2008年02月28日「ボルサリーノ物語」 出石尚三著 万来舎 2625円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

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 洒落た本ですなぁ。OAZOで思わず買っちゃいましたよ。東京駅って意外とよく行くのよね。
 行くと、まず、三州屋でメシ食って(お食事してという雰囲気じゃないんです)、それからこの書店になだれ込む。丸善本店だかんね。
 で、たいてい、5階から降りてくるんだけど、衝動買いが止まらないの。

 仕事場に戻って手に取ると、あれ、なんで、こんなの買ったの? だれが読むの? なんてことが少なくありません。まっ、好きでやってるんですけど。

 帽子ねぇ。小中学生の時はかぶってた。チビの時はもっとかぶってた。どこ行くにしても帽子と水筒だけはいつも持ってたからね。水筒と帽子、ホントにたくさん持ってたのよ。いまでも、実家のあるロンドンの屋敷には少なくとも50個ずつは置いてあると思う。執事がちゃんと管理してればの話だけど。

 まっ、冗談はさておいて。ボルサリーノ、カッコええなぁ。
 ウサギのフェルト独特の柔らかさ、上品さ、高い機能性が、長い時間の中で評価されてきたんだと思うね。

 ボルサリーノは、ジュゼッペ・ボルサリーノが151年前にイタリアのアレッサンドリアで創業した帽子メーカーなのね。

 日本でもデパートに行けば、本物のボルサリーノ製のソフト帽があるし、ボルサリーノからライセンスをもらって国内で製造している帽子もあります。たいてい5万円前後で買えるんじゃないかな。

 ボルサリーノの良さはやっぱその上質製にあるね。量産しない。濫造しない。職人気質で物作りしてる。
 世界の要人がファンでね。世界の俳優から政治家、経済人にも愛されてます。たとえば、ボギーからロバート・レッドフォード、それにジョニー・デップまで広く人気があるし、ゴルバチョフ、クラクシも大ファン。

 なにより、ボルサリーノ本店がいまでも誇りに思っているのは、あのお方が愛されたからです。たしかに、写真を拝見すると帽子姿が少なくありません。あれ、ボルサリーノだったんですねぇ。

 ちいとも知りませんでしたけど、アメリカでは大統領就任式では、必ずトップ・ハット(いわゆるシルク・ハットのこと)を被ることになってたんですね。聖書に手を置いて宣誓することは知ってましたけど。伝統的にナロウ・プリム(狭いツバ)、ハイ・クラウン(山高帽)のトップ・ハットを被るとは知りませんでした。

 ところが、軍人出身のアイゼンハワーは堅苦しいことが大嫌い。
 というか、ホントはこの英国式の儀式が嫌だったんじゃないかなぁ。どうして戦勝国アメリカが二流国イギリスの真似をしなくちゃならないんだ?ってね。
 
 で、彼はホムブルグを被ったのよ。これ、エドワード7世がドイツの温泉地を訪問した際に贈られた帽子が原型になってるセミ・ハード・ハットなのね。


映画「トラック野郎シリーズ」に田中邦衛さんがボルサリーノという役で登場。やっぱ帽子被ってる。

 日本人がボルサリーノというと、やっぱ、あれ。アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドが出演した映画かな。たしかに、2人ともボルサリーノを被ってます。
 ギャングもチンピラから偉くなると帽子が変わるのよ。ジャン・ポール・ベルモンドの被ってる帽子だって、上質のボルサリーノですよ。
 そういえば、浅田次郎さんがボルサリーノの大ファンですよね。たしかに被りなれてると思う。

 私もボルサリーノの似合う男になりたいね。200円高。