2013年04月10日中国と北朝鮮に関する誤解
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
う〜ん、どうも誤解してるようです。テレビのコメンテーターと称する人たちもそれから新聞記者も、もち、アナがわかるわけがないでしょうが。。。
なにかというと、北朝鮮の核実験云々という話題になると、中国の抑止力がどこまで効くか云々という話になるでしょ。この場合の中国というのは北京の共産党政府、すなわち、習近平さんの政権を指してると思うんだけど、まず、ここからして勘違い、つうか、買いかぶりつうか。
北京政府に北朝鮮を抑える力なんてはなからありませんよ。オバマはそれを知ってて北の問題を北京に丸投げしてきたわけです。北京を苦しませるためにね。北を煽動してるのもアメリカじゃないですか。
目の前で韓国との合同軍事演習なんぞやられたら、あの国はいままで「終戦」「停戦」じゃなくて「休戦状態」だったわけですからね。活火山ではなく富士山と同じ休火山。「いざとなったら破棄しますよ」と宣言するのもしごく当然のことっす。
北が核実験を進めれば進めるほど北京は追い込まれる。北を押さえ込んでくれればアメリカは助かる。どちらでもいいわけ。
けど、ここに来て「アメリカを的にかける」と言い出しました。弱い国を追い詰めるとこういうことを言い出します。しかも見栄と面子と王朝の人たちでしょ。
オバマとしては、「いいのか、好き勝手にやらせといて」と北京を脅かしてるわけでね。ですから、北京はいま懸命に北を抑えにかかってます。習近平のロシア訪問もそのため。
どうしてロシア。瀋陽軍区より強いからでしょう。
中国は一枚岩ではありません。北京閥と上海閥という派閥もあるし、胡錦涛や温家宝のような団派もいれば、習近平に代表される太子党もいます。政治局員だけでなく、7つある軍区は軍閥そのもの。北京の指示命令は聞きません。
軍は1つの国です。一連の尖閣諸島トラブルにしても北京政府は日本の領海侵犯をせよ、という命令は一切出していません。出先の人民解放軍が勝手にやったことを、知らないといえないから、不本意ながら事後承認してるというのが実情。
それほど北京政府と軍は隔絶しています。
北の監視役は瀋陽(昔の奉天)軍区です。北にせっせと食糧やガソリンを供与してきたのも瀋陽軍区であって北京政府ではありません。北がいったいどちらに忠誠心を抱いているかはすぐにわかります。
瀋陽軍区は中国に7軍区ある人民解放軍のなかでも圧倒的戦力を持っています。4個集団軍、遼寧省軍区1旅団、2個武装警察師団を管轄し、最新ミサイルや機動戦車も保有しています。ないのは核兵器だけ。ロシア国境、北朝鮮国境など、中国東北部の守備を固めてますから当然です。中国最強です。
前著で「北朝鮮労働党は参謀総長の李英鎬(リ・ヨンホ)を解任した。金正日と親しいだけでなく金正恩の後見人でもある。この人物の解任が意味することは、対北朝鮮政策において瀋陽軍区よりも北京政府が優位に立ったということだ。言い換えれば、核兵器という先軍政治ではなく、中国流の経済改革に北朝鮮がシフトする、ということだ。ただし今後、先軍政治派の巻き返しがあるかもしれない。」と書きました。
わずか3カ月で事態は悪く予測した方向に進んでいます。
北京政府との交渉をまとめた、金正恩の後見人、張成沢(金正日の妹の夫)の姿を見ることがなくなりました。昨日少し述べたように、先軍政治派に巻き返されてしまったんでしょうね。
北の核実験はアメリカや韓国、あるいは日本ではなく北京に向いてますよ。
中国と北との関係を考えるとき、二次関数では解けません。中国という国は外国とのトラブルにはつねに国内問題が反映された代理戦争です。ここを常に頭の片隅に置いて考えなければいけません。
北の核実験成功とは瀋陽軍区が核兵器を保有することを意味します。
中国では国家主席や党中央委員会総書記に就任しただけでは権力を握ったことにはなりません。党中央軍事委員会主席にならなければならない。しかも形式的ではなく実質的に軍を掌握しなければならない。
胡錦涛にしても立場上は軍事委員会主席でした。しかし最後まで掌握できませんでした。あの?小平が最後まで権力を握れたのは副首相だったからではありません。権力の源泉は党軍事委員会委員長にありました。彼は軍を征していたからナンバーワンだったのです。
北京は7つの軍区=軍閥を懐柔するためにせっせとマネーを配っています。2020年の中国の軍事予算はアメリカのそれを凌駕するらしいです。軍事予算は毎年2ケタで増えています。しかしこの中身は懐柔資金と人民の暴動を押さえつけるための人件費です。
結局、中国は軍に潰されます。日本はこんな中国と戦う価値も必要もありません。しかし降りかかる火の粉は祓わなければなりません。憲法96条という改憲の手続きを変えるべきです。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『Tweet&Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』(津田大介著・スペースシャワーネットワーク)です。詳細はこちらからどうぞ。
さあいよいよ明日・明後日オープン!「原理原則研究会in 大阪(第2期)」および「原理原則研究会in名古屋(第1期)」メンバーのみなさん、1年間どうぞよろしくお願いします。
なにかというと、北朝鮮の核実験云々という話題になると、中国の抑止力がどこまで効くか云々という話になるでしょ。この場合の中国というのは北京の共産党政府、すなわち、習近平さんの政権を指してると思うんだけど、まず、ここからして勘違い、つうか、買いかぶりつうか。
北京政府に北朝鮮を抑える力なんてはなからありませんよ。オバマはそれを知ってて北の問題を北京に丸投げしてきたわけです。北京を苦しませるためにね。北を煽動してるのもアメリカじゃないですか。
目の前で韓国との合同軍事演習なんぞやられたら、あの国はいままで「終戦」「停戦」じゃなくて「休戦状態」だったわけですからね。活火山ではなく富士山と同じ休火山。「いざとなったら破棄しますよ」と宣言するのもしごく当然のことっす。
北が核実験を進めれば進めるほど北京は追い込まれる。北を押さえ込んでくれればアメリカは助かる。どちらでもいいわけ。
けど、ここに来て「アメリカを的にかける」と言い出しました。弱い国を追い詰めるとこういうことを言い出します。しかも見栄と面子と王朝の人たちでしょ。
オバマとしては、「いいのか、好き勝手にやらせといて」と北京を脅かしてるわけでね。ですから、北京はいま懸命に北を抑えにかかってます。習近平のロシア訪問もそのため。
どうしてロシア。瀋陽軍区より強いからでしょう。
中国は一枚岩ではありません。北京閥と上海閥という派閥もあるし、胡錦涛や温家宝のような団派もいれば、習近平に代表される太子党もいます。政治局員だけでなく、7つある軍区は軍閥そのもの。北京の指示命令は聞きません。
軍は1つの国です。一連の尖閣諸島トラブルにしても北京政府は日本の領海侵犯をせよ、という命令は一切出していません。出先の人民解放軍が勝手にやったことを、知らないといえないから、不本意ながら事後承認してるというのが実情。
それほど北京政府と軍は隔絶しています。
北の監視役は瀋陽(昔の奉天)軍区です。北にせっせと食糧やガソリンを供与してきたのも瀋陽軍区であって北京政府ではありません。北がいったいどちらに忠誠心を抱いているかはすぐにわかります。
瀋陽軍区は中国に7軍区ある人民解放軍のなかでも圧倒的戦力を持っています。4個集団軍、遼寧省軍区1旅団、2個武装警察師団を管轄し、最新ミサイルや機動戦車も保有しています。ないのは核兵器だけ。ロシア国境、北朝鮮国境など、中国東北部の守備を固めてますから当然です。中国最強です。
前著で「北朝鮮労働党は参謀総長の李英鎬(リ・ヨンホ)を解任した。金正日と親しいだけでなく金正恩の後見人でもある。この人物の解任が意味することは、対北朝鮮政策において瀋陽軍区よりも北京政府が優位に立ったということだ。言い換えれば、核兵器という先軍政治ではなく、中国流の経済改革に北朝鮮がシフトする、ということだ。ただし今後、先軍政治派の巻き返しがあるかもしれない。」と書きました。
わずか3カ月で事態は悪く予測した方向に進んでいます。
北京政府との交渉をまとめた、金正恩の後見人、張成沢(金正日の妹の夫)の姿を見ることがなくなりました。昨日少し述べたように、先軍政治派に巻き返されてしまったんでしょうね。
北の核実験はアメリカや韓国、あるいは日本ではなく北京に向いてますよ。
中国と北との関係を考えるとき、二次関数では解けません。中国という国は外国とのトラブルにはつねに国内問題が反映された代理戦争です。ここを常に頭の片隅に置いて考えなければいけません。
北の核実験成功とは瀋陽軍区が核兵器を保有することを意味します。
中国では国家主席や党中央委員会総書記に就任しただけでは権力を握ったことにはなりません。党中央軍事委員会主席にならなければならない。しかも形式的ではなく実質的に軍を掌握しなければならない。
胡錦涛にしても立場上は軍事委員会主席でした。しかし最後まで掌握できませんでした。あの?小平が最後まで権力を握れたのは副首相だったからではありません。権力の源泉は党軍事委員会委員長にありました。彼は軍を征していたからナンバーワンだったのです。
北京は7つの軍区=軍閥を懐柔するためにせっせとマネーを配っています。2020年の中国の軍事予算はアメリカのそれを凌駕するらしいです。軍事予算は毎年2ケタで増えています。しかしこの中身は懐柔資金と人民の暴動を押さえつけるための人件費です。
結局、中国は軍に潰されます。日本はこんな中国と戦う価値も必要もありません。しかし降りかかる火の粉は祓わなければなりません。憲法96条という改憲の手続きを変えるべきです。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『Tweet&Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』(津田大介著・スペースシャワーネットワーク)です。詳細はこちらからどうぞ。
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