2014年07月03日集団的自衛権について。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 集団的自衛権に関する議論でメディアの報道はおもしろいですな。笑止千万つうのはこのことでしょう。国会、官邸周辺のデモはわずか1000名。香港のデモなんざ51万人でっせ。720万しかいないのにさ。あまりにもくだらねえことで騒いでるので外国人俳優についての云々は明後日にさせてもらいまっさ〜。

 さて、どの報道を視聴しても、「わが国」または「わが国と密接な関係にある他国(=アメリカ)に対する武力攻撃」があった場合、ときの政権が「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由などが根底から覆される明白な危険がある」と判断すれば、個別的自衛権、集団的自衛権、集団安保を区別せず、憲法上、武力の行使は許される、つうことに対して、ケースとしてあげてるのは、アメリカが他国と武力紛争状態にあると自衛隊が出動することになって日本はしたくもない戦争に巻き込まれちゃう。

 こればっかしですね。では、次の場合はどうしましょう?

 中国が内戦あるいは内乱になる。北朝鮮と韓国が戦争になる。こうなると、アメリカは自国民の保護と救出のため、少なくとも中国と朝鮮半島に米軍を出動させますよ。もちろん攻撃されたら反撃します。あの弱腰オバマ政権下の司令官でもそうしますよ。

 さて、日本はどうなるのでしょうか。たとえば中国に在留する14万人の邦人はどうなるんでしょ? はい、見捨てます。自己責任で帰ってこい、です。

 だって、しょうがないじゃない。自衛隊には他国に出動する権限はありませんもの。非武装地帯でもなんやかんや大騒ぎしとったでしょ。憲法のみならず周辺法、自衛隊法でも、自衛隊の行動は一貫して縛られてきました。「シビリアンコントロール」つうヤツですね。

 アホかです。シビリアンコントロールの意味を知らんのでしょうね。政治家とか防衛庁で法律をこねくりまわしてる連中に戦争、戦略、戦術のシナリオが描けますか? 政治家がすべきことは戦争になる前に政略で国益を死守することでしょうが。。。

 ことほど左様に自衛隊はがんじがらめなんです。あれをやれ、これをやれ、というボジティブリストでね。「これだけはやっちゃダメ。あとは現場の判断に任せる」というネガティブリストではないんです(ぜひ「しないことリスト」を導入してもらいたいものですな)。

 1979年に起きたイラン革命の二の舞になりますな。あのときも政府が頼んでも民間機は飛ばない。そりゃそうですよ。「自衛隊機が飛ばないのにどうして民間が?」ですわな。自衛隊はまったく動けませんでした。
 で、最後の最後はトルコ航空に助けてもらいました。それを知ってる人はたくさんいるでしょうが、実は、その前に取り残された多くの日本人はパンナムに助けてもらっていたんです。最後の最後はやっぱアメリカですか。。。

 『』に詳しく書きましたけど、97年、カンボジア戦争で邦人440人の救出が問題となったときもそう。当時の首相は気取り屋の橋本龍太郎さん。で、航空自衛隊C130輸送機3機をタイのウタパオ海軍基地に派遣したの。けど、邦人を輸送することなく、則、撤収。1人も救出できませんでした。もちろん、在留邦人は政府を非難しましたよ。

 一方、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、アメリカ、オーストラリアは武力衝突直後に空軍を派遣する準備態勢に入っていました。法律が完備されてましたからね。タイ空軍はカンボジア当局者から早い段階で着陸許可を取りつけ、8機の軍用輸送機を閉鎖中の空港に派遣してタイ人850人を救出してます。

 そればかりか、邦人救出もしてくれたのよ。

 橋龍さんはどうしたか? 自衛隊機は民間機が運行を再開してから救出に向かったわけ。世界中からバカにされましたよ。自衛隊の皆さんは米軍はじめ世界の軍人と会う機会が多いですけど、恥ずかしかったでしょうねえ。

 あんたら軍人? それともそこらへんの木っ端役人?
 
 隣国が非常時にあるとき、日本人の生命と財産が冒される可能性は高いと思います。このとき、法律が整備されていないから、自衛隊機は飛ばせない。だから民間機でよろしくね、という話が必ず蒸し返されます。問題は民間機が飛べない(飛ばない)と判断された瞬間、日本には「救出機」がなくなります。
 政府専用機は収容人数350人、2機保有してます。C130H型輸送機は収容人数90人、15機あります。輸送艦「みうら型」は収容人数200人、3隻あります。「おおすみ型」は収容人員1000人です。ヘリ搭載もできます。オスプレイは空中給油すれば中国大陸にもノンストップで往復できます。

要は能力云々の問題ではなく、「救出しよう」とする意思と「救出できるようにしておく」仕組みの問題なんすよね。いま、決断を求められているのは政治です。「いままでのままでいい」とする平和ボケに命を委ねることはできません。まして、中韓、北朝鮮が大好きな民主党には任せられるわけがありません。これ以上の不作為の罪はカンチョクトさん限りにしてもらいたいものです。

 もしアメリカが中国、朝鮮半島で、日本人を救出しているとき、「わてらあかんねん。あんたらが押しつけた憲法があるよってな。ま、こういうときのためにようけ用心棒代はらっとるんやさかい、あんじょう頼んまっさ。ほなさいなら」と民主党の海江田はんや共産党の皆さんは言うんでしょうな。

 私が米国司令官ならば、「ほな、いまここで全額返すけえ、おまんらでやりいな」「うちの若いもんの命をなんやと思うてけつかるねん」と答えるでしょうね。

 3.11でたくさんの人命を失いました。「見殺しにした」と自らを責めているご遺族はたくさんいると思います。津波や原発事故はあまりにも突然でした。しかし内乱や内戦も突然だと思いますよ。中国だけで14万人の日本人です。航空会社は即閉鎖します。限られたチケットは奪い合いでしょう。だれが助けるのでしょうか。やっぱり見殺しでしょうね。

 いまどうして急いで法律を準備しているのか? いまそこにある危機だからでしょう。歴代政権はいまのいままで現実味がないものだからまったくスルーしてきました。現実は平和ボケが考えるよりも早いかもしれません。

 でも当事者は自衛隊ですよ。自衛隊の皆さんが可哀想。このままだとアメリカの戦争に巻き込まれちゃう。

 他国が勝手にやってる戦争に巻き込まれることはありません。問題は日本人の命が危険にされされるときです。だから、そのように「明記」しているわけです。

 いざというとき、日本には自衛隊しか救出に行けません。しかし彼らの行動を担保する法律がありません。泥縄でこれから個別法を準備しようというわけです。

 外交があるでしょ? 外交は武力を背景にした交渉のことです。学級会じゃあるまいし、怖くもない相手の言うことなど聞いてくれる相手ですか? 米軍なき後、ベトナム、フィリピンに対する行動を見ればおわかりでしょう。

 自衛隊が可哀想? この言葉を聞いてうれしがる隊員がどれだけいるでしょう。「防衛のプロを自負する隊員を舐めないでもらいたい」と怒るのではないでしょうか。プライドがあるならね。

 「火事は危険ですから離れていたほうがいいですよ」と消防隊員に言ってるようなものです。「危ない連中が多いからパトカーから出ないほうがいいよ」と警察官に諭しているようなものです。プロをバカにしていることに気づいていません。

 もはやアメリカは戦争するだけの金がありません。他国の防衛など勘弁してほしいのです。戦争ほどコストがかかるものはありません。だからイラクから逃げ、アフガンから逃げ、来年は韓国から逃げ、沖縄を除く日本の基地からも撤退したい。
 運良くシェールガスで儲かるようになれば第5艦隊も撤退させたい(事実、第5艦隊は第7艦隊が飲み込みますよ)。これが本音です。

 いまアメリカが中東から輸入している原油がどれだけかご存じですか? 1割もありません。いらないんです。ならば、なぜ、マラッカ海峡を防衛するのか? 日本のシーレーン防備のためですよ。

 日本の憲法なんて外国人はま〜〜たく知りません。こんなお題目を信じている平和憲法信者のことを「平和ボケ」というんです。
 ものごとはシンプルに考えたほうがいいかもしれません。中韓がいやがるならどんどん進めればいい。朝日新聞が叩くならゴーが正解。私はそう考えています。


 さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『日本人のための「集団的自衛権」入門』(石破茂著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。



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