2018年11月26日実物を公開します!「通勤快読」ってこんなコンテンツです。

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 「通勤快読」のお知らせです。見てくださいな、聴いてーな、損させまへんでー。仕事とビジネスに投資のヒントに、なによりあなたの人生にこれほど役立つ情報はちょっとないと思うけどね。

 人生いろいろ、人それぞれ。ネットとテレビ、新聞情報で十分という人もいるでしょう。けど、それって「なんの情報もない」と等しいのでは?

 元もと目の不自由な方々に本を吹き込むボランティアのみなさんからのリクエストで始めたんですよ。著作権使用の確認状がしょっちゅう届くんですよ。「今後すべてご自由にお使い下さい」と言ってもくるのね。ならば、たまたま連載してた書評(週刊誌)を吹き込んじゃえばいいな、と決めたわけ。

「だれが吹き込むの?」
「中島さんやれば? ぶっつけ本番で」
「手伝ってよ」
「文字おこしくらいは手伝えますよ」

 つまり、音声ありきなのね。で、危ない部分だけをカットしてテキストにしてるわけ。「聴く!」と「読む!」は実は内容が違うんすよ。過激なんすよ。でも、それがいいのかな。リスナーは圧倒的に多いんです。高いのにね。 

 つうことで、今回は少し実物宣伝。11月16日配信の通勤快読=「小池一夫のキャラクター創造論」(小池一夫著・ゴマブックス)のコンテンツを少しご紹介します。
 

 「子連れ狼」「弐十手物語」「無用ノ介」等の大ヒット劇画で知られる小池一夫さん。
 なんといってもニヒルでありながら、人一倍、命を愛しく大切にする主人公のキャラクターに私は惹かれます。



 自分の力ではなんにもできない不条理さに遭遇する時、「弐十手物語」の鶴次郎は「ツルーーー」と叫んで、凍てつく鶴そのものになります。泣きながらね。

 この哀しさがベースにある。そこに惹かれるんでしょうな。

 私は、陽気な人は疲れてしまいます。まぶしくてね。元気な人も疲れてしまいます。だから近寄らないようにしてます。



 昔、パーティで手塚治虫先生にこう尋ねられたことがあるとのこと。
 「小池氏は絵を描かない漫画の原作者なのに、どうして漫画家を多く育てられるの?」
 手塚先生曰く、「わかりました。あなたは活字の世界と漫画の世界を行き来する、コウモリのような人なんですね」

 いま考えるとなるほどと思うんですって。

 小池さんは漫画原作者です。それだけでは「完成品」ではありません。完成品を創るのは漫画家ですからね。漫画原作者なんてのは本来「必要のない職業」ですよ。原稿料が割高になりますから。

 さて、小池さんは「まずキャラクターから考えよ!」と主張してます。「起承転結」の「起」で「キャラクターを起てる」。ほかでもない「主人公がこの後、一体どうなるだろう」「どうやってこの問題をクリアするんだろう」「どうやって勝つんだろう」という「ひっかかり」が読者にページをめくらせますからね。

(中略)

 名前や見た目、年齢、性別、生い立ち、職業、家族、交友関係、好き嫌い、好物と苦手、夢、性格、趣味、能力、持ち物、くせなどなど、とことん考え抜いて考え抜いて・・・キャラクターに「話しかける」と、キャラから言葉が返ってくる。その言葉に耳を傾けましょう。

 「人間の興味というのは謎に吸い寄せられるものです。すべての物語とは「なぜ?」「何?」「誰?」「どうなる?」といった謎を追っかけることだと言えます」

 そして、もう1人、「正反対のキャラ」をつくること。

 正義を成す主人公には正義を邪魔する敵役のキャラクターを、夢を叶える主人公には夢を叶えるのに障害となる敵役キャラクターを。

 神の子キリストに対して悪魔。いくら悪魔が強くてもけっしてキリストには勝てません。永遠のナンバー2が「悪魔」なんですよ。ライバルの敵役は邪悪で冷たい心を持ち、人に危害を加える。
 この対立構図こそまさに「光」と「闇」。「神」と「悪魔」ですよね。

 主人公には弱点と親しみを覚えるオーラを、敵役には欠点と恐ろしさや近づき難さを覚えるカリスマ性を。

 『モナリザ』のオリジナルには作者が作品に込めたオーラがあります。複製品にはありません。

 主人公には弱点を、ライバルには欠点を。

 ゲルマン神話ジークフリートは悪竜を倒してその血を全身に浴びたことで矢も刀も通さない不死身になります。背中に1枚の葉っぱ。唯一の弱点。アキレスのかかと、弁慶の泣き所。「ここを突かれたら危ない」という弱点です。

 ところで、1970年頃、「漫画アクション」で小島剛夕さんの『子連れ狼』が映画化、ドラマ化されましたけど、これにはあるエピソードがありました。



 ある時、主人公を演じることになる若山富三郎さんがいきなり家を訪ねて来た、といいます。
 「『子連れ狼』の主役、拝一刀を演じさせろ! 太っているからアクションができないと思ってるンだろ!」
 するとは「トンッ」と飛び上がって見事な「とんぼ返り」を見せたそうです。
 「この人しかいない!」

 苦み走ったいい演技でしたよ。



 『そしてー子連れ狼 刺客の子』では、江戸城地下の迷宮「弾掌」に大五郎が落とされてしまう物語をデッチ上げました。「虚々実々」ですね。近松門左衛門です。大きな嘘をつくときは小さな本当のことを入れていくとリアリティが増します。

 家康が江戸に入る前、誰が江戸城にいたか? 豪族。その名も「江戸氏」の屋敷でした。上杉氏の時代に太田道灌が江戸城を築き、その後、北条氏の手に渡り 現在の江戸城の下に太田道灌の江戸城がありました。「原・江戸城」と言うべき、城の一部がそのまま埋まっているかもしれません。

 謎がないということは、人を惹きつける魅力、面白さが少ない、ということなんです。謎があるからおもしろい。興味を引くわけです。

(あとは省略)

 ま、こんな感じです。これ、サイコーにおもしろい本ですからね。小池さんの本は読破してますけど、人間通ですな。でないと、劇画の原作はできませんな。

 もち、投資や経済本を紹介する時は持論の市場分析から予測までしゃべってますから参考になると思うけどね。

 サイト左右に「聴く!通勤快読」と「読む!通勤快読」のサイトがありますんでクリックよろしくです。「聴く!通勤快読」では中島孝志が独断と偏見でほぼ毎日10分から15分のミニ講義をしてます。

 なお、「読む!通勤快読」は来年1月から月1500円(消費税込み・10%増税後も変わらず)に価格を改定させて頂きます。テキストだけでなく、写真・イラスト等をふんだんに盛り込みます。ただいま実験的に写真を入れてます。よりイメージが湧きやすくなります。
 このサービスは「聴く!通勤快読」ではしません。「読む&見る!通勤快読」の特典です。どう考えても安いわな。知人の経営者は5000円でいいですよ、と言ってくれるんですけどね。嫌でしょ? 高くしたら。。。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「2019〜世界と日本経済の真実 米中貿易戦争で日本は果実を得る」(高橋洋一著・1,296円・悟空出版)です。