2007年09月20日「牛丼屋にて」 団鬼六著 幻冬舎 1680円
団鬼六さん、好きでんねん。SMが好き? いえいえ、私の趣味ではありません。痛いの嫌いだし、人が痛がるのも嫌だしね。
この人の小説はまったく読みません。けど、エッセイがなんともいえなくてね。で、本を買う。すると、同じような話が掲載されてたりすんです。
けど、やっぱ読んじゃう。
本書は「団鬼六自薦エッセイ集」というサブタイトルにある通り、いままでどこかで発表した話ばかり。「また、同じ話かな」「まっいいか」って少し放っといたのね。
早く読んどきゃよかった。24のエッセイと1つの小説の中、はじめて(たぶん)というのが9つもありました。
「頓死」とか「くず屋さん」「フグの食べ方教えます」「変態の館」「養老酒場」「拳銃」・・・とかはあちこちで何回も読んだし、このサイトでもかなり詳しく紹介したよね。
でも、やっぱ読んじゃうなぁ。「頓死」「くず屋さん」は傑作だもんなぁ(昔、紹介してるからチェックしてみてね)。
タイトルにもなってる「牛丼屋」ちゅうのは、吉野家桜木町店(野毛にあんの)。ブリーズベイホテルの隣にある店でのことね(テイクアウトしてるから知ってるよん)。
鬼六さんは吉野家が好きなのよ。牛丼を食べるわけじゃないの。牛皿とおしんこをつまみにチビチビ飲むのが好きなの。ここ、ビール、日本酒ともに3本までだから、飲み過ぎもストップできるしちょうどいいわけね。
けどさ、吉野家で呑むのが好きっ人も珍しいよね。たいてい、むしゃむしゃ一心不乱に食べる店だもんね。
私ゃ、子どもの頃、牛丼なんて食べたことなかった。大学に通い出して、友人に誘われてはじめて食べた。
「えっ、牛丼?」
たぶん、文明開化の音がしたと思うな。ハイカラやんけって思ったもん。天丼とかカツ丼しか食べたことなかったかんね。
で、桂花ラーメンと同じなんだけど、3回目からようやく美味いと感じたの。
以来、半額セールになると店で2杯食べて、弁当で5〜6個持って帰る。帰ったらすぐに2個食べちゃう。で、夜食に2個、朝食で2個・・・これで60キロしかなかったんだから、とても信じられません。
牛丼というと、大学の西門のそばに「三品食堂」ってのがあってね。
私、4月の末くらいにはじめて大学行ったとき、ここに入ったんだよね(入学式も卒業式も所用があって出てないのね)。なんにも知らないから、カツカレーなんか食べて、あまりの油っぽさに半分残しちゃった。
「2度と行くか!」と思ったけど、「あそこは大玉だよ、大玉」
つまり、大盛り玉子牛丼のことね。そしたら、美味いんだな、これが。しばらく通ってたもんね。
ハフゥハフゥ(熱いのね)、うめぇや、こりゃ。ムシャムシャ(一心不乱!)、ズズズッ(味噌汁の音)。食べ終わると、「美味い、もう1杯!」なんておかわりしちゃう。
牛丼といったら、やっぱ、男の食い物でエネルギーの素だよなぁ。
で、鬼六さんはここで、一心不乱に喰らうという行為を見るのが好きなんだろうな。健気で懸命で夢中でエネルギーをチャージしてる。そんな姿を見ながら、チビチビ飲む。この気持ち、よくわかります。
私も食いしん坊大好きなんだ。いまの夢はギャル曽根と一緒に飯食うことなんだ(赤坂さんは勘弁してほしいけど)。
さて、ある日、40歳ほどのジャンパー姿の父親が、8歳と6歳の女の子、5歳くらい男の子を連れて午後11時に入ってきたわけ。上の女の子が母親代わりなのか、父親が煙草を出すと、「灰皿お願いします」。で、ちいさな弟のために「小皿お願いします」。しっかりしてんだよ。
まだ8歳だというのに、こんなに気が利く。母親がいないんだよね。
(こういう男が妻に逃げられるんだろうな)(この娘には幸せになってほしいな)・・・なんて、いつの間にか、花嫁の父親目線になってんの。
おお、そういえば、今日、ベストセラーズの編集者がキャンデーとクッキーの手土産くれたな。あれ、この子たちに上げちゃおうか。
よし、あげちゃおう。
「ちょっと早いけど、これ、クリスマスプレゼント」
すると、この父親がスックと立ち上がって、「みんな、立って!」。
椅子から降りる。チビも慌てて降りる。一同、「おじ様、どうもありがとう」って頭を下げんのね。これには参りました。
父親は近くの溶接工らしい。自分は自分はという言葉遣い。やくざっぽいけれども生真面目な男。えてして、こういうタイプが女に逃げられるらしいな。
こんな「事件」にも遭遇しちゃう。1人であれこれ考え事(妄想ちゅうか夢想ちゅうか)できるのが吉野家ひいきの理由らしい。いろんな活用法がありますなぁ。
鬼六さんとは、深夜3時からオープンする変な飲み屋で何回か会ったことあんだよね(もちろん、野毛。たぶん33〜5歳くらいの時ね)。
この人、元々は学校の先生だかんね。人生いろいろちゅうか、人生エロエロちゅうか。まっ、遊びをせんとや生まれけん・・・でんなぁ。250円高。
この人の小説はまったく読みません。けど、エッセイがなんともいえなくてね。で、本を買う。すると、同じような話が掲載されてたりすんです。
けど、やっぱ読んじゃう。
本書は「団鬼六自薦エッセイ集」というサブタイトルにある通り、いままでどこかで発表した話ばかり。「また、同じ話かな」「まっいいか」って少し放っといたのね。
早く読んどきゃよかった。24のエッセイと1つの小説の中、はじめて(たぶん)というのが9つもありました。
「頓死」とか「くず屋さん」「フグの食べ方教えます」「変態の館」「養老酒場」「拳銃」・・・とかはあちこちで何回も読んだし、このサイトでもかなり詳しく紹介したよね。
でも、やっぱ読んじゃうなぁ。「頓死」「くず屋さん」は傑作だもんなぁ(昔、紹介してるからチェックしてみてね)。
タイトルにもなってる「牛丼屋」ちゅうのは、吉野家桜木町店(野毛にあんの)。ブリーズベイホテルの隣にある店でのことね(テイクアウトしてるから知ってるよん)。
鬼六さんは吉野家が好きなのよ。牛丼を食べるわけじゃないの。牛皿とおしんこをつまみにチビチビ飲むのが好きなの。ここ、ビール、日本酒ともに3本までだから、飲み過ぎもストップできるしちょうどいいわけね。
けどさ、吉野家で呑むのが好きっ人も珍しいよね。たいてい、むしゃむしゃ一心不乱に食べる店だもんね。
私ゃ、子どもの頃、牛丼なんて食べたことなかった。大学に通い出して、友人に誘われてはじめて食べた。
「えっ、牛丼?」
たぶん、文明開化の音がしたと思うな。ハイカラやんけって思ったもん。天丼とかカツ丼しか食べたことなかったかんね。
で、桂花ラーメンと同じなんだけど、3回目からようやく美味いと感じたの。
以来、半額セールになると店で2杯食べて、弁当で5〜6個持って帰る。帰ったらすぐに2個食べちゃう。で、夜食に2個、朝食で2個・・・これで60キロしかなかったんだから、とても信じられません。
牛丼というと、大学の西門のそばに「三品食堂」ってのがあってね。
私、4月の末くらいにはじめて大学行ったとき、ここに入ったんだよね(入学式も卒業式も所用があって出てないのね)。なんにも知らないから、カツカレーなんか食べて、あまりの油っぽさに半分残しちゃった。
「2度と行くか!」と思ったけど、「あそこは大玉だよ、大玉」
つまり、大盛り玉子牛丼のことね。そしたら、美味いんだな、これが。しばらく通ってたもんね。
ハフゥハフゥ(熱いのね)、うめぇや、こりゃ。ムシャムシャ(一心不乱!)、ズズズッ(味噌汁の音)。食べ終わると、「美味い、もう1杯!」なんておかわりしちゃう。
牛丼といったら、やっぱ、男の食い物でエネルギーの素だよなぁ。
で、鬼六さんはここで、一心不乱に喰らうという行為を見るのが好きなんだろうな。健気で懸命で夢中でエネルギーをチャージしてる。そんな姿を見ながら、チビチビ飲む。この気持ち、よくわかります。
私も食いしん坊大好きなんだ。いまの夢はギャル曽根と一緒に飯食うことなんだ(赤坂さんは勘弁してほしいけど)。
さて、ある日、40歳ほどのジャンパー姿の父親が、8歳と6歳の女の子、5歳くらい男の子を連れて午後11時に入ってきたわけ。上の女の子が母親代わりなのか、父親が煙草を出すと、「灰皿お願いします」。で、ちいさな弟のために「小皿お願いします」。しっかりしてんだよ。
まだ8歳だというのに、こんなに気が利く。母親がいないんだよね。
(こういう男が妻に逃げられるんだろうな)(この娘には幸せになってほしいな)・・・なんて、いつの間にか、花嫁の父親目線になってんの。
おお、そういえば、今日、ベストセラーズの編集者がキャンデーとクッキーの手土産くれたな。あれ、この子たちに上げちゃおうか。
よし、あげちゃおう。
「ちょっと早いけど、これ、クリスマスプレゼント」
すると、この父親がスックと立ち上がって、「みんな、立って!」。
椅子から降りる。チビも慌てて降りる。一同、「おじ様、どうもありがとう」って頭を下げんのね。これには参りました。
父親は近くの溶接工らしい。自分は自分はという言葉遣い。やくざっぽいけれども生真面目な男。えてして、こういうタイプが女に逃げられるらしいな。
こんな「事件」にも遭遇しちゃう。1人であれこれ考え事(妄想ちゅうか夢想ちゅうか)できるのが吉野家ひいきの理由らしい。いろんな活用法がありますなぁ。
鬼六さんとは、深夜3時からオープンする変な飲み屋で何回か会ったことあんだよね(もちろん、野毛。たぶん33〜5歳くらいの時ね)。
この人、元々は学校の先生だかんね。人生いろいろちゅうか、人生エロエロちゅうか。まっ、遊びをせんとや生まれけん・・・でんなぁ。250円高。