2012年06月11日「フクシマの嘘」。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 経産省と財界から命令されて、ドジョウさんは大飯原発の再稼働を懸命に推進してますな。

 この人、言語明瞭・意味不明の典型でして。「国民の生活を守るために再稼働すべきというのが私の判断」と述べてましたけど、危険な原発を動かすこと=国民生活を守ること、ってどんな論理なの?

 国民生活=節電しなくて済む便利なライフスタイルの実践=だから原発を動かそうよ。。。つうこと? 国民のバカにされたもんですな。で、東電なんぞは利益の90パーセントを家庭からむしり取るわけでしょ。 

 正直にいったらいいのに。財界から命令されて、原発動かさんと電気代が高くなって困りまんねん。儲からなくなるとリストラも考えなあかんようになる。これ以上、失業率が増えてもええんか?ってね。

 国民は猛烈な節電も我慢する、といってるわけでね。だから、原発再稼働すんな、というわけでしょ。
「だから財界がやいのやいの言うんです。私、財界と財務省には弱いんです」

 ま、いえんわな。

 さて、ドイツテレビが制作した「フクシマの嘘」(ヨハネス・ハノ監督)をぜひご覧下さい。YouTubeでも見られますし、文字興しされてる方もいますので、さっと読めます。

・・・私たちは立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から約7キロ離れたところにいる。ナカ氏はここで生活をし福島第一と第二の間を股にかけて仕事をしてきた。ナカ氏と彼の部下は、何年も前から原発の安全性における重大な欠陥について注意を喚起してきた。しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

「私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけでその人たちの言うことなど誰も本気にしません。日本ではその影響力の強いグループを呼ぶ名前があります。原子力ムラ、というのです。彼らの哲学は、経済性優先です。この原子力ムラは東電、政府、そして大学の学者たちでできています。彼らが重要な決定をすべて下すのです」(ナカ氏談)。

「最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前にしておかなければいけないものがあったのに、何もしなかったことです。原発事故を起こした引き金は津波だったかもしれないが当然しておくべき対策をしなかったことが問題なのです。この過失は責任者にあります。つまり、必要であったことをしなかった、という責任です」(菅直人・前首相談)

 原発事故の原因は地震と津波ではなかったのか? 原子力ムラの足跡を辿っていくと、嘘、仲間意識と犯罪的エネルギーの網の目に遭遇する。
 フクシマの第1号原子炉は70年代初めにアメリカのジェネラルエレクトリック社が建設以来、アメリカのエンジニアが点検を行ってきた。そしてフクシマでは何度も問題があった。

(ハーノ記者)
「東電は、点検後、なにをあなたに求めたのですか?」
(スガオカ氏)
「亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは簡単です。つまり、黙れ、ですよ。何も話すな、黙ってろ、というわけです」

 アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏もそれを変えようとすることは許されなかった。

(スガオカ氏)
「1989年のことです、蒸気乾燥機でビデオ点検をしていてそこで今まで見たこともないほど大きい亀裂を発見しました」
「原子炉を点検している同僚の目がみるみる大きくなったと思うと彼がこう言いました。蒸気乾燥機の向きが反対に取り付けられているぞ、と」
「私たちは点検で亀裂を発見しましたが、東電は私たちにビデオでその部分を消すよう注文しました。報告書も書くな、と言うのです。私はサインしかさせてもらえませんでした。私が報告書を書けば、180度反対に付けられている蒸気乾燥機のことも報告するに決まっていると知っていたからです」

(ハーノ記者)
「では、嘘の文書を書くよう求めたわけですか?」

 スガオカ氏は仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。GE社に解雇されて初めて彼は沈黙を破り日本の担当官庁に告発した。ところが不思議なことに、告発後何年間もなにも起こらなかった。日本の原発監督官庁はそれをもみ消そうとしたのだ。
 2001年になってやっと、スガオカ氏は「同志」を見つけた。

(佐藤前知事)
「福島県の原発で働く情報提供者から約20通ファックスが届きその中にはスガオカ氏の告発も入っていました。経産省は、その内部告発の内容を確かめずにこれら密告者の名を東電に明かしました。それからわかったことは、私も初めは信じられませんでした。東電は、報告書を改ざんしていたというのです。それで私は新聞に記事を書きました。そんなことをしていると、この先必ず大事故が起きる、と」

 それでやっと官僚たちもなにもしないわけにはいかなくなり17基の原発が一時停止に追い込まれた。調査委員会は、東電が何十年も前から重大な事故を隠蔽し安全点検報告でデータを改ざんしてきたことを明らかにした。
 それどころか、フクシマでは30年も臨界事故を隠してきたという。

 社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役に任命された。彼らは佐藤氏に報告書の改ざんに対し謝罪したが佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。

 そこで佐藤氏は日本の原発政策という「暗黙のルール」に違反してしまった。2004年に復讐が始まった。

(佐藤前知事)
「12月に不正な土地取引の疑いがあるという記事が新聞に載りました。この記事を書いたのは本来は原発政策担当の記者でした。この疑惑は完全にでっち上げでした。弟が逮捕され首相官邸担当の検察官が一時的に福島に送られて検事を務めていた。彼の名はノリモトという名で遅かれ早かれ、お前の兄の知事を抹殺してやる、と弟に言ったそうです。事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に圧力がかかり始めました。少し私の悪口を言うだけでいいから、と。中には2、3人、圧力に耐え切れずに自殺をする者さえ出ました。私の下で働いていたある部長は、いまだ意識不明のままです」

 同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。裁判で彼の無罪は確定されるが、沈黙を破ろうとした「邪魔者」はこうして消された。

 ぜひアクセスしてみてください。

 さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実』(朝日新聞特別報道部著・朝日新聞出版社)です。詳細はこちらからどうぞ。