2017年05月29日「光をくれた人」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 あなたに逢えて良かった。あなたには希望の匂いがする。。。

 「いままで大変な経験ばかりしてきたんでしょ。どうしてそんなに優しくなれるの?」
 「恨むのは疲れるよ。一度赦せばあとは楽になれるんだ」



 第1次大戦の後、オーストラリアからフランス戦線に派兵された英雄。心の傷を癒すために「灯台守」として孤島ヤヌスで暮らすことを決心。町では歓迎を受け、校長の娘と知り合います。
 2人の兄を戦争で亡くした娘は心を開かない男を愛し、島で一緒に暮らすのですが、度重なる流産に放心状態。

 そんなとき、2人はボートを発見します。中には男の死体と女の赤ちゃん。本部に報告しようとする男に「神様からのプレゼントだ」とわが子として育てることを女は懇願します。

 「ルーシー」と名づけられ、女の両親も大喜び。誕生日に洗礼を受けるため教会に向かうと司祭が遅刻。歌声がする墓地のほうに降りていくと、そこには「1923年4月26日に夫と娘を海で亡くした」と書かれた墓碑に跪いている女性と遭遇します。
 
 ボートが島に漂着した日。

 女は資産家の娘。町で知り合ったドイツ人と恋に落ちます。ドイツ兵に殺された肉親が多い町では常に不当な扱いを受けていました。しかし温厚で誠実な男に惹かれた女は父親から勘当されてしまいます。
 
 本当の母親に気づくと「もう終わりだ」と悟ります。嫌がる妻に内緒で女に手紙を届けます。3年後には「証拠の品」をポストに入れます。
 
 しばらくすると、警察が島にやってきます・・・。



 この男、バッカじゃなかろか!? わが子として育てたい、という妻の願いを受け容れたら、とことん嘘をつき続けるしかないだろが。「本当の母親の深い哀しみを前にして欺くことは赦されない」とするキリスト教者の姿勢はわかるけど、いまさら、掛け違えた母娘の関係が戻るのか・・・。生みの親より育ての親とはよく言ったもので、「あの人遠くにやって!」とわが子から言われる生みの親は2度も哀しみを味わうことになるわけでね。。。

 正義に駆られて妻を傷つける夫。夫を死ぬまで赦さないと決めた妻。当たり前だわな。ならば最初に妻の願いをきっぱり断るべきだよな。

  「あのとき妻に選択肢はありませんでした」という言葉はホントにそう思うよ。

  「3人の賢人」とかあちこちにキリスト教のベースが流れてます。正義とか規則とか、結局、ほとばしる感情の前にはなんとも無力なんだよなあ。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造」(櫻井義秀著・799円・新潮社)です。