2008年09月13日「わが教え子、ヒトラー」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 原題は「マイン・ヒューラー=わが師」ということですかな。

 時は1944年のクリスマスイブ。
 第三帝国では、5日後に100万人の民衆を集めて総統ヒトラーが演説する・・・ことになってんだけど、ベルリンですら連合国からの空爆を受ける始末。パレードしようにも、あちこちが崩れてるのね。
 そんなわけで総統も意気消沈。元気がないわけよ。

 で、「1939年の全盛期に総統を戻したい」と宣伝相のゲッペルスは頭を抱えてるわけ。

 思いついたのが、かつて、観た芝居。世界を代表するユダヤ人俳優グリュンバウムが演じていた。あの名役者にして名演出家の男を呼んで、元気のない総統の演説を力強く見せるために振り付けをさせよう。
 国威を発揚させてこの劣勢を逆転させよう・・・そうすれば、第三帝国は復活するにちがいない。

 けど、この男はユダヤ人なのね。

 ナチスの人種殲滅計画ではユダヤ人はジェノサイドですよ。でも、背に腹は代えられないかんね。反対する側近を押さえ込んで収容所で強制労働に励む男を呼び寄せた。

 男は孤独な裸の王様ヒトラーに憐憫の情を覚えるんだけど、なんといっても、同胞、家族の命を根絶やしにする張本人。男のおかげで収容所から解放された家族にしても、「ヒトラーを殺せ」と一致。

 さて、男はどうするか? ま、この先は映画館で観てね。


主役はアカデミー外国語賞受賞「善き人のためのソナタ」のウルリッヒ・ミューエ。

 ところで、私ゃ、渋谷のBUNKAMURAで観たんだけど、いつもオンラインでチケットを買ってるわけ。ここね、オンラインのお客は椅子に「指定席」と書かれた白いカバーがあるのね。

 なんと、10:40の回のを観たんだけど、どうやらオンライン申込は私1人だけ。ありゃりゃ。どうしてだろ? まっ、年齢層がちと高いからかな。