2012年12月15日「領空侵犯」という意味

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 明日は衆院選挙ですね。ついでに都知事選もあるとか。

 さて、この選挙の意味することは2つあります。

 1つは、これから4年間は選挙がないかもしれない、ということです。ま、衆院は解散もありますけど、世論調査では自民圧勝だとか。「解散なんかしないかんね」と最後までだだをこねた民主党と同じで、自民党だって解散なんかしませんよ。

 で、2つ目。選挙結果によっては消費税増税が確定しかねない。TPP参加が確定しかねない。原発推進が確定しかねない。さらにいえば、憲法改正だってありうる。。。つまり、この4年間のうちに、自公、その下請けの民主残党によって、「この国のかたち」がガラッと変わりかねない「分水嶺」に私たちはいま立っている、ということです。

 この認識というか、自覚、覚悟がなければね。そういう意味では、いままでの選挙とは「真剣み」というか「重み」がぜんぜん違うんです。

 さて、中国がとうとう領空侵犯に踏み込みました。海洋監視船4隻だけでなく、航空機1機で尖閣諸島を「共同パトロール」したとか。
 この意味がわかりますか?

 中国はいままで「領海侵犯」を何度も何度も繰り返してきました。けど「領空侵犯」は初めて。「ふ〜ん、いままでなかったんだ。そうなの?」ではありません。領海侵犯と領空侵犯では国際法における「重み」がぜんぜん違うんです。

 領海侵犯の場合は「無害通航権」が国際法で認められています。もち、中国漁船は日本の許可なく領海内で操業することはできません。でも、嵐だとか事故だとかで領海を侵犯してしまうけど、別に悪意も軍事的な目的もありませんからね、ということなら、通航が許されることもあるわけ。

 ところで、この領海侵犯にしても、1994年に日本は中国、韓国とともに国連海洋法を批准してるわけですよ。で、中国・韓国は当たり前のようにさっさと国内法を整備したのに、日本は平和呆けで、他国から侵犯されっ放し。整備したのはいつか? なんと14年後の2008年になってから、というていたらく。

 そういう意味では、「日本を取り戻す」はずの安倍さんは、野田さんや藤村さんをやいのやいの言えた義理ではありません。どっちもどっちですな。

 さてさて領空侵犯です。問題は。外国機が許可なく日本領空を侵犯し、日本の命令に従わなければ撃墜してもかまわんのですよ。国際法でもそういうルールになってます。日本の主権に対する明白な侵害ですからね。

 でもね、今回も侵犯に対して出動したのは自衛隊ではなく、海保の巡視艇でしょ。「どうせ攻撃する度胸なんてないかんね」と確信してるから、中国は選挙のどさくさ紛れに領空侵犯を計画したんでしょう。

 自衛隊機が来る頃には出ていったことも計画通り。これからは領空侵犯は常態となりまっせえ。尖閣諸島から沖縄へと侵犯はますますエスカレートしますよ。なぜなら、中国のねらいは最初から尖閣なんかじゃなくて沖縄であり、西太平洋なんですから。
  
 さて、この冷静なる暴挙をいったいだれがやらせたのか? 習近平さんではありません。胡錦涛さんではさらさらありません。アメリカと仲のいい中国人。

 北のミサイル、中国の領空侵犯のコンビネーションはいったい、だれが、なんのために? 韓国はなにもしませんよ。日韓スワップ協定を結んでもらいたいかんね。

 アメリカはほくほくでっせえ。これでオスプレイも戦闘機も日本は買う気になる。憲法9条も改正できそうやで。TPPを強要しても断れないでえ。。。とね。

 忘れてならないことは1つ。いま、日本はアメリカ抜きで中国と対決して勝算はあるのか、という正確な分析ですな。蛮勇に任せて「覚悟」を見せつける方法もありでしょうが、それでは「日本を取り戻す」どころか、「日本を失い」「日本を亡ぼす」ことにもなりかねませんな。
 中国が行動に移したくても移せない準備をしているかどうかですな。

「アメリカの核の傘があるじゃん?」

 そんなものどこにあるんかいな。北朝鮮のミサイル発射がわかっていてさえとぼけた振りをし、北朝鮮に対して強い非難行動にすら出ない同盟国なんぞ信頼できるんかいな。
 アメリカはイランに対する態度と180度異なり、北に対しては中国にお任せ。で、中国は北擁護のためにのらりくらりと、しかしはっきりと拒否権を発動するでしょう。
 
 アメリカをあてにしても、最後の最後で裏切られてバカを見るのは日本国民です。実際に裏切られて痛い目に遭わなければ気づかない。それが日本人の平和呆けであり、おっとりとした国民性なんでしょうな。

 かつて江戸幕府では、スペイン、ポルトガル船の来航禁止。つまり外交打ち切りという挙に出たことがありました。ふつう、こういう態度に出れば軍艦を差し向けられるのが常識。では、このとき、幕府は海軍力を増強したでしょうか?
 とんでもない。やったことは真逆のことです。
 300トン級の軍船がざらにあった時代に、50トン以上の船の建造を禁止したわけ。相手がどんな行動に出るか吟味することなく、「一方的宣言」で片がつくと考えてしまう国民性は300〜400年経っても変わりませんな。

 ベストの政策は、まずはアメリカにはけっして届かない核兵器を保有すること。けど、その発射ボタンをだれが持つのか? あの党首連中のだれかが持つと考えたら・・・ゾッとしますな。

 国家国民レベルの自爆テロになりかねませんな。

 こまったこまったこまどり姉妹。まいったまいったマイケルジャクソン。しまったしまった島倉千代子、でございますな(吉本新喜劇、島木譲二さんのネタ)。

 私の最新刊『世界経済が沈んでも日本は必ず繁栄する 日米従属同盟の終わり』にはこんな裏情報を山ほど書きました。よろしくね。