2007年05月22日「パッチギ LOVE&PEACE」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 藤井隆、抜群にいいでないの。「カーテンコール」とはダンチでっせ。
 この映画、よくでけてます。もう1回観たいし、何度観てもそのつど感動できる名作でんな。
 前作もえかったし、「ガキ帝国」以来続くケンカシーンも最高やねぇ。このアクションシーンがともすれば予定調和で臭くなりそうなシナリオを救ってますな。もしかして、井筒監督の照れ隠しなんやろか?

 「沢尻エリカはどこにおるん?」とスクリーンを探してしまいましたでぇ。
 中村ゆりちゃん、ええのぉ。これ、キョンジャとアンソンを代えて第3作、第4作と続いていくんやろな、きっと。


井坂俊哉っていい役者でんなぁ。いい脚本+いい監督でいい俳優が育つんやね。

 「なんで朝鮮人なんかに生まれたんや?」と泣いた少女も芸能界という修羅場をくぐり抜ける間にいろいろ考えたんやろね。「日本人として軍隊に召集され、逃げた父を恥ずかしいとは思いません!」かぁ・・・。

 舞台は前作京都から東京へと変わり、6年経ちます。昭和44年やねん。アンソンには小学生の子ども・・・母親は白血病で亡くなってるんだけどね。
 この男の子チャンスを中心に話は進んでいきます。

 「コーリャンタウン」というと大阪、京都が知られているけど、東京江東区の枝川もそうなのね。いまでこそベイシティ豊洲を隣に抱えて今後、発展の可能性があるけど、戦前、幻の東京オリンピックの際、ここに転地を強要されたわけだ。関東最大の在日コミュニティですな。

 今回は、戦争シーンも迫力ありまっせ。アンソンとキョンジャの父親のサイドストーリーが綺麗な織物を仕立ててます。いよ、この仕立て職人!

 風間杜夫、手塚理美、ラサール石井、杉本哲太、米倉斉加年、寺島進、温水洋一、国生さゆり等で脇をがっしりスクラム。音楽は「イムジン河」とくりゃ、鉄板映画でっせ、こりゃ。よけいなことはいいません。すぐ観るべし。いい映画でっせ。