2012年04月21日「日輪の遺産」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 ここ数か月、かなり映画観てますねん。あれもこれもご紹介したいとこですけどね。優先順位みたいなもんがありますでしょ。

 で、DVDも観てるわけで。。。仕事しながら。

 浅田次郎さんの原作。「きんぴか」の次に読んだの、これだと思うな。メジャーな版元ではなかったと思う。「きんぴか」にしたって学研ですからね。元々、出版したのは。最初の会社を退職するために本社のある京都に挨拶に行った帰り、キオスクで買って新幹線の中で読破したんだ、と思うね。

 その後、あるとき、「地下鉄(メトロ)に乗って」を読んで、「あれ、この著者、以前、読んだことあるけど、こんな本、書くような人だった?」と驚いたものです。

 さてさて・・・。「この世はすべて舞台。男も女も役者の1人にすぎない」(シェイクスピア)

 昭和20年8月10日。帝国陸軍、真柴少佐は阿南惟幾陸軍大臣から戦後、日本再生をうらなう重大な密命を帯びます。マレーの虎こと山下奉文大将がマッカーサーから奪った900億円(現在の貨幣価値で200兆円)の財宝を内密に陸軍工場へ移送し隠匿すること。。。

 東大首席卒業、高文試験首席合格の大蔵官僚を陸軍に出向させた小泉中尉、それに支那の戦火をくぐり抜けてきた強者、望月曹長の3人で極秘に任務を遂行するわけ。
 財宝隠匿を手伝わせるのは、命令になんの疑問も感じないと思われる20名の少女たち。勤労動員というわけですな。で、軍の命令は任務遂行後、この少女と引率教師を青酸カリで処分すること。

 さて、どうなりますか。。。あとは映画を観てちょ。



 戦時中のシーンはすべて回想として描かれてますが、外資系新聞記者によるマッカーサー通訳への取材。財宝を守り抜いた一族。そして昭和20年8月10日から3年間の動きなど、三元中継でレポートされる、という構成ですね。

 生徒は生徒として、教師は教師として、少佐は少佐として、経済官僚は経済官僚として、土地を買い占める地主は地主として、自分の任務をきっちり遂行する。この「勤勉さ」が焦土の日本を復活させたにちがいないですな。

「お言葉ですが、少佐殿。ここは戦場ですから先のことはわからないのです。わしら兵隊にとって、理由はなんでもよいのです。自分の死が無駄ではない、という大義名分があればけっこう楽に死ねるものであります」

 たしかに・・・。