素敵ですよ。けど、無銭飲食でサクラに信州までお金を届けさせたり。近くにいたらめんどくさい人。遠くで見てるのがベスト。まあ、私もそう言われてますけど。

 生きてるうちが花。生きてさえいればなんでもできます。いつまでも生きられる、と勘違いしてる人が多すぎるわな。油断大敵。

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2019年03月22日 (金)

「まく子」

 「サイセー、サイセー、サイセー!」
 祭りのかけ声。どうしてサイセーなのか? 再生だから。祭りのためにつくった御輿も河原で壊して燃やす。再生するために。

 シュンペーターの創造的破壊? 幸之助さんに言わせたら、死もまた生成発展やで、ということになりそうです。大徳寺の立花大亀住持の受け売りでしょうけど、合点がいくからそう発言してるわけでね。

 生き続けるから再生なのではなくて、死があるから再生があるわけ。再誕生。生まれ変わり、蘇りですからね。

 みなが顔見知りの小さな温泉街。映画では群馬の四万温泉にしてますね。



 小学5年の慧(サトシ)は大人になりたくない。大人になると、女好きで母親を哀しませるオヤジみたいになっちゃうから。ただでさえ、「最近よく似てきた」と言われるからよけい気になってるみたい。

 「ボクのキンタマきもい」

 美人転校生コズエは宇宙人だと言う。母親同様、変わっていて、なんでも「まく」。原作では小銭や砂利、ホースの水も「まく」んだけど、映画では「落ち葉をまく」だけ。

 コズエの秘密がサトシの世界を塗り替えます。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと。誰もに訪れること。怖いことではないよ。



 原作は「通天閣」の西加奈子さん。監督脚本は鶴岡慧子さん。「感涙決壊」というほどではないと思うけど、すっきりとさわやかで美しい。

 草なぎ剛さん。SMAP解散後、初仕事だったようです。「なんでもやんなきちゃ」と必死だったらしい。大スターでも板子一枚下は地獄なんですね。独立するということはそういうことです。

 実は、肉体は瞬間瞬間、細胞が死んでは生まれ変わる、という新陳代謝を続けています。けど、精神も新陳代謝してることを知らない人が少なくありません。

 人は変われる! いつでもね。仮り船の肉体ですら変われるんですから、水主である精神が変われないわけがありませんわな。

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2019年03月15日 (金)

やっぱアカデミー賞だわな、「グリーンブック」

 ラストのセリフがなんとも洒落てますな。シナリオがとてもいい。

 第91回アカデミー賞受賞。うーん、『ボヘミアンラプソディ』も観たけど、やっぱ、こっちだわな。同性愛がかぶるけど、流行なんかね。

 これ、実話です。あちらも実話らしいけど。脚色がたんまり。これはまんまです。息子のニックが書いてるんだもん。2カ月の旅に出るとき、トニーは2人の子どもを抱きかかえて「ニック、フランク、ママの言うことをきくんだぞ」と話してもんね。で、タイトルクレジットにニックの名前みっけ。

 そうだったんだ。



 「あいつは天才だ。でも楽しんでない」

 天才黒人ピアニスト。ドン・シャーリーはジャマイカ移民の子だけど、音楽の天分に恵まれて英才教育を受けることができたから、1962年、そこらへんの「黒人」とはモノが違うわけ。

 火曜の東京原原(テーマは「仕事と経営に活かす日本と世界の歴史」)でお話しましたけど、アメリカって「独立宣言」からして「黒人は人間とは認めない」という主義ですからね。起草したトマス・ジャファーソンからして、毎晩、黒人奴隷を慰み者にしてたわけでね。

 奴隷は人間じゃない。だから、学校、バス、レストラン、ホテル、トイレにいたるまで、白人用と黒人用で分別処理してたわけだしね。黒人と通じた白人女はリンチ、輪姦だもんね。

 ナット・キンク・コールは故郷アラパマでステージから引きずり下ろされリンチの憂き目にあってますしね。

 もち、南部は酷い。北部は少しはマシなだけ。

 20万人のワシントン大行進が起きたのが63年でしょ。ケネディ兄弟そしてキング牧師のアジテーションもあって、公民権が認められるようになったのは64年。東京オリンピックの年ですよ。

 そんだけ根深いということ。アメリカの人種差別はね。いまでも当然ありますよ。だから意識して差別しないように努力してるわけでしょ。

 意識とか努力が必要なんだからホントに根深いわな。

 もちろん、黒人も白人も「まともな人」もいれば「まともじゃない人」もいるわけ。その比率が致命的に違うし、それに地域性なんてものが入ると日本でも同じ。

 身内がIVYリーグにいるけど、ドミトリーでは中国人はやっぱ浮いてる。エゴの塊でルールを守らない、と。なーんだ、習近平から銀座で買い物してるオバハンまでやっぱ同じなんだ、と思い込んでしまうわけよ。

 でも公徳心のある中国人だってたくさんいるでしょ。どこかにね。

 こういう「思い込み」が人の心を縛るわけ。



 ドン・シャーリーというピアニストはナット・キング・コールのケースを承知で、わざと差別意識の高い町を演奏ツアーでまわったわけね。

 イタリア系移民のトニーは元もと、コパカバーナの用心棒だから、どんなトラブルでも解決しちゃう。マネジャーにはうってつけなわけ。

 ルールにうるさいドン・シャーリーと掟破りの世界で生きてきたトニーは水と油。水と油が狭い車の中で全米を縦断するわけですから推して知るべし。

 でも、対立と爆発があるから仲が良くなっていきますわな。2人は終生、深い信頼と友情で結ばれていきます。



 『グリーンブック』つうのは、ビクター・グリーンが自らも黒人なんで、白人社会でトラブルを起こさないよう、黒人を守るために編纂した「旅のガイドブック」ですね。黒人専用ホテル、黒人専用レストラン等の案内から各地の黒人規制、たとえば、夜の外出は何時までか等々の情報をまとめている本なのね。

 「トラブルで気分を害さないように」というレベルではなく、「殺されないよう自衛する」という本です。

 凄い社会ですよ。こういう社会だから国旗とか国歌等のシンボルをみなで尊重するんでしょうな。

 人工国家ですよ、アメリカは。モザイクじゃないね。もっとバラバラ。人種差別に貧富の差、教育の差がこうじて階級社会ですもんね。超金持ちの黒人もいれば、ド貧民の白人もいます。

 「おかしい、なぜ白人のオレがこんなに貧乏なんだ?!」

 反省して生き方を変えるなんてことはしない。嫉妬し、羨み、ならば、こんな社会はぶっ壊してやる、となります。

 「神が囁いた」なんて言葉で乱射事件が起き、最後は自分の頭にズドンと一発。

 これでおしまい。

 「暴力では勝てないことがあるんだ。だからDignityで闘うんだ」と諭すドン・シャーリー。「ニガーなんて言うな」と仲間を諭すトニー。

 「黒人ぽくなく、リベラーチェのようで、もっと上手だ」

 全編60年代の曲のオンパ。時代は62年。黒人音楽が白人に盗まれる直前ですな。

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2019年02月04日 (月)

「メリー・ポビンズ・リターンズ」

 いい映画が軒並み封切りですな。
 「ビクトリア女王」は必見です。「七人の会議」もおもしろそう。

 でもでも、やっぱ「メリー・ポビンズ・リターンズ」は見なくちゃね。



 けど、その前に・・・これ見てちょ。大好きな大好きなエマ・トンプソンつう英国女優が主役だから、というわけではないんですけど。



 元々の「メリー・ボビンズ」は1964年の作品です。主役はジュリー・アンドリュースですよね。ディズニー映画でアカデミー主演女優賞にノミネート(後に受賞)されたのはいまだに彼女だけ。

 さて、ジュリーが頭角を現したのはブロードウェイ公演ですわな。ご存じ「マイ・フェア・レディ(1956年)」。



 以前、書いたと思うけど、映画版「マイ・フェア・レディ」で主演をつとめたのはオードリー・ヘップバーン。歌唱シーンは吹き替え。歌、そんなに巧くないもん。

 この年のアカデミー賞なんすよ、ジュリーが獲得したのは。つまり、オードリー・ヘップバーンは取れなかったの。ま、下世話な言葉で言えば「リベンジ」てやつ? たぶん判官贔屓もあるとは思うけど、ミュージカル映画で吹き替えじゃ取れんわな。

 さて、「メリー・ポビンズ」ね。「リターンズ」をご覧になる前にぜひ「ウォルト・ディズニーの約束」(2013年)を観て欲しいのよ。



 だから、エマ・トンプソンつう英国女優のファンだから言うわけじゃありません。

 「メリー・ポピンズ」を映画化するのにウォルト・ディズニーがどれだけ苦労したか。20年待たされただけじゃなくて、制作スタッフもイライラの連日。

 なんたって、原作者のパメラ・トラヴァースは想像を絶するモンスター偏屈女だから。

 「アニメはご法度。ミュージカルもダメ。脚本は原作者の承認を得ること」

 ディズニーには異例の条件。けど、「メリー・ポピンズを映画化する」と娘と約束しちゃったディズニーは、泣く泣く承諾すんの。

 いちいちダメ出しする。皮肉しかいわない。人の親切をそもそも感じない。

 どうしてそんなに偏屈になったのか、彼女の幼少時代からブレイバックして描かれるんですけど、これがなんともいえないほどええんだわ。

 「ヘレン・ゴフ」が本名なのに「トラヴァース」を名乗ってる。

 どうして?

 ファーストネームで呼びかけると、「トラヴァース夫人、と呼んで」と執拗になおさせます。
 
 どうして?
 
 人はどこかに傷を負ったトラウマがいまの自分を少なからずコントロールしてる部分が必ずあります。どこかにね。
 私がカレーの福神漬け以外、漬け物がダメなのに、欧米と朝鮮の漬け物は大好きなのも、きっといつかのトラウマだと思うのよね。

 「私を一人にしないで」
 「約束する」

 けど、大好きな父親は死んでしまいます。酒に殺された。似合わない銀行支店長の重責とストレスでね。

 「そろそろお許しになられては?」
 「父は欠点なんてありませんでした」
 「いいえ、あなたですよ。ヘレン」

 父を助けられなかった、という罪の意識。もしかしたら、母親に隠れてアルコール瓶を渡していたから、大好きな父親が死んだ?

 「メリー・ポビンズは幻の世界です」
 「いいえ、私の娘にとっては現実です」

 人生は夢と幻。通貨も幻。「信用」が支えてるだけ。けど、目に見えたりさわれたり、存在するモノだけが「現実」で、目に見えない世界のモノは「夢幻」と考えるのは少々浅はかかもしれませんね。

 「生まれ生まれ生まれ生まれて・・・死に死に死に死んで・・・」と空海さんもおっしゃってますしね。「夢幻」というのはイマジネーションなんすよね。「ある」と思えば「そこに現れるし」。「ない」と思えば「消えてしまう」んすよ。それほどイマジネーションは絶対なんです。

 「念ずれば花開く」とどこかの偉い先生もおっしゃってましたよね。

 「メリー・ポビンズ」は彼女の経験つうか人生の反映なんすよ。

 「リターンズ」は「メリー・ポビンズ」の20年後のお話つうことでね。お時間があればどうぞ。。。

 蛇足ですけど、「ウォルト・ディズニーの約束」のラストシーン、なかなかですよ。こういうのがアメリカ映画(英国と豪州もジョイント製作だけど)のいいとこ。 

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2018年11月24日 (土)

映画『ボヘミアン・ラプソディ』

 「Fortune Favors the Bold.」つうキラーフレーズがありますな。
 「運の女神はやんちゃがお好き」とでもいいましょうか。生真面目で計算尽くのヤツはダメ。計算を超えたとこに実は勝機てのはあるわけでね。

 たとえば選挙なんざその典型でして。地盤、カンバン、カバンもないし、も少し顔を売ってから立候補しても遅くはないな、てな慎重居士がいましてね、一方、いま出ないでどうすんねん、後先考えず立候補。「バカか、あいつは?」「家族はどうするんやー?」とアホ呼ばわりされまして。

 けど、その選挙。全員当選。定員と立候補者数が同じだったから。

 人生てのはタイミングですな。運ですな。実力でどうのこうのとはなりませんな。だから、おもしろいわけでね。
 
 さて、このフレーズ。元もとは「Fortis Fortune Adiuvat.」つうラテン語でんねん。

 「幸運は勇者の味方をする」

 たしかにねえ。リスクをテイクしたヤツだけが蜜にありつけるわけ。無謀? それは「デンジャラス」なだけで「リスクテイク」とは違います。ただのおバカさんっす。「リスク」ってのは「明日の糧」つうアラビア語ですから。



 QUEENの「オペラ座の夜」つうアルバムは全英チャートで9週間トップを続けた傑作。3カ月でミリオンセラーを打ち立てます。

 「♪ママー、ボクは人を殺したとこなんだ」という歌い出し。それからオペラ風のアレンジからアカペラとか五変化。トータル6分。当時、こんな長尺を放送してくれるラジオ局なんてありませんからね。
 プロデューサーが却下するのは当然。けどQUEENのメンバーは全員「ボヘミアン・ラプソディ」で勝負したい。



 歌詞は奇妙なキーワードのオンパ。これ、人の名前なんすけどね。「ガリレオ」はどなたもご存じ。「スカラムーシュ」は17世紀のた道化師だし、「フィガロ」は「フィガロの結婚」から。「ベルゼブブ」は新約聖書に出てくる悪霊君主。「ビスミラ」はコーランからの引用。
 スカラムーシュはフレディ・マーキュリーの象徴。ガリレオは天文学を先行してたギタリストのブライアン・メイのこと。


マレーネ・デートリッヒの写真が何回か出てきますよね。この陰影がお好みだったみたい。

 1985年7月13日、ボブ・ゲルドフがプロデュースした「ライブ・エイド」(ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催)。エチオピア飢餓救済チャリティ・コンサートなんですけどね。
 ジョン・F・ケネディ・スタジアムほかで同時開催。衛星が13(オリンピックでも3つなのに)、世界150カ国に生中継。15億人が見た、つうコンサート。

 キャストはポール・マッカートニーにボブ・ディラン、エルトン・ジョンなど錚々たるアーティストたち。

 その頃、400万ドルに目が眩んだ「マネジャー=恋人」の口車に乗って独立。で、QUEENのメンバーとフレディは仲違いしちゃうわけ。
 よくいますよね。マネジャーとか秘書とか代理人とかになって、周囲と連絡をとらせなくするヤツ。都合のいい情報しか流さない。結果、裸の王様。QUEENのメンバーは何回もフレディに連絡するんですけど「マネジャー」が取り次がない。もち、コンサートについても知りません。

 ようやく知った時には出演者が決まってた。「出演しなければ永遠に後悔する。頼む、受けてくれ」とメンバーに詫びを入れてなんとか出演。

 映画でもきっちり描かれてるけど、「ボヘミアン・ラプソディ」「レディオ・ガ・ガ」で世界を魅了してしまいます。QUEENがそしてフレディが「レジェンド」となった瞬間ですな。
 
 実は翌年、このウェンブリー・スタジアムで単独ライブ。2日間で15万人もの動員。史上最大にして最高のパフォーマンスとして語り継がれます。
 この後、フレディは病状が悪化して亡くなります。ゾロアスター教に則り火葬されました(彼はペルシャ系インド人でしたからね)。

 享年45歳。そう、27年前の今日のことです。合掌。

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2018年11月18日 (日)

「鈴木家の嘘」

 博多と出雲原原では紹介したんですけどね。一昨日の金曜日が封切りでして。

 実は翌昼から「銘柄研究会」がありまして、講義のためのパワポが85枚。こんだけ用意するにはそこそこ時間がかかるわけでして。しかもダウは日本時間の深夜。

 けど行っちゃうわけですよ。終わったのが深夜零時。ホント、バカですねえ。火曜は空いてるつうのに。待てないのよね。そういう性格。

 さて、人の脳ってのはとてもよくできてましてね。

 都合のいいように考えちゃう。でないと生きていけないから。
 都合の悪いことはねじ曲げちゃう。あるいは忘れちゃう。記憶の奥の奥に仕舞っちゃう。でないと生きられないから。

 『インテリジェンス読書術』(講談社)という本にトットちゃんのこと書いたことあるのよね。黒柳徹子さん、あるとき、写真探してたら、見知らぬ男の子と一緒に写ってる写真見つけたの。

 「これ、だーれ?」
 「弟。あなたたちとっても仲良かったじゃない」
 「・・・」

 記憶にないんです。幼くして亡くなった弟さん。仲良かったんだ。あまりにも哀しくて記憶から消しちゃったんだよね。

 「ボクのこと、しばらく忘れてていいよ。大丈夫になったら思い出せばいいから」
 たぶん、弟さんもそう言ってたと思うな。

 トットちゃん、それ、二十歳の時。それまでずっと忘れてた。哀しすぎて。

 人間の脳ってとてもよくできてます。



 さて、この映画。引きこもりの長男がある日突然自殺。第一発見者は母親。ショックで倒れちゃう。1か月以上ね。
 親族が集まった四十九日の日に目を覚ますわけ。

 「浩一は?」
 「お兄ちゃんは引きこもりをやめてアルゼンチンに行った」

 妹が突然、そう言ってしまうわけ。なにやってもダメな母親の弟が今度はアルゼンチンで養殖やり出した。で、叔父さんを手伝ってるということにしちゃう。



 この嘘、どうなりますやら? 彼を殺したのは自分だ、と家族それぞれが自分を責めます。妹は自殺家族の集まりに出かけていくし、みな、自分を責めるばかり。

 自殺てのはつくづく罪だと思う。家族を巻き添えにしちゃうからね。人間てのは不幸になるために生まれてきたわけじゃないんだけどね。

 菊地鶴次郎のように「ツルーーー」と叫ぶしかないんだわな。

 妹役の木竜麻生さん(きりゅう・まい)、演技とってもいいよー。

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2018年10月10日 (水)

「教誨師」

 大杉漣さん主演、最初にして最後のプロデュース映画。



大杉さんの役は、プロテスタント牧師。拘置所に通いはじめてまだ半年。死刑にも立ち会ったこともない「教誨師」です。

とっても重たい映画です。タイプのまったく異なる、6人の死刑囚(正確には死刑確定者、と呼ぶらしい)と面会を続けます。

なんのためにやってんだろ。神のため? 自分のため? 使命感? いえいえ、ホントの処、私は、『業』ではないか、と思います。いちばん近い言葉はそれだな。

原案、脚本は佐向大監督が書いてますので、まったく別物ですが、同じタイトルの本が出版されてます。これが傑作でしてね。

 半世紀にわたり、「教誨師」として死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会ってきた、ある僧侶の物語なんです。
 その僧侶は渡邉普相さん。「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束だったらしいですね。

 死刑囚とどう向き合えばいいのか? 死をどう納得させればいいのか? 重圧の中、アルコール依存症になってしまいます。そして病院から通う始末。

大杉さん演じる牧師も同じです。酒に逃げないと死んでしまうほど苦しかったんでしょう。罪と罰。けど、死を納得できる人なんてめったにいませんよ。

 私はいつでも死ねる、もう死んでいるからかまわない、と思ってますけど、いざとなれば、死にたくない、どうしてオレなんだ、ふざけんな、と喚くかもしれません。

 死刑執行直前、長年にわたって付き添ってきた死刑囚に最後の教誨をする。
 仏壇の前でお勤め。「讃仏偈」を大きな声を出す。声を出すことで落ち着く、とか。最後にお茶を出す。

 「執行がイヤだったら大きな声で喚きなさい。泣いても喚いても、浄土往生の妨げにはなりません。思い切り喚きなさい」

 しかし、喚きもせずいい顔をしている、といいます。

 「あの人たちは日ごろから、『死』を心の中に持ち続けています。残酷かもしれません。しかし本人たちは長い間、それを持ちながら生きてきたのです。毎日刑の執行をイメージし覚悟してるんです。
 結局、最後は阿弥陀如来のお慈悲の中に救われていくことを受け取っているんです」

 「あの人たちのことを怖いと思ったら、相手は見抜きますよ。腹を据えて見ていなさい」と師匠から言われたとか。



 「先生、引導を渡して下さい」
 「真宗に引導なんてない」
 ところが、師匠は「死ぬんじゃない、浄土に生まれるんじゃ。喝っ!」とすかさず言ったそうです。
 「ああ、生まれるんですね」とニッコリ。
 「私も後から行きますから。待っててくださいよ」
 たいしたもんです。

 事件のことは話さないし聞かない。調書を一度読むくらいで教誨にはあまり必要ではない。死刑囚は人を殺している。その人の供養のためだけに教誨を受け始めるんです。

大杉さんの牧師はちがいます。

 殺したばあさんが化けて馬乗りになって首を絞めてくる、と幻覚に襲われた死刑囚がいた。本人の心が教誨を受けようと開かれるまでには時間がかかります。

映画はちがいます。ストーカーで一家惨殺した死刑囚はとことん自分に都合のいい解釈をします。

 ある母親は、明日、死刑が執行される息子を抱きしめ、「勘弁してね、許してね」と懸命に詫びていた。産んだ子を死刑になるような人間に育ててしまった。父親はあんなヤツ勘当だと言うけど、母親は違う。
 「自分が悪いんです」
 いつまでも息子から離れない。

 「時間でございます。今生の最後です。お母さん、よく顔を見ておいてください。もし息子さんに会いたかったら、今度はあなたが仏法を聞くんです。それ以外に会う道はありません」
 息子は独房で声を上げて泣く。
 「母をあんなに悲しませた。なんてことをやってしまったんだ」
 何年かかって教誨するより母親のひと言の方がよっぽど大きな力を持っている。



 どこでどう道を誤ってしまったのか? 教誨師と死刑囚。入れ替わっていたかもしれません。因縁次第ではだれでも死刑囚になります。

 愛する人を哀しませたくない。これが歯止めかな。

映画では、大量殺人を冒した青年を演じた玉置玲央さんが光ってたね。超お勧めです。

 愛すれば愛される。憎めば憎まれる。
 信じれば信じられる。疑えば疑われる。
 与えれば与えられる。奪えば奪われる。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「今、心配されている環境問題は、実は心配いらないという本当の話」(武田邦彦著・ 1,404円・山と渓谷社)です。

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2018年09月21日 (金)

樹木希林さんの映画「あん」

 忘れないうちに・・・明日は「ぴよこちゃん倶楽部」「中島孝志の銘柄研究会」です。メンバーはご参集ください。。。


いまのとこ最高値更新してるんだけど。。。


 弱い人しか弱い人の苦しみはわからない。
 はたしてそうでしょうか? 現実を見れば、弱い人がより弱い人を苦しめていることがたくさんあります。

 けど、それも一部しか見てないだけかもしれません。弱い人は弱い人のことを慮っています。なにしろ自分のことですから。。。

 「あん」て映画ご存じ? 樹木希林さんが主演した映画なんすけどね。『万引き家族』と『海街diary』は見たけどって?


モッくんの娘さん(内田伽羅さん))も共演。樹木希林さんの孫っすね。

 この映画には弱い人しか出てきません。みな、なにかしら、苦しみ、哀しみ、悩みを抱えています。けどその中で樹木希林さんが演じる徳江さんだけは病気と偏見を超えて淡々と生きているのです。


鉄のような強さはなくても竹のような強さで十分でしょ。

 「働かせてちょうだい」
 「200円でいいわ。時給」
 「ガワはまあまあだけど餡がねえ」
 「これ食べてみて」

 1度は捨てた餡ですけど、気になって舐めてみた。思わず食べてみた。凄い!

 どら焼き屋には学校帰りの女子高生が遊びに来ます。
 「美味しくなったね。腕上げたね」

 「なんでも好きなことをやゆのなさい。生きているんだから」
 「いいわねえ。若いって」
 女子高生たちと徳江は楽しく会話します。

 開店前から行列ができる店になってしばらくは繁盛します。しばらくはね・・・。

 「私も働きたかったわ」と徳江の友人(市原悦子さん)の羨ましそうな顔。

 なんのために生まれたの? なんのために生きてるの?
 なにかの役に立つの? 役に立ちたいの?
 はい、役に立ちたいです!

 あまりにも悲しすぎて、見ているこちらの心が火傷しそうだけど、存在してくれるだけでいい、顔を見られるだけで幸せだから。

 自分を見捨てない。なにかの本のどこかに何回か書いたことがありますけど、この世でいちばん強いのは自分で自分を励まし続けられる人です。他人を励ますなんて簡単ですから。でも、自分を励ますのは難しいですよーー。

 「味方」であるはずの「自分」が、いちばん最初に「自分」を見捨ててしまうことがなんと多いか。

 最期まで自分を見捨てない。


 さてさて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は明日の「ぴよこちゃん倶楽部」のゲスト講師の最新刊=「現役大学教授が実践している 堅実で科学的な株式投資法」(榊原正幸著・1,728円・PHP)です。 

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2018年09月08日 (土)

「彼女がその名を知らない鳥たち」「ユリゴコロ」

 そうか、『アミダサマ』なんか読んでたんだ。へえ・・・。

 いま最高にはまってる映画。映画館でそこそこ観てるんすよ。私。で、この2つともブルブル震えるくらい感動した作品っす。

 ふつう、映画館で観たものってテレビモニターじゃ観ないっす。DVDもそう。「時間がない」と「また観たいつう作品じゃない」つう理由かな。

 けど、これらは別。つうか、どちらもあまりのえげつなさに目を背けてました。ホラーらしいしね。ほら、私ってデリケートじゃん? やなのよ。昔、飛び込み自殺を目の前でされてからね。トラウマっつうの。なんかね。

 テレビサイズなら観られるかなってんで。けどさ、立て続けに観るかなあ。ま、いいけど。


『彼女の知らない鳥たちの名前』ね。アベサダヲさん大好きなんすよ。


 「あなたの優しさは容赦なかったです」つうセリフはこちらの映画にこそふさわしいのでは? 主役はアベサダヲさんだと思うのね。この男こそマリア様ですよ。



 何回も言うけど、マツケン好きなんす。他人とは思えないっす。いい役者だよね。映画ぜんぶ観てるかんね。なにがいいって、雰囲気がいい。男前とは言い難いけど、なんかいい。空気かなあ。

 原作も読んでます。で、短編集を「通勤快読」で紹介しよと思ってます。でも、やはり長編の人だわな。

 シナリオライターが巧いね。原作と違うもん。で、原作超えてるもん。よりスレンダーに絞ってるからわかりやすいとこかな。
 
 『白夜行』なんてその典型だわな。あれはシシナリオの勝ちっすよ。『ユリゴコロ』もシナリオの勝ち。どちらもいいんだけどね。

 う〜ん、「生まれてきてすいません」つう「ゴミ」みたいなヤツっているでしょ。でも、そんな「ゴミ」こそ絶望の中に希望を見出そうと踏ん張ってるわけ。け

 こういう人こそ元気にしなくちゃいかんわな。ま、本人次第だけど。

 「容赦ない優しさ」ってわかる? 罰して欲しいのに「優しさ」で返す。これって残酷です。でも、優しい人は気づきません。当たり前の世界だからね。私みたいに「虎の穴」で育った人間には裏切りなんて当たり前の世界だもん。

 なんでもいいけどさ。午前7時40分は飛ばなくて午前7時発は飛ぶってどういうこと? 福岡空港から羽田行き飛行機ってどうして飛ばないの? 福岡の天気いいっすよ。前日、羽田から福岡空港まで届いたけどね。

 「機体がないから」ゆうのんは、先月の出雲に続いて2回目。ま、大量に本持ってきたからね。新幹線でゆっーーーくり帰るべえかな。途中下車してもいいし。山陽道+東海道の新幹線は長いかんねー。

♪帰ろかな 帰るの よそうかな♪


 そうそう、原作は沼田まほかるさんっす。

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2018年08月12日 (日)

「カメラを止めるな!」

 う〜ん、なるほど。そういうつくりなのか。。。

 内容よりもなによりも映画の製作法に関心が行っちゃうのよね。ま、ゾンビ映画なんて関心ないもの。

 FM聴いてたら、アンジャッシュの渡部さんの番組で映画評論家がゲスト。で、この映画を絶賛してたつうわけ。

 納得。入れ子構造になってるわけね。これはよく見ます。あります。で、立体的に理解できるつうか、ああ、なるほど、そうだったね、と合点がいく。



 最近の邦画はヒット漫画か小説を原案にしてるのばっかですけど、映画のために脚本がしかと書かれた、つうのはめったにありませんね。

 リスクヘッジといえばそれまでなんすけど、映画屋なら脚本かけよ、と言いたくなりますわな。テレビのほうがよっぽど真摯に脚本書いてますよ。『グッドドクター』見てちょ。

 いずれにしても大ヒット。たしかにおもしろい。 

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『完全決定版!最短距離で作家になる方法』

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プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
■東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。
■ビジネスパースンのアフター5勉強会の先駈け「キーマンネットワーク」を26歳から主宰。ただいま全国で開催している勉強会は
「原理原則研究会in東京」
「原理原則研究会in大阪」
「原理原則研究会in博多」
「原理原則研究会in名古屋」
「原理原則研究会in神の国出雲」
「原理原則研究会in新潟」
「原理原則研究会in札幌」
「松下幸之助経営研究会」
「中島孝志のスピリチュアル研究会」
「日曜読書倶楽部」
「濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会」
「黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部」

■講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
■著訳書は480冊(電子書籍100冊含む)。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュース延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
■日本青年会議所の「TOYP(人間力)大賞」を87年から3年連続受賞の快挙(横浜JC推挙)。
■短期間でハイリターン!チャート解析マスター!投資メルマガ「V字反発する“どん底銘柄 特急便”」配信。
■月水金と週3回配信メルマガ「3分でわかるチャートたっぷり!「中島孝志の経済教室」
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