2009年03月07日「だんだん」

カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」

 あのさ、昔々、その昔、「どっこい大作」というドラマがありましてね。たしかいまのテレ朝で夕方放送してたと思うんだけど。
 1973年の制作ちゅうことは、私が高校生ですよ。道理で、あまり熱心に見てなかったんだと思うのね。

 たまに見るとね、これが目が点になっちゃう。だって、「えっ、元々、相撲取りになるために北海道から出てきたんだろうが」「いつからラーメン屋で働いてんの? おかもち持って出前に行ってるぜい」「あれ今度は掃除屋さん? よおわからんなあ」「追々追い、今度はパン屋さんかい?」
「で、いつもどっこいどっこいどっこい大作!」という掛け声で終わるわけ。
 たまに見ると、ドラマの展開ががらり変わるってるから、油断も隙もあったもんじゃない。これは最終回までなにになるかわからんですな、という展開なわけ。

 大作役は金子吉延さん。ふっくらした俳優さんが演じてました。「仮面の忍者赤影」の青影役とか、「河童の三平」の三平役(いたち男役は潮健次郎さん)とかで有名な子役だったんですよ。まっ、すぐに引退しちゃったみたいですけど。
 以前、「あの人はいま」みたいな番組に登場したとき、練馬のほうで水道屋さんかなんかを自営してると言ってたかな。


 
 で、いま放送中の「だんだん(NHK)」を見てると(といっても、たまにしか見ないんだけど)、あの時の「どっこい大作」を思い出してしまうわけですよ。

 あのさ、産まれてすぐに離れ離れになった双子。かたや宍道湖のシジミ漁師の娘、かたや舞妓は〜ん(はは〜ん、川端康成の「古都」ですな)。

 この双子を結ぶ糸は「♪赤いスイートピー」なんだって。で、漁師のオヤジがよく唄ってるんだと。で、そのオヤジが吉田栄作なんだと。漁が終わると路上ミュージシャン。
 でもって、双子が路上ライブ対決をするんだと。2人をスカウトした芸能事務所。デュオを組んで歌わせたら、ヒットチャートの1位になってしまうんだと。その歌がどういうわけか、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」なんだと。
 各回のサブタイトルもぜ〜んぶ60〜80年のヒット曲にあやかっているんだとか。

 で、双子のどちらかがキャンディーズみたいに勝手に解散宣言しちゃって、気づいてみたら、いつの間にか、かたほうは女将として店を切り盛りし、かたほうはおたんこナース兼介護士。で、2人をスカウトしたあの芸能事務所のマネジャーが実は医学部を卒業していて医師になってたんだと。

 ホントありえねえ!・・・サプライズの連続でやんす。どっこいどっこいどっこいマナカナってか。
 ある意味、脚本が崩壊しているけど、ある意味、とっても愉しみ。といっても、この先、どんなはちゃめちゃな展開になるのか、その「ありえなさ」に関心があるわけよ・・・私みたいな見方してる人って意外といるんじゃないかなあ。ホントありえねえ!

 つうことで、だんだん(出雲弁で「ありがとう」という意味らしいよ)!