2010年04月05日「NINE」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 う〜ん。「CHICAGO」に似た雰囲気。ミュージカル仕立てだし。当たり前か、監督が同じロブ・マーシャルだもん。

 フェデリコ・フェリーニ(以前、いちばんのお気に入り映画『道』をご紹介したっけ)の自伝映画『8 1/2』をミュージカル化したブロードウェイ・ミュージカルの映画化・・・というややこしいけど、ま、いたって簡単な作品なのね。
 
 めちゃええ映画でっせ。映画はゴージャスにつくらなあかん、という熱意みたいなもんが伝わってきますな。

 映画監督のグイドは新作に賭けてた。
「タイトルは?」
「イタリア!」
 口から出任せ。シナリオはおろか、プロット、コンセプトもな〜んにもない。
 もち、制作が進行するとどんどん追い込まれちゃう。ヒロインはやる気満々。けど、セリフ無し。で、逃げちゃう。
 逃げ込んだ先に愛人が追いかけてくるんだけど、そこに妻も来ちゃったから、さあ大変。で、ヒロインにも恋しちゃつてるからね、この男。つまり、典型的なイタ〜リアンなわけ。

 もち、愛想を尽かされちゃうんだけどね。映画なんてできるわけないっしょ。で、ローマからも逃げ出しちゃう。

 おませなフェリーニが女性の存在に目覚めた8歳半。大人にはなったけど、中身はあの時のまま・・・永遠の少年さ。



 映画監督グイド役はダニエル・デイ=ルイス(『マイ・レフトフット』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で2回アカデミー賞主演男優賞をもらってる)。
 妻役はマリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ 愛の賛歌』でオスカー)。愛人役はペネロペ・クルス(ウディ・アレンの『それでも恋するバルセロナ』でアカデミー助演女優賞)。ヒロインはニコール・キッドマン(説明不要でしょ?)。記者役はケイト・ハドソン(母親はあのゴールディ・ホーンでっせ)。仕事のパートナー・衣装役はジュディ・デンチ(説明不要でしょ?)。母親役はソフィア・ローレン・・・アカデミー賞受賞者のオンパレード。でもって、グラミー賞のファーギーも登場。もち、歌ってますよ。
 とてもゴージャス。見て聞いて愉しめる。やっぱミュージカル。

 もう1回観に行こうっと。

さて、今日の「中島孝志の 聴く!通勤快読」は『見えない資産の大国・日本』(日下公人ほか著・祥伝社)です。詳細はこちらからどうぞ。