2007年08月24日「知より情だよ」 渡辺淳一著 新潮社 1365円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

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 「愛ルケ」「失楽園」「化身」・・・話題作連発の渡辺先生のエッセーです。
 この人の文章は、プロですなぁ。つまり、読ませる文章だし、読むだけの価値がありますよ。

 たとえば、私、月曜発売の「朝日」「現代」「ポスト」、木曜発売の「新潮」「文春」等の週刊誌はすべてチェックしています。

 でもね、さすがに忙しい時は全部なんて読んでられない。また、中には○○誠さん、○○滋さん、○○うさぎさん等々の原稿は、ここ何年、最初から読んでないなぁ。
 
 しかし、しかしであ〜る。渡辺先生の原稿は読む価値があんだよなぁ。
 内舘牧子さんはすべてチェック。林真理子さんは美容関係の原稿を覗いてチェックしてます。鋭い観察眼と本音が魅力なんだよね。
 たとえば、林さんなど、以前から、折口さんの顔が介護ににつかわしくない、と鋭い直感で述べてたもんね。で、調子に乗っていまから、ワタミの社長も同じようなものと切って捨ててるけど、さて、それはどうでしょうか? 私、あの人、誠実な人だと思うんだけどね。
 女の直感、男の観察眼、はてさて、どちらが正解か・・・。

 また、今回の朝青龍の問題など、いちばんスパッと納得できたのは、やっぱ、内舘さんの原稿ですもんね。彼女の見識に比べたら、スポーツジャーナリストの○○なんて、ケチな推理でなんの説得力もありませんな。

 どうして、テレビは彼女にインタビューしないんだろう?
 とくに、もうじき打ち切られる草野さんのワイドショー。ぜひ、インタビューすべきでしたね。それにしても、この番組、人材難で、コメンテーター、いったいどこから仕入れてんだろ? 有田さんなきあと、まともなのは市川さんだけじゃない。

 さて、本書なんだけど・・・。

 タイトルの「知より情」という話は、福井日銀総裁についてのコメントね。
 まっ、読めばわかるんたけど、お勉強はできるんだろうけど、庶民感覚からは完全にずれてる人と攻撃してるわけ。官僚にはありがちなタイプなんだけどね。
 つまり、やらずぶったくりの根性なんだよね。

 「女優不在」という項は面白かったな。いま女優がいちばんやりたがってる仕事は、芝居や映画じゃなくてCMだって。短くて稼げるし、顔を売るにはいちばんだから。
 で、日本の女優はきれいな役、美しい役しかやりたがらない。まして、ヌードなんて嫌。だって、CMのお仕事がもらえないから。

 外国の女優は、たしかにCM出演は嫌がるね。男優もそうだけど、国内ではその商品でイメージづけられたら演技で困るわけ。だから、CM撮影は日本商品だけ。これなら、アメリカでは映らないもの。
 「モンスター」のシャーリーズ・セロンは凄かったね。役のために体重10キロ増。眉毛薄く、肌荒れ、歯並びまで変えちゃう。これじゃ、「楢山節行」の坂本スミ子さんだよ。
 最近で言えば、「パッチギ2」の桐谷健太さんかな。でも、彼、「ウルルン」では戻してたよな。人間風船か!

 あと、「願えば叶えられる」とか「自己陶酔という才能」とか・・・いつもネタを追いかけているから裏切らない原稿=面白い原稿を書けるんだ、と思うな。250円高。