2018年03月29日「江戸は燃えているか」

カテゴリー中島孝志の落語・演劇・タカラヅカ万歳!」

 ドル建て日経先物もいい調子のようですし、大幅円安を受けて今日の前場は上げ上げではないかしらん。中朝ほんわかムード演出が功を奏したんすかね。

 トランプ主導で進む芝居を見て、習近平は我慢できずに金正恩を呼び出したんでしょうな。金正恩もこの時を待ってた・・・国際政治はこう打てばああ打つ。将棋かテニスや卓球のラリーを見てるようでおもろいですな。次の手は、プーチンとの面談でしょうな。
 で、「安倍首相だけ蚊帳の外!」とメディアは叫んでますけど、安倍さんの役は強気強気でアツをかけ続ける「ヒール役」なのよ。安倍さんまでほんわか路線に乗ったら芝居は面白くないわな。

 脚本はトランプです。あっと驚くどんでん返しがあると思うよ。


 てわけで、「江戸無血開城」をめぐるドタバタ劇です。三谷幸喜さん大好きなんすよね。ドタバタ。ハリウッドのドタバタが大好き、とエッセイにもよく書いてますし、「オケピ」もオーケストラをめぐるドタバタですわな。

 「次はこの人のこんなシーンが見たいというところから始まります。『ギャラクシー街道』だと香取慎吾さんの宇宙物が見たいという気持ちが最初の出発点でした。『ステキな金縛り』は深津絵里さんの上に幽霊の西田敏行さんが馬乗りになっている画が、その前の『ザ・マジックアワー』は佐藤浩市さんが窓の外をトランポリンで上下運動しているという画が浮かんで。そこから話を考えていきましたね。だからまずは俳優さんありきなんです。」とインタでも答えてますね。

 私? 大嫌いです。

 欽ちゃんは大好き。けど、あの芸はデビュー当時から嫌い。笑ったことないもん。くさくてね。浅草の軽演劇。1度見て、ああ、合わないな、と気づきました。ゲラゲラよりニンマリが好きなんすよ。せいぜいクククッ。

 ですんで、この芝居はまーーたく期待してませんでした。まあ、宝塚星組を卒業した妃海風(ひなみ・ふう)さんの初舞台つうんで、それだけを楽しみにしてたわけ。


座頭は中村獅童さん。総勢12名。TOKIOの松岡昌宏さん熱演っす。

 話はてえと、西郷隆盛と勝海舟の談判を舞台に繰り広げられるドタバタ。短気で喧嘩っ早い海舟では西郷との交渉ごとはうまくいかない、江戸は火の海になる、と心配する人々を前にして、ニセ海舟が西郷と談判しよう、ということになります。

 で、いつの日か、海舟が西郷と遭遇した時、話が食い違ってたら一大事。そこで、今度はニセ西郷を用意して海舟に談判・・・ということになるんですけど。

 いちばん驚いたのは西郷と相撲取りのでくの坊の二役をやった藤本隆宏さん。

 この人、元もとは競泳選手。学生時代もそうですよ。ソウル・オリンピックでは最年少出場。バルセロナ・オリンピックでは400メートル個人メドレー日本人初ファイナリストでしょ。

 そっから劇団四季でミュージカルやるんすからね。ミュージカルなんて、水泳留学した23歳で観た『レ・ミゼラブル』がお初でしょ。ここから舞台俳優を志すなんてのは普通ありえんわなあ。

 スポーツがダメなんでタレント、てのはよくあるパターンすよ。けど、劇団四季はありえない。入れた方も入れた方ですけど。「伸びしろ」によく気づいたと思うね。

 NHKドラマでよく拝見しますけどいい役者ですよ。『男たちの大和』にも出てたんすね。『坂の上の雲(NHK)』では海軍中佐広瀬武夫の役。ドンピシャですけど、でくの坊、あまりの巧さに爆笑。

 コメディのキモは「意外性」なんだよなあ。


新橋演舞場。5月の演目は『蘭〜緒方洪庵 浪華の事件帳〜18年5月16日(水)〜20日(日)』です。藤山扇治郎さんを主役に、ゲストは北翔海莉さん(風ちゃんの相手役。星組元男役トップスター)。ほかに石倉三郎さん、久本雅美さんなどなど。


歌舞伎座では『西郷と勝』ですよ。

 NHKの『西郷どん』面白いね。けど、地元じゃだれも「せごどん」なんて言わないよ。司馬遼さんの聞き間違い。あの人、耳よくないから。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「結局、勝ち続けるアメリカ経済 一人負けする中国経済 前編」(武者隆司著・907円・講談社)です。