2007年07月16日「反省」 鈴木宗男・佐藤優著 アスコム 1680円
オムツプレイ命の人とか、叱ると丸虫かアルマジロのように丸くなってしまう人、在外手当で40歳そこそこで4軒もの豪邸を所有する女性高官とか、外務省にはユニークな高官がたくさんいますなぁ。
権謀術数は外国との交渉で発揮すりゃいいものを、自己保身と同僚の足を引っ張ることだけに終始しているとは。
まず、鈴木さんと田中真紀子さんを喧嘩させて、田中外務大臣を解任させる。次に、ターゲットを鈴木さんに定め、共産党にまで内部資料を渡して攻撃させたり、検察に捜査させる。
共産党には2回も機密資料を渡してた。そして3回目にはガセネタも含めて渡した。これにはいよいよ警察(あるいはアメリカ)も動きはじめた。だから、手じまって逃げる。まっ、お2人が指摘するように(元共産党の筆坂さんも議論に加わってます)、これが現実なんでしょう。
この本、すべて実名入り。つまり、オムツプレイ大好きのフーゾク高官も丸虫高官もすべて実名。なんと特別付録で写真と略歴入りという大サービス。
写真入りで登場する外務官僚は30人。中にはテレビの報道番組でお馴染みの人もいるけど、「えっ、この人、こんなセコイことしてたの?税金ドロボーめ!」とちょっとショックなコンサルタントもいましたねぇ。そういえば、最近、テレビに出ないな。
実名を紹介してもいいんだけど、まっ買って読んでよ。東スポより面白いから。
「国民のみなさま、すいません」
帯コピーにあるけど、いったい何をどう反省してるか、鈴木さんと佐藤さん(日本によくある苗字だなぁ)の自由奔放な対談を読むと、日本の政治、国際的な動きとのずれがよ〜くわかります。
2002年は2人にとってターニングポイントとなった年。
というのも、鈴木さんは437日間、佐藤さんは513日間を拘置所で過ごしたわけ。
もちろん、これは外務省がシナリオを書き、検察を手玉にとった作戦ですよ。もちろん、国策捜査。
田原聡一朗さん曰く、「検察がリークする。リークを元に記事を書いた記者がスクープを世に出して評価され出世する。そして大事件になる。すると、リークした検事は大臣の担当ということで出世する。この構図が問題なんだ」
官僚には4つあるんですね。まず能力があり、意欲がある。これは第1のタイプ。第2のタイプは能力があるけど意欲がない。こういうタイプは嫌々やるけどきちんとこなす。
第3のタイプは能力が無いくせに意欲(上昇志向)だけがある。そして第4は能力も意欲もないタイプ。
「K(現国連日本政府代表部大使・本文ではもちろん実名!)は普段は4だが、時々3になるので困る」と救いようのない評価を政府と省内でされてた。
しかし、こんなおバカさんでもキャリアはキャリア。一応、出世する。ただし、本流からは外される。
田中真紀子さんが外務大臣を追われた時、どういうわけか、このKだけを重用してましたね。
この田中大臣のクビをとるために、鈴木さんのとこに日参してたのがS。この人、「田中大臣の行状」として、失言や失敗、秘密公電まで抜粋して持ち込んでは、あることないこと吹き込んでたら、そこに田中大臣がやってきちゃった。
「あんた! なにしてんの!」
顔面蒼白。腰が抜けてそのままロダンの「考える人」みたいに固まちゃった。
ところで、佐藤優というインテリジェンスが1人いなくなっただけで、どれだけ外務省の体力が低下したか?
2005年4月にヨハネ・パウロ2世が亡くなります。葬儀にはアナン国連事務総長、ブッシュ大統領夫妻、クリントン前大統領夫妻、パパ・ブッシュ、シラク大統領、シュレーダー首相、ブレア首相、フィリップ皇太子、チャンピ大統領、ベルルスコーニ首相、ハタミ大統領・・・世界の要人がズラリ。
さて、日本からはいったい誰が参列したか?
なんと、総理補佐官の川口順子さんだって。なんとも存在感の内人ですが、あの無表情のおばさんですよ。この人だって、一応、元外相。けど、なんの能力も見識もないのね。
要人の葬儀というのは各国とも「外交チャンス」と認識してるわけ。
中曽根さんなんか、チェルネンコが死んだとき、すべての予定をキャンセルして訪ロしてんだよね。で、ゴルバチョフと2回も会談した。こういうセンスが大切なのよ。
いかに弔問外交が大事か、官邸ではだれもわかっちゃいなかった。
エリツィン元大統領が亡くなったとき、安倍さんも塩崎さんも知らせが遅かった。飛行機がなかったとウソをついて行かなかった。
で、だれが参列したか?
なんと、ソ連〜ロシア時代を通じていちばん能力と品性に劣るSというロシア大使(もちろん、実名!)。おかげで、いまだにロシアから、「日本はわが国と対話する気がない」と認識されている次第。
一事が万事。このセンスの無さ。安倍さんはこういう役人に囲まれて仕事してるわけ。「少年官邸団」と言われるのも、スタッフに恵まれていない脆弱な基盤にあるのかもしれませんな。
「語学だけが取り柄」と言われる外務官僚だけどさ、「実はそれほどでもない」とのこと。そういえば、大学時代、クラスで2人、外務公務員上級試験に通ったのがいたけど、英語は私の答案カンニングしてたもんね(私、英語はどこの模試でもいつも1桁だったかんね)。
まして、人脈開発とか人間関係調整能力の育成なんて皆無なんだろうな。
熱心なのは、ライバルの足を引っ張ったり、丸虫になったり、オムツプレイに興じたり、在外公館でゴージャスな生活を楽しんだり、法外な機密費と手当を貯め込んで40歳で豪邸を4軒も建てちゃうこと・・・か?
結論をひと言で言うと、外務官僚って清朝にはびこっていた「宦官」みたいなもんか?
これ、日本人必読の書です。400円高。
権謀術数は外国との交渉で発揮すりゃいいものを、自己保身と同僚の足を引っ張ることだけに終始しているとは。
まず、鈴木さんと田中真紀子さんを喧嘩させて、田中外務大臣を解任させる。次に、ターゲットを鈴木さんに定め、共産党にまで内部資料を渡して攻撃させたり、検察に捜査させる。
共産党には2回も機密資料を渡してた。そして3回目にはガセネタも含めて渡した。これにはいよいよ警察(あるいはアメリカ)も動きはじめた。だから、手じまって逃げる。まっ、お2人が指摘するように(元共産党の筆坂さんも議論に加わってます)、これが現実なんでしょう。
この本、すべて実名入り。つまり、オムツプレイ大好きのフーゾク高官も丸虫高官もすべて実名。なんと特別付録で写真と略歴入りという大サービス。
写真入りで登場する外務官僚は30人。中にはテレビの報道番組でお馴染みの人もいるけど、「えっ、この人、こんなセコイことしてたの?税金ドロボーめ!」とちょっとショックなコンサルタントもいましたねぇ。そういえば、最近、テレビに出ないな。
実名を紹介してもいいんだけど、まっ買って読んでよ。東スポより面白いから。
「国民のみなさま、すいません」
帯コピーにあるけど、いったい何をどう反省してるか、鈴木さんと佐藤さん(日本によくある苗字だなぁ)の自由奔放な対談を読むと、日本の政治、国際的な動きとのずれがよ〜くわかります。
2002年は2人にとってターニングポイントとなった年。
というのも、鈴木さんは437日間、佐藤さんは513日間を拘置所で過ごしたわけ。
もちろん、これは外務省がシナリオを書き、検察を手玉にとった作戦ですよ。もちろん、国策捜査。
田原聡一朗さん曰く、「検察がリークする。リークを元に記事を書いた記者がスクープを世に出して評価され出世する。そして大事件になる。すると、リークした検事は大臣の担当ということで出世する。この構図が問題なんだ」
官僚には4つあるんですね。まず能力があり、意欲がある。これは第1のタイプ。第2のタイプは能力があるけど意欲がない。こういうタイプは嫌々やるけどきちんとこなす。
第3のタイプは能力が無いくせに意欲(上昇志向)だけがある。そして第4は能力も意欲もないタイプ。
「K(現国連日本政府代表部大使・本文ではもちろん実名!)は普段は4だが、時々3になるので困る」と救いようのない評価を政府と省内でされてた。
しかし、こんなおバカさんでもキャリアはキャリア。一応、出世する。ただし、本流からは外される。
田中真紀子さんが外務大臣を追われた時、どういうわけか、このKだけを重用してましたね。
この田中大臣のクビをとるために、鈴木さんのとこに日参してたのがS。この人、「田中大臣の行状」として、失言や失敗、秘密公電まで抜粋して持ち込んでは、あることないこと吹き込んでたら、そこに田中大臣がやってきちゃった。
「あんた! なにしてんの!」
顔面蒼白。腰が抜けてそのままロダンの「考える人」みたいに固まちゃった。
ところで、佐藤優というインテリジェンスが1人いなくなっただけで、どれだけ外務省の体力が低下したか?
2005年4月にヨハネ・パウロ2世が亡くなります。葬儀にはアナン国連事務総長、ブッシュ大統領夫妻、クリントン前大統領夫妻、パパ・ブッシュ、シラク大統領、シュレーダー首相、ブレア首相、フィリップ皇太子、チャンピ大統領、ベルルスコーニ首相、ハタミ大統領・・・世界の要人がズラリ。
さて、日本からはいったい誰が参列したか?
なんと、総理補佐官の川口順子さんだって。なんとも存在感の内人ですが、あの無表情のおばさんですよ。この人だって、一応、元外相。けど、なんの能力も見識もないのね。
要人の葬儀というのは各国とも「外交チャンス」と認識してるわけ。
中曽根さんなんか、チェルネンコが死んだとき、すべての予定をキャンセルして訪ロしてんだよね。で、ゴルバチョフと2回も会談した。こういうセンスが大切なのよ。
いかに弔問外交が大事か、官邸ではだれもわかっちゃいなかった。
エリツィン元大統領が亡くなったとき、安倍さんも塩崎さんも知らせが遅かった。飛行機がなかったとウソをついて行かなかった。
で、だれが参列したか?
なんと、ソ連〜ロシア時代を通じていちばん能力と品性に劣るSというロシア大使(もちろん、実名!)。おかげで、いまだにロシアから、「日本はわが国と対話する気がない」と認識されている次第。
一事が万事。このセンスの無さ。安倍さんはこういう役人に囲まれて仕事してるわけ。「少年官邸団」と言われるのも、スタッフに恵まれていない脆弱な基盤にあるのかもしれませんな。
「語学だけが取り柄」と言われる外務官僚だけどさ、「実はそれほどでもない」とのこと。そういえば、大学時代、クラスで2人、外務公務員上級試験に通ったのがいたけど、英語は私の答案カンニングしてたもんね(私、英語はどこの模試でもいつも1桁だったかんね)。
まして、人脈開発とか人間関係調整能力の育成なんて皆無なんだろうな。
熱心なのは、ライバルの足を引っ張ったり、丸虫になったり、オムツプレイに興じたり、在外公館でゴージャスな生活を楽しんだり、法外な機密費と手当を貯め込んで40歳で豪邸を4軒も建てちゃうこと・・・か?
結論をひと言で言うと、外務官僚って清朝にはびこっていた「宦官」みたいなもんか?
これ、日本人必読の書です。400円高。