2008年06月04日「アップルの法則」 林信行著 青春出版社 772円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 スティーブ・ジョブズにはまってます。iPodにはまってたら、これ、開発したアップルにはまってしまいました。
 写真集までは買っちゃった。

 しっかし、波瀾万丈の人生ですなあ。

 「いいアーティストは模倣する。偉大なアーティストは奪う」

 パブロ・ピカソの言葉ですな。ジョブズの好きなフレーズらしいね。

 音楽データのデジタル化のウェーブに、多くの優秀なメーカーがライバルを少しずつ真似ながらいろんなプレーヤーを作りました。
 けど、iPodが登場するや、すべての賞賛はアップルが独占。

 make betterじゃなくてmake newなわけね。

 ジョブズはご存じの通り、ジョン・スカリーを追い出そうとして失敗して、自分が放り出されちゃいます。で、その後、ピクサー・アニメーション・スタジオを創業すんの。
 ここから生まれたのが「トイ・ストーリー」であり「ファインディング・ニモ」。

 「こだわり」こそジョブズの真骨頂だとすれば、これらのアニメの場合、90〜120分の物語のほかに2〜3倍のストーリーがあるわけ。つまり、映画館で観たのは半分以下なのよ。
 ニモの時はなかなかリアル感が出なくてね。海中でゆらめく珊瑚礁とか海草がどうもしっくりこない。すると、コンピュータが進化するまで完成時期を延期しちゃうわけ。

 細部にまでこだわるのは、「美しい音楽プレーヤーを見苦しいACアダプターで台無しにできない」というアップルの考え方にも共通してますな。

 いまやiPodワールドともいうべき一大生態系を築いてしまいましたな。
 車でもiPod対応だし、エルメス、ヴィトン、グッチも専用ケースを発売してるし、スノボーで楽しめるiPod用スノージャケットもあるわけ。

 ・・・とまあ、成功物語が綴られることが多いんだけど、ジョブズの失脚、周囲の動向、復活、裏切り、そして栄光をつかむ軌跡がさっとわかる本ですな。
 『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』(東洋経済)『写真集スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡』(アスキー)は後でご紹介しましょう。250円高。



 年内にソフトバンクからアップルのiPhoneが売り出されるらしいね。
 携帯マーケットも大きく変動するかも。ソフトバンクの株価、上がるんじゃないかな。