2009年06月16日「グローバル恐慌」 浜矩子著 岩波新書 735円
今日は原理原則研究会です。久しぶりに中島孝志が講義します。メンバーは参加のこと。早いもので来月で修了です!
NYダウ平均はいきなり210ドル下落からスタート。6月度の連銀の指数が悪すぎたとのこと。商品相場も下げてるからとのこと。
ま、いままでのようにレバレッジがかけられないから暴騰することは考えられない。投資家全般、逃げ足が速いからすぐ下がりたがる。
「メインストリートの繁栄なくして、ウォールストリートの繁栄なし」
米国の繁栄なくして日本の繁栄なし。
中国の繁栄なくして日本の繁栄なし。
隣人の繁栄なくして自分の繁栄なし。
輸出産業に依存しすぎ。内需拡大を振興すべし。ま、そのほうがいいかもしれないけど、技術立国ニッポンは世界中からコールされる宿命なのかも。
さて、メインストリート・・・の言葉は08年11月4日、オバマが勝利宣言演説をしたときのメッセージ。
そういえば、昔、「米国にいいことはGMにいいことであり、GMにいいことは米国にもいいことである」という言葉を聞いたこともあったっけ。
かつて、米国が繁栄すれば世界も潤ったけど、いまや米国は過去の人? いや、下手すっと、惚け老人の介護状態?
本書は、いままでの日米経済を復習するのにぴったしの教材でしょうね。
1933年、大恐慌の反省から、銀行はハイリスクな証券業務をやっちゃダメ(兼営禁止)というグラス・スティーガル法が成立しました。
このままこの法律を維持していれば、今回の金融危機は起こらなかった? たしかに、めちゃくちゃなレバレッジをかけるようなヘッジファンド、投資銀行を規制できればセーフだったかもしれませんが、基本線として、米国経済は破綻し、違う意味での「世界同時不況」が起きていたかもしれません。
グラス・スティーガル法の特徴を上げると、次の4点があると思います。
1銀行と証券の兼業規制。
これは皆さんご存じでしょうね。でも、次の3点があるんです。
2預金金利規制。
3州際業務規制。
4株式会社化。
1930年代から、銀行の預金金利には法的に上限規制があったんですね。つまり、大恐慌が起きた原因は、金融機関が高金利で預金をかき集め 高金利で貸し出し、お互いに競争し、結果、パンクしたという反省がありました。
だから、金利規制をしてたわけ。ただし、銀行だけね。
インフレとは金利が上がることでしょ? 金利が上がる中で預金金利だけが押さえ込まれたらどうなるか? こきが日本人とアメリカ人との違いなんですけど、彼らは銀行から預金を引き出して株を買ったり、債券(国債とかGMの社債とか)に投資したりするわけ。こうなると、銀行には資金が集まらなくなっちゃう。すると、業務ができなくなるのよね。
インフレ率が2桁ともなると金利も2桁になります。利子の水準てのは、物価上昇率を最低基準として決まりますからね。
1970年代、米国の短期金利は2桁でした(60年代は4%くらい)。ニクソンショック(ドル金交換停止=高インフレ・高金利)のせいですよね。ま、根源はベトナム戦争で事実上、財政破綻してたからですけど。
で、米国政府はインフレ加熱を抑えようとして、金融引き締め=高金利政策を採ります。有名なグリーンスパン(FRBの元議長)の前任者ポール・ボルカーの政策ですね。当時、「ボルカー・ショック」と呼ばれましたよ。
けど、これがぜんぜん効かない。結果、3年間でインフレは4%を下回ります。けど、GDPも3%以上減少。失業率11%。
で、87年にグリーンスパンに引き継ぐわけ(いきなりブラック・マンデーに見舞われる)。
ボルカーは79年から議長してますからね。カーター、レーガン両大統領時代ですね。日本の総理在任でいうと、大平正芳、鈴木善幸、中曽根、竹下、宇野、海部までですから長いですわな。
金利政策から通貨供給量政策へと転換してマネー膨張を絞り込んだけど、市中金利は野放しのまま。当然、金利は大暴騰。事実上の預金金利規制撤廃宣言となります。
ヨーロッパの銀行は銀行(=商業銀行)と証券(=投資銀行)を兼業するユニバーサル・バンキングでしたからね。さらに金融IT化が拍車をかけましたから、米国の金融機関は危機感があったと思います。
それだけでなく、大規模小売業、たとえば、シアーズ・ローバックとか、金融、証券、保険、不動産等の会社が、国際銀行業務や生損保事業、証券売買とかに進出してきた。こうなると、米国の銀行もうかうかしてなれない。
で、グラス・スティーガル法の封印を解いてしまうわけ。グラス・リーチ・プラリマリー法が99年に成立。銀行・証券兼業が解禁されるわけ。
ま、ここからはゴールドマンサックスのロバート・ルービンの独壇場。クリントン政権で財務長官に就任します。ま、ここから先は以前書いたから省略。本書でも、少しだけ触れてます。300円高。
NYダウ平均はいきなり210ドル下落からスタート。6月度の連銀の指数が悪すぎたとのこと。商品相場も下げてるからとのこと。
ま、いままでのようにレバレッジがかけられないから暴騰することは考えられない。投資家全般、逃げ足が速いからすぐ下がりたがる。
「メインストリートの繁栄なくして、ウォールストリートの繁栄なし」
米国の繁栄なくして日本の繁栄なし。
中国の繁栄なくして日本の繁栄なし。
隣人の繁栄なくして自分の繁栄なし。
輸出産業に依存しすぎ。内需拡大を振興すべし。ま、そのほうがいいかもしれないけど、技術立国ニッポンは世界中からコールされる宿命なのかも。
さて、メインストリート・・・の言葉は08年11月4日、オバマが勝利宣言演説をしたときのメッセージ。
そういえば、昔、「米国にいいことはGMにいいことであり、GMにいいことは米国にもいいことである」という言葉を聞いたこともあったっけ。
かつて、米国が繁栄すれば世界も潤ったけど、いまや米国は過去の人? いや、下手すっと、惚け老人の介護状態?
本書は、いままでの日米経済を復習するのにぴったしの教材でしょうね。
1933年、大恐慌の反省から、銀行はハイリスクな証券業務をやっちゃダメ(兼営禁止)というグラス・スティーガル法が成立しました。
このままこの法律を維持していれば、今回の金融危機は起こらなかった? たしかに、めちゃくちゃなレバレッジをかけるようなヘッジファンド、投資銀行を規制できればセーフだったかもしれませんが、基本線として、米国経済は破綻し、違う意味での「世界同時不況」が起きていたかもしれません。
グラス・スティーガル法の特徴を上げると、次の4点があると思います。
1銀行と証券の兼業規制。
これは皆さんご存じでしょうね。でも、次の3点があるんです。
2預金金利規制。
3州際業務規制。
4株式会社化。
1930年代から、銀行の預金金利には法的に上限規制があったんですね。つまり、大恐慌が起きた原因は、金融機関が高金利で預金をかき集め 高金利で貸し出し、お互いに競争し、結果、パンクしたという反省がありました。
だから、金利規制をしてたわけ。ただし、銀行だけね。
インフレとは金利が上がることでしょ? 金利が上がる中で預金金利だけが押さえ込まれたらどうなるか? こきが日本人とアメリカ人との違いなんですけど、彼らは銀行から預金を引き出して株を買ったり、債券(国債とかGMの社債とか)に投資したりするわけ。こうなると、銀行には資金が集まらなくなっちゃう。すると、業務ができなくなるのよね。
インフレ率が2桁ともなると金利も2桁になります。利子の水準てのは、物価上昇率を最低基準として決まりますからね。
1970年代、米国の短期金利は2桁でした(60年代は4%くらい)。ニクソンショック(ドル金交換停止=高インフレ・高金利)のせいですよね。ま、根源はベトナム戦争で事実上、財政破綻してたからですけど。
で、米国政府はインフレ加熱を抑えようとして、金融引き締め=高金利政策を採ります。有名なグリーンスパン(FRBの元議長)の前任者ポール・ボルカーの政策ですね。当時、「ボルカー・ショック」と呼ばれましたよ。
けど、これがぜんぜん効かない。結果、3年間でインフレは4%を下回ります。けど、GDPも3%以上減少。失業率11%。
で、87年にグリーンスパンに引き継ぐわけ(いきなりブラック・マンデーに見舞われる)。
ボルカーは79年から議長してますからね。カーター、レーガン両大統領時代ですね。日本の総理在任でいうと、大平正芳、鈴木善幸、中曽根、竹下、宇野、海部までですから長いですわな。
金利政策から通貨供給量政策へと転換してマネー膨張を絞り込んだけど、市中金利は野放しのまま。当然、金利は大暴騰。事実上の預金金利規制撤廃宣言となります。
ヨーロッパの銀行は銀行(=商業銀行)と証券(=投資銀行)を兼業するユニバーサル・バンキングでしたからね。さらに金融IT化が拍車をかけましたから、米国の金融機関は危機感があったと思います。
それだけでなく、大規模小売業、たとえば、シアーズ・ローバックとか、金融、証券、保険、不動産等の会社が、国際銀行業務や生損保事業、証券売買とかに進出してきた。こうなると、米国の銀行もうかうかしてなれない。
で、グラス・スティーガル法の封印を解いてしまうわけ。グラス・リーチ・プラリマリー法が99年に成立。銀行・証券兼業が解禁されるわけ。
ま、ここからはゴールドマンサックスのロバート・ルービンの独壇場。クリントン政権で財務長官に就任します。ま、ここから先は以前書いたから省略。本書でも、少しだけ触れてます。300円高。