2017年05月13日角栄の知恵その1・・・トランプのごり押しをどういなすか?
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
南朝鮮=韓国の新大統領が決まりました。ま、いずれ。スルーしてもええんやけど。
THAAD配備10億ドル負担について、トランプ大統領は韓国側に負担させる意向を見せてましたが、とりあえず米国側が負担する方向に落ち着きそうですね。
昨年の対米貿易黒字額は自動車関連526億ドル(5兆8400億円)を中心に689億ドル(7兆6500億円)。中国に次いで2番目。アメリカからしてみれば、自動車関連を中心にこれだけの貿易赤字を抱えているわけで「いつものように狙い打ち」されそうです。
時は95年。場面は日米貿易摩擦。当時、アメリカ政府(USTR=通商代表部)は「日本車の対米輸出に対して高額の関税をかける!」と上から目線で日本政府を恫喝しました。根拠は「対米貿易赤字の60%が自動車だ!」ということ。
アメリカの思惑どおり、日本のマスメディアも協調して大騒ぎしました。メディアはアメリカから宣伝広告費という名目でお金が流れていますから、いつもアメリカ寄りの報道をします。このときもそうでした。絶妙のタイミングで政府を攻撃したのです。
ところが、この数字。事実ではないんです。
そもそも「60%」という数字はなに? 分母は「総輸出金額」です。分子は「対米輸出金額−輸入金額=対米黒字金額」です。だから60%。
でもね、これ、おかしいでしょ。「対米輸出全体の金額」で「完成車の輸出金額」を割るとたった20%。「むやみやたらに輸出してるやんか!」と決めつけられた根拠が吹っ飛んでしまいました。
歴史は繰り返します。トランプはいずれ国境税を日本に課そうと虎視眈々と狙っています。残念ながら、ビッグスリーが揃ってアメリカから労賃の安い外国に移転した後、アメリカの労働者を採用してきたのはトヨタ、ホンダなどの自動車産業を中心とする日本企業でした。
調べればわかります。しかし、わかるから調べない。
自動車産業を潰さないかわりに、THAADを6兆円で買え、という魂胆でしょう。きわめて政治マターなのだとわかります。
アメリカの無茶ぶりは日常茶飯事です。なんでも自分の意見が通る。通らなくても、理がなくてもごり押しすれば通る、と確信しています。結果、日本はいつもごり押しされ続けてきました。ジャイアンに対してのび太は辛いですね。
一昨日、ごちゃごちゃ書きましたけど、69年の日米繊維交渉もそうでした。
宮沢喜一通産大臣(当時)はあくまでも数字を盾に、「貿易摩擦ではありません」と突っぱねましたが、ニクソン大統領(当時)は「ジャップの裏切りだ!」と怒り心頭。佐藤栄作首相(当時)に対して「対敵通商法」を発動するぜい、と恫喝したのです。
通産大臣交代。コンピュータつきブルドーザー田中角栄に変わります。
角栄はニクソンの真意をわかってました。ニクソンの票田は繊維業界。選挙区に戻ってたくさんのスポンサー相手に「日本からの輸入繊維を閉め出して、あなた方の会社を守ってやる!」と大見得を切っていたんです。それを宮沢はゼロ回答。メンツ丸潰れ。次の選挙は落選しかねません。
すべてを理解していた角栄は何をしたか?
まず最初にやったこと。担当する官僚たちの逃げ道を封じること。日米繊維交渉はだれがやってもダメ。すでに3年が空費。失敗すれば出世の道が閉ざされる、つう役人根性を潰さなければ、本気にはなりません。落下傘のように代わる大臣(政治家)のためにどうして出世を犠牲にできるんだ? で、静かなサボタージュ。
「事務次官の両角良彦くんは昭和16年後期の卒業。田中角栄が東大を出ていれば昭和16年前期である」
年次にうるさい官僚にはこれが効くんですよ。
日本のせいで国内産業が大打撃を受けてる、とアメリカは主張してましたが、これは嘘っぱち。だから宮沢は受け容れなかったわけ。けど、角栄の洞察力は問題の本質はそこではない、と最初から見抜いていたこと。
角栄が通産相に就任した翌々日(71年7月7日)、ニクソンは中国訪問を電撃発表。8月15日には日本復興を支えた1ドル360円の固定相場制を破壊。金交換禁止=ドルショック。
ニクソンて男はいまのトランプなんすよ。戦後システム=アンシャン・レジームを破壊するよう、ユダヤ金融資本から指示されてたわけ。つまり、ニクソンが考えてることは繊維産業云々つう小さな話ではない、と角栄は気づきます。
続きは明日・・・。
THAAD配備10億ドル負担について、トランプ大統領は韓国側に負担させる意向を見せてましたが、とりあえず米国側が負担する方向に落ち着きそうですね。
昨年の対米貿易黒字額は自動車関連526億ドル(5兆8400億円)を中心に689億ドル(7兆6500億円)。中国に次いで2番目。アメリカからしてみれば、自動車関連を中心にこれだけの貿易赤字を抱えているわけで「いつものように狙い打ち」されそうです。
時は95年。場面は日米貿易摩擦。当時、アメリカ政府(USTR=通商代表部)は「日本車の対米輸出に対して高額の関税をかける!」と上から目線で日本政府を恫喝しました。根拠は「対米貿易赤字の60%が自動車だ!」ということ。
アメリカの思惑どおり、日本のマスメディアも協調して大騒ぎしました。メディアはアメリカから宣伝広告費という名目でお金が流れていますから、いつもアメリカ寄りの報道をします。このときもそうでした。絶妙のタイミングで政府を攻撃したのです。
ところが、この数字。事実ではないんです。
そもそも「60%」という数字はなに? 分母は「総輸出金額」です。分子は「対米輸出金額−輸入金額=対米黒字金額」です。だから60%。
でもね、これ、おかしいでしょ。「対米輸出全体の金額」で「完成車の輸出金額」を割るとたった20%。「むやみやたらに輸出してるやんか!」と決めつけられた根拠が吹っ飛んでしまいました。
歴史は繰り返します。トランプはいずれ国境税を日本に課そうと虎視眈々と狙っています。残念ながら、ビッグスリーが揃ってアメリカから労賃の安い外国に移転した後、アメリカの労働者を採用してきたのはトヨタ、ホンダなどの自動車産業を中心とする日本企業でした。
調べればわかります。しかし、わかるから調べない。
自動車産業を潰さないかわりに、THAADを6兆円で買え、という魂胆でしょう。きわめて政治マターなのだとわかります。
アメリカの無茶ぶりは日常茶飯事です。なんでも自分の意見が通る。通らなくても、理がなくてもごり押しすれば通る、と確信しています。結果、日本はいつもごり押しされ続けてきました。ジャイアンに対してのび太は辛いですね。
一昨日、ごちゃごちゃ書きましたけど、69年の日米繊維交渉もそうでした。
宮沢喜一通産大臣(当時)はあくまでも数字を盾に、「貿易摩擦ではありません」と突っぱねましたが、ニクソン大統領(当時)は「ジャップの裏切りだ!」と怒り心頭。佐藤栄作首相(当時)に対して「対敵通商法」を発動するぜい、と恫喝したのです。
通産大臣交代。コンピュータつきブルドーザー田中角栄に変わります。
角栄はニクソンの真意をわかってました。ニクソンの票田は繊維業界。選挙区に戻ってたくさんのスポンサー相手に「日本からの輸入繊維を閉め出して、あなた方の会社を守ってやる!」と大見得を切っていたんです。それを宮沢はゼロ回答。メンツ丸潰れ。次の選挙は落選しかねません。
すべてを理解していた角栄は何をしたか?
まず最初にやったこと。担当する官僚たちの逃げ道を封じること。日米繊維交渉はだれがやってもダメ。すでに3年が空費。失敗すれば出世の道が閉ざされる、つう役人根性を潰さなければ、本気にはなりません。落下傘のように代わる大臣(政治家)のためにどうして出世を犠牲にできるんだ? で、静かなサボタージュ。
「事務次官の両角良彦くんは昭和16年後期の卒業。田中角栄が東大を出ていれば昭和16年前期である」
年次にうるさい官僚にはこれが効くんですよ。
日本のせいで国内産業が大打撃を受けてる、とアメリカは主張してましたが、これは嘘っぱち。だから宮沢は受け容れなかったわけ。けど、角栄の洞察力は問題の本質はそこではない、と最初から見抜いていたこと。
角栄が通産相に就任した翌々日(71年7月7日)、ニクソンは中国訪問を電撃発表。8月15日には日本復興を支えた1ドル360円の固定相場制を破壊。金交換禁止=ドルショック。
ニクソンて男はいまのトランプなんすよ。戦後システム=アンシャン・レジームを破壊するよう、ユダヤ金融資本から指示されてたわけ。つまり、ニクソンが考えてることは繊維産業云々つう小さな話ではない、と角栄は気づきます。
続きは明日・・・。