2011年01月29日天国と宇宙ってどちらが遠いの?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

「ねぇ、天国と宇宙とではいったいどっちが遠いの?」

 人気ラジオ番組「子ども電話相談室」に寄せられた質問です。

 子どもはまったく質問の天才だ、と思いますね。大人ではとてもとても想像できない質問をします。そういう意味では、想像力豊かであり創造力がほとばしってるわけ。

 かつてアインシュタインが「1人の天才より100人の愚者の質問に真理がある」と言ったことがあります。たわいのないこと。けど、ときに天才が答えに窮する、それでいて真理をうがった問いかけなんですね。で、天才の目からウロコが落ちる・・・。

 天才の代表アインシュタインは愚者の問いかけに真摯に答えようと努力した。この姿勢はほかでもない。天才が自分に課してることでもあるわけです。

 幼な子を愚者とは思わないけど、こういう問いかけは子どもの得意技ですな。常識に凝り固まった大人がすんなり答えられることはめったにない。
 しかしこのときの回答は見事だったねえ。

「あのね、ボクの知ってる人で宇宙から帰ってきた人いる?」
「いるよ。この前テレビでやってたもん。宇宙飛行士の人が宇宙に蛙もっていったんだ。でも一緒に戻ってきたよ」
「そうだったわね。じゃあ今度は天国から帰ってきた人、ボク知ってるかな?」
「知らな〜い。隣のヒロくんのおばあちゃん天国に行ったままだって」
「そうね。宇宙はロケットで行っても何日かしたら帰ってこられるんだけど、天国はとっても遠いからなかなか帰ってこられないの。わかる?」
「うん、わかるよ」
「偉いわね。だから宇宙より天国のほうが遠いのよ。いい?」
「うん、よくわかった。お姉さんどうもありがとう」
「はい、こちらこそありがとう」

 こんなやりとり。科学的な正解ではないと思う。でも、この人に、このとき、この場で答えるには正解だったんじゃないかな。

回答が見事だった点は以下の3つ。

1真摯に答えていること。
2相手の目線で答えていること。
3相手の理解を確認しながら進めていること。

 コミュニケーションの極意ですな。