2011年07月06日「チャンプ」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 これ、名作。スタローンの『ロッキー』も下敷きはこれですわな。

 子役がなんともいじらしくてねえ。たまんないっす。。。

 私がDVD持ってるのはジョン・ヴォイト版(=リメイク)ですけど、元々はウォーレス・ビアリー(『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンの元ご亭主ね)が元プロボクサーで飲んだくれのダメオヤジ役を熱演。で、アカデミー主演男優賞をゲット。

 何度も言うけど、この映画、子役でもってるんだよね。だから主演男優賞はリッキー・シュローダーに上げるべきだと思うけど。


ジョン・ヴォイトはアンジェリーナ・ジョリーの実父。よく似てるよね。

 話はシンプル。元プロボクシングのチャンピオン(ジョン・ボイト)はいまや競馬場の厩務員。酒とトランプ漬け。妻(これがフェイ・ダナウェイなんだよなあ)は父子を捨てて出て行っちゃう。で、ファッションの世界で活躍するんだ。

 そんな母子が競馬場で出会うわけ。

 トランプでバカ勝ちした父親が息子のために馬をプレゼントした。競馬場でお客さんに「ボクの馬に賭けなよ。絶対勝つから」と宣伝するわけ。で、たまたま出会った淑女が賭けてくれたんだ。

 これが実の母親。お互いこのシーンでは知らないんだよね。

 いざ競馬が始まると、トップで走ってた愛馬がゴール直前に転倒。泣きながら馬に駆け寄る子どもを追いかける父親を見ると、かつての亭主じゃあ〜りませんか。

 ということは。。。ドラマはここから始まるんだよなあ。

 いつも飲んだくれて、トランプで負けると子どもの貯金箱からちょいと拝借(私とよく似てる)。そんなダメオヤジを「チャンプ」と呼んでくれるのはこの世に1人しかおりませんな。

 いろいろありましてね。このダメオヤジが一念発起します。で、愛息がいちばん喜ぶこと=チャンプ(チャンピオン)に返り咲くこと、を叶えようと懸命にトレーニングを始めるんです。

 どうなることやら・・・。

 子が父を思う気持ち、父が子を思う気持ち、子が母を思う気持ち。母が子を思う気持ち、いまは人妻となった元奥さんを思う元夫の気持ち。相変わらずダメな元夫を思う元妻の気持ち。そんな妻を思ういまの夫の気持ち。。。なんかめちゃ複雑なんだけど、実はとってもシンプル。

 みんなが愛し合ってるのよ。真剣に。でも、この父子の絆はほかのどの関係よりもずっと強いんだ。

 というわけで、日本のお父さんにはぜひ観てもらいたい映画だし、わが子にそれとなく観せて欲しい映画なんだけどね。


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