2008年05月19日「そのノブは心の扉」 劇団ひとり著 文藝春秋 1000円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 「陰日向に咲く」に続くものですが、今回はエッセイですね。
 「週刊文春」に連載されてましたね。私んとこ、文春編集部からいつも送ってもらってるからね。
 私、連載小説の類は基本的に読まないの。いっきに読むというスタイルだから。その点、エッセイは単発ネタだからいいね。どこから読んでもいいってのは。

 そうか、「初恋の人」には会わないほうがいいのか。

 ひとりさん、小学生から中学生にかけて、1人の女の子に恋してたのね。で、気になって気になって、迷ったあげく、電話してみた。
 すると、「会ってもいいよ」。

 ファミレスで待つとき、めちゃブッサイクになっていたり、犬のよだれと毛をセーターにつけた姿で来ないか・・・とガックリを期待。
 で、ガックリ期待にガックリ。まあ、そうだよね。ひとりさん、まだ30歳だもの。彼女だって同じでしょ。崩れるとしたら、もうちょい先でよなあ。

 しかも、残念なことにいい女はあまり崩れないんだよ、実際は。なぜって・・・いい女は衝動的にイケメンと結婚するんじゃなく、お金持ちと結婚する確率が高いから! 素材も大切だけど、やっぱメンテだよ、メンテ! いい年してる芸能人でもきれいなのはメンテ命だから。
 このメンテってお金がモノを言うんです。となると、お金持ちにならんといかんわけさ。

 で、彼女が来た。心臓ばくばくなんだけど、見てみないふり。
 あっ、来てた? あわててケータイでメールしたりして。

 この気持ち、よ〜くわかります。恥ずかしがり屋の自意識過剰タイプがよくやろ行動パターン。読んでてこちらが赤面しちゃったよ。

 ひとりさん、頭の中では出会いから別れまでいろいろシミュレーションしてるわけ。本音とちがって、スマートに自分を演出したわけ。
 で、帰りしな、タクシーを停めて、彼女に10000円渡しちゃう。

 ボクって、なんて粋なんだろう・・・で、期待通り、彼女から電話。その後の展開はとっくにシミュレーション済み。けど、ここでもガックリ来るんだなあ。
「そういうとこ、皆が君から離れていった原因だと思うよ」

 その他、ひとりさんワールドにたっぷり浸れる内容ばかり。明日はまた、ほかの芸人本をご紹介しましょう。200円高。



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