2015年03月01日「清作の妻」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 今日はスピ研です。。。メンバーはよろしくご参集ください。。。なお4月の「京都花見&舞妓haaa〜nツアー」は締め切りました。満杯でございます。新潟、金沢の芸妓が最高じゃったけん、舞妓はんにも頑張ってもらいまっしょ。。。金沢芸妓の素囃子は芸として最高じゃもんなあ。


 う〜ん。重たい。重たい。実に重たい。。。

 これ、新都市ホールで観た映画です。90分しかないの。けど、10時間くらい観てたような感じ。冗長だからではなくてね。詰まってるんだよな。ぎっしりと。大切なことが。

 時代は、日露戦争前後。あの203高地に死体の山を築いた戦争ですよ。一本調子の作戦でね。児玉源太郎元帥が怒って、参謀次長に自らを格下げして現地に赴いて指揮。28センチ砲を東京要塞から移設して旅順を落とします。

 戦争に行くことは死ぬこと。周囲も死んでこい、と送り出した時代ですよ。

 どうします? 愛する夫が戦地に行くことになったら?

「ちょうどよかった」
 ちゃうちゃう。倦怠期の夫婦ではなくて熱々のカップルだったら、つう話。
 
 この主人公、つまり、清作の妻は、怪我で戻ってきた夫が傷をいやすと、「もう一度旅順でご奉公してくる!」といってきかない。周囲も「今度こそ死んでこい!」と囃し立てる。

 今度は必ず死ぬ。清作の妻は確信します。で、どうしたか?

 ま、そっから先はDVDでも観てちょ。ネタばれは野暮だわな。


深キョンにやらせてみたい。原作では「肉感的な女」なんでドンピシャのはず。

 清作は村一番の模範青年。評判の男。なんでも一番。御上からも表彰される青年。

 正義感が強くて、「あばずれ」と村八分にする女も分け隔てしない。家族を養うために60の因業オヤジの妾となった女に心惹かれます。そして一緒に暮らします。

 古い村。閉鎖社会。因習。嫉妬。噂。エゴ。貧困。。。そして戦争。息が詰まりそうな空間と時間。その中のエロチシズム。

 バカで一途な女を演じているのが若尾文子さんでしてね。生真面目な青年役は『紀ノ川』にも出演してた田村高広。監督は増村保造。若尾さんが20作品くらいとってる監督ですわな。

 原作では2人とも死にます。けど映画はちがうの。『女は告白する』と並ぶ最高傑作ですわな。

 今回もトークショー付きでね。司葉子さんは洋装でしたけど、若尾さんは和服姿。81歳かあ〜。いつも観られる商売しとる81歳はちゃいまんなあ。司さんも八千草薫さんも81歳。化粧とったら? う〜ん。それでもねえ。。。

 で、これ観た後、渋谷のガード下で某編集長と一献。すっかり映画談義。で、いつの間にか大原麗子の話ばっか。そうだよなあ。私らの世代だとダントツ人気でしたもんね。。。

「寅さん、泣いてもいい?」
「うん、うん」


O編集長は最近DVD購入したらしいっす。

「あなたが悪いのよ。あなたが意気地なしだから」

 一度でいいから聞いてみたい言葉でございますなあ。。。「少し愛して、長〜く愛して」の大原麗子の声でっせ〜。たまりまっしぇん。

『居酒屋兆治』持ってたな。探して観てみましたよ。ああ、これこれ。忘れもしません。28年前、涙が止まらなかったもん。どのシーンかつうと、小松政夫さん演じるタクシー運転手が妻の葬儀で兆治に金属バットを置いてる理由を話すとこ。つくづくわかる。あの頃、同じような状況でしたから。。。

 81歳の大原麗子。観たかったな〜。。。