2014年08月20日期待以上だった三谷幸喜さん初演出のコメディ。。。

カテゴリー中島孝志の落語・演劇・タカラヅカ万歳!」

 アマゾンKindleで1位獲得! 総合3位らしいけど。まあ1位になるでしょ。。。ベスト50に7冊ランクイン。「10冊同時にランクイン」もいよいよ射程距離に入ってきました。SonyReaderStoreでは『考えることリスト』が総合2位。ベスト100に3冊ランクイン。これがアマゾンとはちがう本なのよ。売れる傾向がちがうんよ。おもしろいね。

なかなか評判いいらしいっすよ。


 さて、「三谷演出&竹内結子主演のホームコメディ」と聞けば観るしかないっしょ。
 さすがにこの組み合わせですから少しは期待してたけど。。。欽ちゃん劇場並みの単純ミエミエのプロットをここまでおもしろくしてしまうとはね。う〜ん。やっぱ笑いはセンスですなあ。ツボの嵌め方がなんとも憎いっす。


『君となら』の初演は95年。主演は斉藤由貴さん。

 こんなネタで芝居になるの? 笑えるの? 脚本段階ならボツにしてしまうかもしれないけど、演出と芝居の巧さ、なによりテンポつうかリズムつうか、これ、関西弁でやってもおもろいんとちゃうか。吉本新喜劇もこういう笑いをたまにはしてもらわんとな。。。

 プロットは、娘が婚約者を連れてくる。「青年実業家」と聞いていたからさあ大変。相手はなんと70歳(ホントは73歳なんだけど)。死んだ祖母と同い年・・・これだけっすよ。小さな善意のウソが1人歩きして・・・三谷さん大好きなどたばたコメディへと展開。

 小さなウソって、だれもが経験あると思うな。けっして悪意じゃないの。相手を喜ばそうと思ってついついね。けど、そのウソってやっぱり保身なわけ。自分をよく見せよう、いい人だと思ってもらおう、仲良くなりたい、つう潜在意識なわけ。自信、ないのよ。みんな。だから小さなウソをついちゃう。

 「小さなウソ」が「思いこみ」と「勘違い」を加速させてしまうんだよな。みんな都合のいいように考えたがるよねえ。

 心当たりあるなあ、たっくさん。それを笑いのオブラートで包んでお届けする。ヒットするなあ、やっぱ。渋谷のパルコ劇場、満員だったもん。

 娘役に竹内結子さん。その妹にイモトアヤコさん(彼女の花がいちばん多かったっす。ウッチャンから大きな花が届いてましたよ)。てんやわんやの父親役は三谷作品初出演の草刈正雄さん。母親役は長野里美さん。上杉祥三さんの奥さんね。第三舞台だったよなあ。70歳の恋人が小林勝也さん。声優としても超有名。その息子役は長谷川朝晴さん。この人、巧い。竹内さんの同級生で1度振られてて、草刈さん経営の床屋さんに勤務する純情な男が木津誠之さん、つうキャスティング。

 総勢7人のエコな芝居。笑いはシンプルに限りますな。つうか、シンプルでないと笑えない。久しぶりにおもしろい芝居を堪能しましたよ。

 あんがとね。。。


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