2007年02月27日「ゆれる」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
「日経のBizPlus」に連載中の「社長の愛した数式」が好評で1日5万人を軽く超えるアクセスがあり、日経が驚いているそうです。自慢ではありません。「BizPlus」には20人近くの執筆者で計18万人の読者がいますが、小生のコラムがダントツ人気なのです。けっして自慢ではありません。
このコラム「社長の愛した数式」が更新されています。ここ数回は「トヨタシリーズ」です。毎日新聞Webサイト「中島孝志の おとなの仕事相談室」も宜しくね。
「にいちゃん、家に帰ろうよ」
そう呼びかけられて、はたして兄は帰るんだろうか?
久しぶりに、映画らしい映画を観ましたね。久しぶりといっても、去年だけでも映画館には50回は行ってるはず。ほとんど仕事でしたから。DVDまで入れたら、いったい何作観たことか・・・。
「フラガール」も良かったし、「ドリームガールズ」も良かったし、「地下鉄に乗って」は5回も観ちゃったし。けど、これはいいなぁ・・・。
メガホンは西川美和さん。「蛇イチゴ」に続く脚本。で、監督。才能溢れる方ですなぁ。最近、映画がどんどんおおざっぱになってるような気がすんだけど、これは細かいとこに伏線張ったり、効果のある演出したりして、センスいいよなぁ。
去年、観よう観ようと思って、結局、見損なったのね。それが実はこの土曜日から1日2回、近所のシネコンで1週間特別上映されるってわけ。しかも、1000円で。
けどさ、よ〜く考えたら、昨日(2/23)、このDVDが発売されたんだよね。まっ、いっか。スクリーンのほうが観やすいし、一昨年の9月から懸案の原稿も深夜2時に書き終わったし・・・。自分へのご褒美として、映画くらい観てもいいよね?
まっ、いつも言い訳しながら観てるわけだけどさ。

いいよ、とってもいい。こういう映画好きなのよ。
ゆれるのは、山の吊り橋だけじゃなくて、人の心ほどゆれるものはないわなぁ。
香川照之さん演じる兄とおんなじで、私、高所恐怖症なのよ。
昔、奈良県十津川村に行ったとき、とんでもない吊り橋があってね、地元では小学生の通学路になってるんだけど、1メートルくらい歩いたらもうすくんじゃってダメ。戻って来ちゃった。
だって、高いんだもん。30メートルくらいあったんじゃないかな。長さは50メートル以上あったと思う。
さらに昔、毎年、屋久島で登山してたでしょ。
縄文杉まで歩くんだけど、この時もいきなり吊り橋が出てくんの。しかも、ここの吊り橋は木の板が渡してあるだけ。手すりなんてまったくなし。
高さは12メートルくらい? 下? どでかい岩だらけ。落ちたら確実に死ねますね。けど、ここはなんとか渡ったよ。
まっ、人の心はゆれるんだ。
で、この吊り橋でね、事故が起きちゃうわけ。いま、東京で売れっ子カメラマンをしてる弟が昔、つき合ってた女ね。いまは兄と父親が営む山梨のガソリンスタンドでバイトしてんだけど、この女性が吊り橋から落ちて死ぬんだ。
事故で処理されたんだけどさ、少し精神的にまいってた兄がちょっと暴れてね。で、警察にひっぱられちゃった。そしたら、「あれは私がやりました」ってコクっちゃって事件になっちゃった。
殺人罪に問われる兄の心もゆれる。弁護してた弟の心もゆれる。
このゆれっていったいいつからゆれはじめたんだろう? なぜ、いままでゆれなかったんだろう?
兄だって、弟みたいにこんな田舎から出てって好きなことやりたかっただろうに。そしたら、彼女いない歴35年なんてこともなかっただろうによ。
ガソリンスタンドと家の往復。家に帰りゃ、炊事、洗濯、それに父親の説教。こんな毎日なんてつまんないぜ。そりゃ、留置所、刑務所のほうがましだと思うのも無理ないかも。
元々、兄を助ける証言者のはずだった弟(オダギリジョー)だってさ、良心の塊と尊敬してた兄から思わぬ言葉、思わぬ態度に出られてね。
こりゃ、ショックだわな。一転、法廷で兄を攻撃する態度に出ちゃったよ。
これが決め手になって、兄は有罪になっちゃった。
7年後、いまとなっては、兄は彼女を助けようとしたのか、それとも突き落としたのか。ホントのことは2人ともわかんなくなってんじゃないか。
記憶って、曖昧でゆれるからさ。
けど、子どもの頃に2人であの吊り橋を渡った8ミリフィルムを観たとき、弟は悟るんだな。
真実をさ。
真実ってのは、もしかすっと表面意識とかじゃなくてさ、潜在意識の奥の奥にある「スクリーン」に映ってるものかもしんないな。
香川照之さんもいい役者だけど、オダギリジョーはいいねぇ。いま、日本でいちばん輝いてる役者じゃないか。
でも、この人、つまんねぇ映画にも出演してんだよね。なんつったかなぁ、柴咲コウと共演した映画あんでしょ。去年か一昨年観たんだけどさ。あまりのつまらなさに目が点になっちゃった。
やたらオカマが登場する映画でさ。オカマ専用の老人ホームかなんかが舞台の映画。あれにはまいったね。
「東京タワー」は楽しみにしてるよ。これは観なくちゃ。
このコラム「社長の愛した数式」が更新されています。ここ数回は「トヨタシリーズ」です。毎日新聞Webサイト「中島孝志の おとなの仕事相談室」も宜しくね。
「にいちゃん、家に帰ろうよ」
そう呼びかけられて、はたして兄は帰るんだろうか?
久しぶりに、映画らしい映画を観ましたね。久しぶりといっても、去年だけでも映画館には50回は行ってるはず。ほとんど仕事でしたから。DVDまで入れたら、いったい何作観たことか・・・。
「フラガール」も良かったし、「ドリームガールズ」も良かったし、「地下鉄に乗って」は5回も観ちゃったし。けど、これはいいなぁ・・・。
メガホンは西川美和さん。「蛇イチゴ」に続く脚本。で、監督。才能溢れる方ですなぁ。最近、映画がどんどんおおざっぱになってるような気がすんだけど、これは細かいとこに伏線張ったり、効果のある演出したりして、センスいいよなぁ。
去年、観よう観ようと思って、結局、見損なったのね。それが実はこの土曜日から1日2回、近所のシネコンで1週間特別上映されるってわけ。しかも、1000円で。
けどさ、よ〜く考えたら、昨日(2/23)、このDVDが発売されたんだよね。まっ、いっか。スクリーンのほうが観やすいし、一昨年の9月から懸案の原稿も深夜2時に書き終わったし・・・。自分へのご褒美として、映画くらい観てもいいよね?
まっ、いつも言い訳しながら観てるわけだけどさ。

いいよ、とってもいい。こういう映画好きなのよ。
ゆれるのは、山の吊り橋だけじゃなくて、人の心ほどゆれるものはないわなぁ。
香川照之さん演じる兄とおんなじで、私、高所恐怖症なのよ。
昔、奈良県十津川村に行ったとき、とんでもない吊り橋があってね、地元では小学生の通学路になってるんだけど、1メートルくらい歩いたらもうすくんじゃってダメ。戻って来ちゃった。
だって、高いんだもん。30メートルくらいあったんじゃないかな。長さは50メートル以上あったと思う。
さらに昔、毎年、屋久島で登山してたでしょ。
縄文杉まで歩くんだけど、この時もいきなり吊り橋が出てくんの。しかも、ここの吊り橋は木の板が渡してあるだけ。手すりなんてまったくなし。
高さは12メートルくらい? 下? どでかい岩だらけ。落ちたら確実に死ねますね。けど、ここはなんとか渡ったよ。
まっ、人の心はゆれるんだ。
で、この吊り橋でね、事故が起きちゃうわけ。いま、東京で売れっ子カメラマンをしてる弟が昔、つき合ってた女ね。いまは兄と父親が営む山梨のガソリンスタンドでバイトしてんだけど、この女性が吊り橋から落ちて死ぬんだ。
事故で処理されたんだけどさ、少し精神的にまいってた兄がちょっと暴れてね。で、警察にひっぱられちゃった。そしたら、「あれは私がやりました」ってコクっちゃって事件になっちゃった。
殺人罪に問われる兄の心もゆれる。弁護してた弟の心もゆれる。
このゆれっていったいいつからゆれはじめたんだろう? なぜ、いままでゆれなかったんだろう?
兄だって、弟みたいにこんな田舎から出てって好きなことやりたかっただろうに。そしたら、彼女いない歴35年なんてこともなかっただろうによ。
ガソリンスタンドと家の往復。家に帰りゃ、炊事、洗濯、それに父親の説教。こんな毎日なんてつまんないぜ。そりゃ、留置所、刑務所のほうがましだと思うのも無理ないかも。
元々、兄を助ける証言者のはずだった弟(オダギリジョー)だってさ、良心の塊と尊敬してた兄から思わぬ言葉、思わぬ態度に出られてね。
こりゃ、ショックだわな。一転、法廷で兄を攻撃する態度に出ちゃったよ。
これが決め手になって、兄は有罪になっちゃった。
7年後、いまとなっては、兄は彼女を助けようとしたのか、それとも突き落としたのか。ホントのことは2人ともわかんなくなってんじゃないか。
記憶って、曖昧でゆれるからさ。
けど、子どもの頃に2人であの吊り橋を渡った8ミリフィルムを観たとき、弟は悟るんだな。
真実をさ。
真実ってのは、もしかすっと表面意識とかじゃなくてさ、潜在意識の奥の奥にある「スクリーン」に映ってるものかもしんないな。
香川照之さんもいい役者だけど、オダギリジョーはいいねぇ。いま、日本でいちばん輝いてる役者じゃないか。
でも、この人、つまんねぇ映画にも出演してんだよね。なんつったかなぁ、柴咲コウと共演した映画あんでしょ。去年か一昨年観たんだけどさ。あまりのつまらなさに目が点になっちゃった。
やたらオカマが登場する映画でさ。オカマ専用の老人ホームかなんかが舞台の映画。あれにはまいったね。
「東京タワー」は楽しみにしてるよ。これは観なくちゃ。