2007年11月10日「昔ながらのラーメン 下前商店」 横浜元町

カテゴリー中島孝志のB級グルメ探検隊」

「B級グルメ」とは「格安の値段で超一級の味を提供する料理、すなわち、お買い得、お食べ得の料理」という意味です。
 高くて美味いのは当たり前。安くても、「こんなに美味いの? こんな値段で食べちゃっていいの?」と腰を抜かしてしまう店。それを紹介するのが本ブログの使命です(ちょっとオーバーか)。

「わかりにくい場所にあるねぇ」
「すみません」
「いやいや、いいんだよ。最近、駅前だとか変にわかり易いとこにあんのが多いからね。店を探す愉しみってぇのがないやね」
「そうですか」
「あたぼうよ。で、店の中は・・・さっぱりしてるねぇ」
「何もないんです。殺風景でしょ?」
「いやいや、亭主の顔が見られていいよ。そこらの店じゃ、ここはロンドンかサンフランシスコかってぇくらい煙ってるからね」
「うちはある意味、仕事が全部見えますから」
「そうよ、オープンキッチンよ」
「はい、お待ち!」
「いいねぇ、洒落た会話を愉しんでる間にちゃちゃっと作る。仕事が早いね」
「そんなこともないんですけど」
「ご謙遜を。これ、美味いねぇ。こちとらラーメン喰いだからね。スープの匂いをかいだだけで腕がわかる」
「怖いですねぇ」
「おや、最近のラーメン屋はどこもかしこも豚骨スープだけど、ここは違うね。昔ながらの煮干しと鶏ガラかい?」
「わかりますか?」
「わかるよ、こちとらラーメン喰いだからね。嬉しいねえ、伝統的な東京ラーメン。まだ、こういう店があったんだなぁ。嬉しいよ」
「そうですか?」
「醤油味ごまかしが効かねえから難しいんだ。真面目な性格がラーメンに出てるね。ストレート麺と来た。猫も杓子も太麺にしやがって。うどんだかラーメンだかはっきりしろってんだ」
「ごめんなさい」
「なにもご亭主が謝るこたぁねぇよ。あえて超細麺で挑戦する、その気概に感動するね。応援するよ」
「ありがとうございます」
「焼豚がまたまたいいね。金華豚? イベリコ豚?」
「ふつうの豚です」
「へぇ、こりゃ間違うね。しかも大きさといい、細さといい。ちょうど食べ頃。この絶妙な感覚はなかなか出せない。焼豚丼とかあんの?」
「あります」
「ですよね? ですよね? これだけの焼豚だもん。おやまぁ、ワンタンもいい仕事してますな」
「そうですか?」
「ラーメン屋のワンタンてぇのはやっつけ仕事が多いんだ。ここは違うね。こりゃ中華街が束になってもかなわない!」
「とんでもないですよ」
「いや、ホント。ああ美味かった。ほら、一滴も残ってないよ」
「ありがとうございます」
「じゃ、勘定たのむよ。いくらだい?」
「1050円になります」
「1050円? こんなに美味くて? こりゃ安過ぎる。今度、町内会のみな連れてくるよ」
「今後ともご贔屓に」
「嘘はつかねぇぜ。さてと、勘定がちと細けぇんだ。100円玉になるから手ぇ出してくれるかい?」
「はい」
「1、2、3、4、5、6。いま何時(なんどき)だ?」
「はい、7時で」
「8、9、10。それに50円。また来るぜ」
「ありがとうござ〜い」

 お馴染みの「時ラーメン」の一席でお楽しみいただきました(んなものあるか!)。ちゃんとレポートしろ!

店名:「下前商店」
場所:横浜元町(日本最初のパン屋さん「ウチキパン」を通り過ぎたビルの左側、外人墓地の坂を右側に進む。階段を降りる。3軒目)
値段:500〜1500円(ラーメンの他にカレーライス、焼豚丼など)


焼豚ワンタンメン。昔、食べたあの味に再会!

夜は9時まで。昼もやってる。元町中華街駅から徒歩3分。

元町はすっかりクリスマスモード。昔、ジェニファーと歩いたな。♪きっときみはこないぃ、ひとりきりのクリスマスイブ サイレンナイト ホーリィナイト♪