2015年10月27日習近平訪米の本当の狙い。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 最初に言っときますけど・・・満を持して、中島孝志の「黄金の卵を産む!ピーピーぴよこちゃん倶楽部」をいよいよ来年1月から開講します。
 で、左欄にある「奇妙なバナーを何度クリックしてもダメ」つうメールをたくさん頂戴しておりますが、これ、デザインを貼り付けただけでして、11月1日午前零時にアップすることになってまんねん。しばしお待ちを。。。
 なお全国の原原で「予約します!」と口頭で伝えてくれたメンバーもメルヘンよろしくね。メーリングリストつくりますから。


 わざとローマ法王と訪米時期をぶつけられ、散々な目にあった習近平さんですが、英国ではやんやの待遇。エリザベス女王の覚えめでたく、キャメロン首相にいたっては「三跪九叩頭の礼」で迎える始末。

 習さんも始終ご機嫌だったでしょう。ま、7兆4000億円も差し出せばこんな扱いも当然。詐欺で儲けようが麻薬で稼ごうが金は金。金さえ出せば王様扱いしてくれるのは客商売なら当たり前。「クラブ英国」はちょいと上品なホストとホステスが鎮座してたってことですな。

 巷間、習近平さんはビジネス訪問団を引き連れて、GoogleなきあとのIT業界に大盤振る舞い。その勢いで「サイバー攻撃」「南シナ海問題」「米国国会での演説(断られて国連のそれに変更)」とテーマは絞られてましたね。

 で、米国内にいる人民へのお披露目もあったでしょうが、こんだけでわざわざ来ますかね。ホントの狙いはちがうんじゃねえの?

 「利上げしないでね」

 これでしょ? これ。で、「さあ、どうしよっかなあ」とオバマは回答したんじゃね?

 人民元の上限金利撤廃で大騒ぎしてますけど、こんなもん、3月に決まってたことでしょ。「11月頃に撤廃しますけん」と周小川さんが話してましたもん。。下限は2013年7月に撤廃済みですしね。
 「いよいよ中国は世界2位のGDPにものをいわせてIMFのメジャー通貨入りを決めた!」とメディアは一斉に報道してますけど、基準金利なんてまだあんでしょ? どこが自由化なのよ。。。

 利上げしたらとうなるか? ドル高円安が急加速します。130円突破してもおかしくありません。けど、こういうイベントショックがあると必ずいったんは円高に振れるのよ。世界中が円キャリトレードしとるもんでね。

 じゃ、どうなるの? 中国が生きられるのは日本とアメリカのおかげでしょ? そうそう、それをようやく悟ったから、習近平は安倍さんとオバマに三拝九拝しとるわけ。

 利上げしたら・・・中国経済は即死します。習近平訪米の最重要テーマは「利上げは無しよ!」です。

 ちょっと回り道します。結論は最後ね。


日経10月19日朝刊

 いまの世の中、英国のスポンサーは中国でございます。ちっと前までは、この二国は犬猿の仲。日本以上に不倶戴天の敵・・・であるはずなんだけど。

 だって1840年のアヘン戦争で結んだ南京条約で香港は割譲され、1860年の北京条約(アロー号戦争)で九龍半島南端が割譲されたわけ。これらの緩衝地帯が新界。で、99年間租借すると決まったわけですね。

 で、97年7月1日に返還。けどね。返還するのは新界のみでよかったの。香港と九龍南端は英国のものなんだから。そしたら力づくでも返してもらおう、と中国がすごんだのね。で、老いぼれの英国は喧嘩せんとこ、と引いちゃったわけ。

 でも、「1国2制度」を50年間は続けてね、と英国は中国に約束させたんですけど、そこはほら、自分のモノは自分のモノ、他人のモノも自分のモノという中国人特有に考え方で、「そんなこと知らないよ。もうやめたかんね」と言い出したわけです。そしたら、香港人が怒って傘を広げたっつうこと。私ゃ香港人が全員ヤクルトのファンになったのか、と思いましたよ。

 英国はどうして中国に優しいの? 不思議、と思う人が多いけど、別に優しいんじゃありません。
 世界中で植民地を貪っては現地人を何千万人も殺して、いまなお、その「あがり」を上納させてるガリガリ亡者が人に優しくなるはずがありません。

 金の切れ目が縁の切れ目。AIIBにしても、先進国の言い出しっぺなら、資本金をドイツより出したらどうよ。韓国レベルでしょ。これは中国と打ち合わせ済み。「見せ金」「サクラ」ですわな。
 だってビンボーなんだもん。中国から生活保護打ち切られたら生きていけないもん。製造業はとっくにバンザイしちゃったし。ジャガーもミニもレンジローバーも消えちゃったし、シティはご存じのようにウィンブルドン。

 お里は海賊国家ですから。自分で汗して働かないの。いっつも他人のふんどしで相撲をとるわけ。で、謀略大好き。なんかいいカモいないかな、といっも探してるジゴロ国家。

 キャメロンなんて男、ダライ・ラマが訪英したあと、中国大使館からクレームが付くと、「チベットは中国の一部です」「英国では小学生から中国語を必修にします」「英国はヨーロッパで中国のいちばの理解者になります」と宣言しちゃったもんね。

 中国よりお金くれたらそっちに尻尾振りまっせ。。。紳士的にね。中国にしても、利用できる国が英国と韓国しかないわけ。情けないねえ。


同7月5日朝刊

同10月18日朝刊

同9月8日朝刊

 中共政府があがけばあがくほど泥沼になってるわけで。。。資本主義世界でいちばん重要なものは「信用」つうことを知らんのだろうな。そもそも。 「信用」を失った市場からはすたこらさっさと逃げだしますわなあ。

 2010年から、中国はバブルがはじけますよ、大変なことになりますよ、と言い続け、ヨーロッパの金融危機が明らかになった11〜12年にはカウントダウン。本でも詳しく書きましたけど、ようやく「常識」「定説」となってきたようです。

 どうしてこれだけ騙され続けることができたのかといえば、アメリカが裏書きしてたわけでね。腐っても基軸通貨。これは大きいですよ。人民元相場は米ドルに張り付いてました。QE123を展開すれば人民元(途中から円)が引き受けてきたわけです。そうなりゃ量的緩和と同じ効果。バブルにもなりますよ。

 けど、アメリカは2013年の終わりから、つまり、安倍さん登場あたりから、中国から日本に乗り換えます。たぶんGSとかFとかは先刻承知(だれが中国に投資させたかはこの際置いといて)。賞味期限切れと判断したんでしょう。

 金融界のルールは世界共通です。雨が降ったら傘を取り返すこと。雨がやんだら傘を差し出すこと。これ以外ありません。


同10月21日朝刊
 中国の統計ってインチキですからね。

同9月21日朝刊

 李克強首相自ら遼寧省主任(トップ)だったときに、「中国のデータで信用できるのは3つしかありません。鉄道貨物輸送量、大手金融機関の融資残高、そして電力消費量です」と断言してたほど。この中で融資残高は削除せんとあかんわな。

 とにかくデータがいい加減なわけです。というのも、共産党という組織の構造的欠陥ですが、下部組織から上部組織へは「いい情報」しか伝わらない、という法則があります。でないと、飛ばされちゃうからね。つまり、利権にありつけなくなるわけです。組織全体で粉飾決算してるんですから信用できるはずがありません。

 李首相は先刻承知だったわけです。まあ、GDPをつくってるのは生産者でも消費者でも外資でもなく国家統計局ですからね。


同10月12日朝刊

 でね、メディアは中国危機でかなり悪影響があるあるある、と報道してますけど、爆買いは続きます。つうか、原原でもお話しましたけど、11〜12月の百貨店、薬局、量販店等々の「爆買い御用達業種」は過去最高の売上と利益を計上すると思うな。いまのうちに人民元を換金しとこうってね。銀聯カードも持ち出し制限が課せられましたけど、上に政策あれば下に対策ありの民族性ですからなんとかするでしょ。上限だけですからね。毎日使える金額はいままで通りですから大丈夫。。。


同8月13日朝刊

 「日本経済は大丈夫でしょうか?」つう心配性の人がいますけど、このデータ、日本の新聞なんすけど、原原で説明してる通り、「OECD付加価値額」で計算すると、中国との貿易がゼロになっても痛くも痒くもありません。困るのは貧困国=アメリカの庶民くらいです。

 日本はアメリカのお金持ちを相手にすればいいわけです。事実、そうしてきました。ジャパンブランドを買えるのは世界でも金持ちだけですよ。もう日本はそういう国になっちゃったんです。

 でね、利上げの話です。「雇用が改善してないし、ちょっと利上げはムリじゃね?」「FRB理事の間でもバラバラっしょ?」「迷ったらやめとこ」・・・90パー利上げはできない。けどさ、利上げしたくなくたって利上げに追い込まれることってありますわな。

 私、その可能性低くない、と判断してます。原因は? そして利上げに追い込まれる理由は?
 それは原原でお話しましょう。今日はそうとう書き過ぎちゃいました。「サービスし過ぎ!」とメンバーから叱られます。ホントにそうなのよ。

 まあ、ここまで書いたらわかるでしょ。


同10月26日朝刊

 結論・・・習近平さん、外貨不足になるのわかってるから、なんとしても人民元をIMFのメジャー通貨に昇格させたい。ラガルドはその気満々。フランスなんてドイツから小会社扱いされて影薄いもんなあ。
 ドイツにしても世界最大の工場を中国につくっちゃったベンツ。そしてVW。あまり中国に肩入れするからアメリカに刺されちゃった。盗聴してるんだからアメリカはとっくにVWのスキャンダルはつかんでましたよ。あとはリークのタイミングだけ。

 独仏英の落ち目3兄弟はここで中国に破綻されたら困るでしょうなあ。連鎖倒産でユーロ崩壊ですよ。だから金融再緩和せざるをえなかったわけでね。

 で、3兄弟揃ってメジャー通貨へと後押ししてたわけね。昇格したら、いざというとき、SDR使えるもんなあ。でもって、被指定国から通貨を引き出そうってハラ。。。つまり、中国は英国に金出してセイフティネットづくりを手伝わせていた、ってわけです。

 いざというとき、スポンサーは・・・日本円でしょ。アジア通貨危機のときだって、IMFに金がないから日本が肩代わりしたんだもんね。それと同じ。

 習近平の狙いはこれです。これ。ユーロにしても、中国通貨危機のとばっちりを受けたくない。ならば排除するより入れちまおうってことです。

 ポンド? あんなもん、なんの力もありません。

 つうことで、11月2日に予定されている韓国大統領との首脳会談では、安倍さんは譲歩する必要はこれっぽっちもありません。官僚は意固地ですけど、背に腹を換えられない崖っぷち大統領はもう悟ってる、と思いますよ。

 安倍外交の完全勝利です。


 さて、今日のメルマガでご紹介する本は「2016 長谷川慶太郎の大局を読む 前半」(長谷川慶太郎著・徳間書店・1,728円)です。