2013年05月28日まあ、下値12000円くらいじゃね?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 日経平均株価ですが、5月23日に15900円台に乗せたものの、4日後には14142円は大幅反落。

 なんと1758円(▲11%)もの下げ。夜間の先物市場ではさらに400円下げ。で、日経新聞は「一時的な調整局面」、朝日新聞は「暴落」とそれぞれ報道。

 株式売買はいまや60%が外人さんですね。日本人株主は多くが市場から離れているし、ここまで上昇する間に売ってしまいましたからね。

 そもそも外人さんは売るために株式を買ってるわけでね。しかも5月と11月はむかしからヘッジ・ファンドの決算期でしょ。利益確定売りで株価は下がるし、金相場だって下がりますわな。だから「一時的な調整局面」ですし、11%もの下落率を考えれば、たしかに「暴落」ですわな。

 安倍政権は3月に日銀総裁を前倒しで辞任してもらい、異次元の量的金融緩和を断行する「クロダミクス」によって為替を円安に誘導し、株価を高め、金利を低下させて、日本経済を回復させる、という政策に大きく舵を切ってきました。おかげで昨年末からの急激な円安&株高となってますが、この間、日本企業が完全復活したわけではありません。

 すべては「異次元の金融緩和宣言」による円安期待です。

 外人さんが主役の日本市場では、円高になれば株安になり、円安になれば株高になるわけで。しかも菅直人と野田佳彦という史上最悪政権の反発効果という側面もありますわな。谷深ければ山高しでんな。

 12000円あたりまで下がったところで、あの連中がやってた時よりは5割も高いんだからさ。欲張りすぎなわけ。ま、参院選とドイツの首相選挙の後でしょうな。

 一方、長期金利はいったん史上最低金利を次々に更新したあと、逆に上昇。こんだけ量的金融緩和をしてきてるにもかかわらず、低下していた長期金利が再び上昇(5月23日に長期金利は1年2か月ぶりに1%超)。金利が上昇すれば景気にはマイナスになるばかりか、為替では円高圧力。

 で、この要因ですけど、バーナンキがこれから静かにドル高へとシフトすることを市場が読み込んでるからでしょ(この点については6月末に出版する本に書きました。『世界経済が沈没しても・・・』の第2弾ね)。アメリカの量的緩和のフェイドアウト。いずれ明らかになると思いますから宣言しときましょう。

 するとどうなるか? ダウ暴落。米国債暴落(金利急騰)。日経平均株価暴落。けど「異次元の量的緩和」で円安。たぶん日銀は価格暴落の米国債を押し売りされちゃう。そう、これがクロダミクスの正体です。

 ま、売れないからね、こんなもの。でも安倍さんは国防軍と核兵器を持つ日までじっとガマン。200兆円くらい米国債を買ってやれば核兵器持たせてくれる? 甘いな。北朝鮮やイランなど問題にならず、中国やロシアより怖い日本に核兵器を持たせるわけがありません。
 
 アメリカは日本に助けられて米国債価格上昇(利率下落)。ダウ上昇。で、日経平均株価は円安とのダブル効果で上昇。

 で、タイミングはいつ? 「いまでしょ!」・・・とはならんわな。ま、わかるでしょ、これだけ言えば。


 さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『金融ワンワールド 地球経済の管理者たち』(落合莞爾著・成甲書房)です。詳細はこちらからどうぞ。