2016年08月11日お盆ですな。。。

カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」

 まあ、墓参りが趣味なようなものでして。月に3〜4回は参ってまして。神社仏閣参りも同じですね。

 で、いよいよお盆です。もち、今朝から菩提寺に参るつもりです。

 お盆。。。東京と地方では季節感も違うみたいでね。だいたい7月が多いのかな。地方の場合は、都会に働きに行ったこどもたちが盆休みで実家に戻ってくる8月15日前後というケースが多いのではないでしょうか。

 13日に迎え火、16日に送り火。五山の送り火もそうですもんね。

 送り火は16日午後8時から東から5分ごとに点されるようですが、松ヶ崎村の「法」と「妙」にご注目ください。火の勢いが違いますから。また、消し方も違います。

 ここは、桓武天皇が都を開く時、平城京から優れた農作を引き連れてきた処らしくてね。比叡山のお膝元であるにもかかわらず、のちに日蓮宗に一斉改宗。それを喜んだ実眼上人が踊ったのが、日本最古の盆踊り「題目踊り」でしてね。

 「法」「妙」にしても、家運を火で占うほど大事なもののようで、ここだけは地域のための送り火ですわな。左右大文字、船形、鳥居形とは点し方もかなり違うことにご注目ください。

 さて、「お盆」つうのはもちろんサンスクリット語の音写です。「ullambana=盂蘭盆会」の略ですわな。亡者救いの仏教行事がいつの間にか、日本古来のご先祖様の魂鎮めと習合されたようでして。

 ま、先祖供養ですな。

 ご先祖様の霊魂を「精霊」といいますが、京都では「おしょろいさん」と呼んでますな。きゅうりとなすに楊枝を刺して、馬と牛。つまり、精霊馬、精霊牛に乗ってもらってご先祖様を送迎するわけで。早くお迎えしたいから馬を使い、ゆっくりお送りしたいから牛を使うなど、いろいろ考えてますな。

 精霊蜻蛉もご先祖様のお里帰りですから、お盆の間は虫は捕らない。これが習わし。


 さて、六道まいりに行ってきました。去年、原原メンバーをお連れした六道珍皇寺です。


この世とあの世の境目=六道の辻に位置します。小野篁が冥界に通った井戸(非公開)でも有名ですよね。

 現世と冥土を行き来して閻魔王とも交流したというのが小野篁です。




 「水塔婆」に戒名を書いてもらいます。迎え鐘をつきます。先祖の霊が宿る高野槙の枝を持ち帰ります。


 閻魔堂(篁堂)がありまして、弘法大師、小野篁、閻魔王が祀られています。公開されています。閻魔大王は迫力ありますよね。

 つうことで、実は、この前に千本えんま堂(正確には引接寺ですけど)に参ってきたんです。やはり、水塔婆を書いてもらい、迎え鐘をついて、ということです。






あまりよくわからないかもしれませんけど、中央に閻魔大王(ご本尊)、そして左右に司命尊と司録尊が置かれています。

 誤解されてるようですが、閻魔大王は地獄の管理人ではありません。亡者が極楽に行くか地獄に落とされるか、それを審判する。つまり、裁判長なわけ。で、脇に書記と命令する役を従えているわけでね。えんま帳つうのはここから来たわけです。

 では、どうやって亡者の罪業を見抜くか、つうと、「浄玻璃鏡」を使うわけ。これ、閻魔王庁に置かれてましてね。生前の一挙手一投足がすべて鏡=プロジェクターに映し出されちゃうのよ。「この野郎、ウソばかりつきやがって」とバレちゃうわけ。困るなあ、ホント、困る。舌何枚あっても足りないわな。。。

 ホントは、自分にウソはつけないわけで、反省反省反省、感謝感謝感謝、つう浄玻璃鏡をだれもが持ってるわけね。使うか使わないか、の違いなのよ。

 夜は万灯会。清水寺、六波羅蜜寺、壬生寺・・・ですかな。


壬生寺です。この近所に4年住んでました。周囲の風景はすっかり変わってましたよ。


 これからですと、化野念仏寺かな。奈良時代から続くものでしてね。化野は鳥辺野、蓮台野と並ぶ京の葬送地ですわな。8000もの石塔石仏に灯明を捧げるわけでして。ホントに万灯会なわけですよ。

 原原メンバーには声を掛けようかと思いましたが、大阪の打ち合わせがいつ終わるかさっぱりわからんわけで、突然、「そうだ、京都行こう。」となったわけでして。ま、この季節、忙しいよね。一人でぶらぶらするのがいちばん気楽だわな。。。