2007年02月25日「バブルへGO!!」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 え〜、なんと言いましょうか。お気楽に楽しめる映画ですな。
 ポテトチップでも頬張りながらムシャムシャ、カシャカシャってな感じ。
 なんつったって、ホイチョイだからさ。ごちゃごちゃ言わんと、楽しめればいいじゃんて映画。演出、効果は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と「007」を足して2で割ったって感じ?
 
 バブルを知らない世代には、へぇこんな時代があったんだ。知ってる世代は、夢よ、もう1度。もう1回いい?って懐かしくなるかもしれませんな。


思いっきり笑える映画だけど、笑えない人もたくさんいるだろうなぁ。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶってか。

 バブル経済は「不動産投資に対する銀行資金の貸し出し規制」、いわゆる、「総量規制」で土地投機に歯止めを掛けようとした政策でしたね。
 けどさ、急ブレーキを踏まなくたって、「神の見えざる手」によって自然に鎮火したはずなんだよ。けど、当時の大蔵省土田銀行局長は自民党、政府の圧力に屈して通達を発っしちゃった。大蔵省の政策判断歴の中でもワースト3には入るミスでしょうな。

 それだけ、国民の間では地価高騰が怨嗟の的になってた?
 いえいえ、自分の資産が殖えることがどうして悪いことなんですか?

 地上げ、暴力団の暗躍、本業を離れた土地投機、油断、日本全体が投機に浮かれていたことは事実。司馬遼太郎さんも警告を発してました。
 けど、日本は共産主義ではないんだから、政府が地価を無理矢理下げるような政策をとっちゃダメだよね。この通達のおかげでバブルは見事に吹っ飛びました。同時に、日本経済の息の根も止まっちゃった。
 英国の古諺に「患者を殺して病気を治す」ってのがあるけど、まさにこれね。
 日本経済を殺してバブルを治したってわけね。

 日本人にとって不幸だったのは、バブル崩壊後、登板した総理たちが揃いも揃って政治センスのない人たちばかりだったことですねぇ。
 宮沢さんなどホントは頭がとびきりいい人なんでしょうが、田中角栄さんが喝破したように、所詮、「秘書」か「評論家」としては一流というレベル。人を見抜く達人の白洲次郎さんが買っていてね、「あなた、眼鏡違いよ」って何度も奥様から笑われたほど。決断と実行が求められるリーダーにはとてもとても。
 これがいたずらに10数年を空費した理由でしょうな。

 日本は世界に先駆けてバブル経済前後を経験しています。このノウハウをアメリカも中国も研究しています。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、というわけですな。