2018年06月26日間違いだらけの米中貿易摩擦報道。。。
ダウが500ドル近く下げ、金価格もツレ安。ならば、為替はと見ると、これが1ドル110円へとドル高円安になったり戻ったり・・・投資家の総混迷が見てとれる展開になってますね。
では、目先の動きにとらわれず、大局観で見てみると・・・。
不思議でなりません。なにが?
どうして上がる銘柄を売ってしまうんでしょ? ふつう、上がる銘柄なら買いますよね? 買わずに売るつうんだから、これは上がらん、と判断してるわけね。
だから、不思議なの。
株価にしても金価格にしても、売り勢力と買い勢力との拮抗点。上がったり下がったりのシーソーゲーム。たまたまある瞬間に止まったポイントが「価格」なのです。だから、こういう価格を「時価」と言います。
なにが言いたいか? 「米中貿易摩擦」についてのでたらめ報道。テレビ屋はしかたないけど、新聞社の経済部はちゃんと見抜かんといかんわな。
世界一の貿易赤字国アメリカが世界一の貿易黒字国中国に対して、「中国はアメリカを過剰に貪っている。国が補助金を与えたり不当に安い値段で販売するなど、アメリカ市場で過剰に儲けている。もっとフェアにやったらどうだ?」「でなければ、報復として大きな関税をかけるぞ!」というわけね。
トランプの主張には一理あります。中国はここ数年、研究開発費が伸びていますが、本来、企業が投資するものを国が肩代わりしてくました。
こんなことは韓国も同じ。本来、企業が払うべき電力コストにしても国民の税金でまかなわれてますもんね。その分、企業コストは低くなりますから安く安く販売できる、結果、日本メーカーは不利になり、シェアをとられる、つうわけ。李なんとかつう大統領のときはウォン安誘導までありましたから、日本の家電メーカーは大変でしたよね。
低価格で世界市場に乗り込んでるからアンフェアだ、つう理屈は十分成立します。日本のメーカーはきちんと電力代金を払って貿易していますもの。
何度も述べてますけど、トランプは金融政策から財政政策に大きく転換しました。FRBから財務省への転換です。具体的に言えば、金利政策から減税政策、インフラ投資政策、レパトリ減税政策そして関税政策への転換です。
そのうちの目玉が関税政策。「鉄鋼25%、アルミ10%」の強制課税に代表されますが、いま、中国、EU、カナダ、メキシコさらには日本も含めて、トランプは世界中を敵に回してます。日本の場合は追加関税の3分の2を解除してもらえたとはいえ、3分の1は解除されてないわけ。
アメリカの関税発表のわずか5時間後に、中国が報復関税を発表すると、さらにトランプは追加関税を発表、つう具合で、「実りのないチキンゲーム」に陥ってます。このままでは米中貿易摩擦は終わりそうにありません。企業収益は激減するでしょう。
ダウが8営業日連続で1000ドル近くも下落しますわな。17年3月以来1年3か月ぶりの出来事だそうで、もし9日連続下落なら1978年2月以来の記録になるところでした。
中国は報復として「航空機」の輸入削減も検討する、と発表しました。そのためにボーイング株が売られたわけ。ダウ平均株価てのは日経平均株価と同じで、銘柄のウエイトで大きく乱高下するように仕組まれてます。
上昇するにしても下落するにしても、いちばん影響力があるのはダントツでボーイング株。
だから不思議でならんのよ。
中国は今後10年間で7800機の航空機が必要なんでしょ。世界中でボーイング以外にこの大きな注文をこなせるメーカーがどこにあんの? 業界2位のエアバスは引き受けられませんよ。つまり、どんなことがあってもボーイングに発注するしかないの。
中国はメンツで張り合ってるだけ。つまり、どんなに売り込まれようと、いずれボーイング株は元値に戻ります。下がれば買い、典型的な押し目買い銘柄。類似の日本メーカーも同じでしょ。
同時にダウも戻ります。なぜか?
おそらく、これからお話することはどのメディアも書いてませんので「初耳」だと思います。先週、名古屋と大阪の原原で講義しました。
米中貿易摩擦つうけど、トランプがマトにかけてるのは「中国企業」ではありません。中国で操業してる「アメリカ企業」なのよ。
中国の国有企業、たとえば、国防総省・米軍で販売禁止としているファーウェイだとかZTE等ではありません。この携帯電話メーカーに嫌がらせしてるのは、ひとえにアップル支援のため。
どうしてトランプはアップルを支援するのか? 「レパトリ減税」にイのいちばんに対応してくれたから。今年2月、アップルは10兆円の内部留保をアメリカ国内に環流する、と発表しました。さらに雇用も積極的に展開するとも約束しました。
この減税は、海外企業が海外でため込んだ内部留保をアメリカ国内に環流してくれたら、本来25%の税金を15.5%にまける、つうもの。アイルランドよりも税率が低いからアマゾンも乗り気でしょ。
トランプは「見返り」としてアジア市場で後塵を拝してるアップル支援を約束したんでしょ。バフェットも先刻承知。だから、アップル株を積み増してきたわけね。
米中貿易摩擦でトランプがマトにかけてる中国企業ってなに?
はい、ボーイング、キャタピラ、3M・・・つまり、中国に進出しとるアメリカ企業をマトにかけてるわけ。
狙いは? 中国の工場など一刻も早く処分して、アメリカに戻ってこい、つうこと。支援はいくらでもしたるでー。けど、もし逆らってこのまま中国で操業を続けるなら、おまえらに大きな関税をかけたるどー、つうわけ。
トランプは米中貿易摩擦を煽ることでダウを暴落させ、時価総額が減るボーイング、キャタピラ、3M等の経営者を脅迫しとるのよ。
♪戻ってこぉぉいぃぃよぉぉ♪
で、米中貿易摩擦のホントの狙いは? トランプが中国からアメリカ企業を国内に戻す狙いは?
はい、「中国製造2025」潰しです。
「中国製造2025」とは、2049年の中国建国100周年までに「世界の製造大国」としての地位を築く、つうもの。いままで中国は潤沢な労働力と低い賃金で衣料品などの大量生産を展開してきました。
しかし、これからは労働構造転換でIT、ロボット、AIを活用した「技術密集型/知能的集合型」にシフトする必要がある、というものですが、狙いは「ダントツの軍事力」を達成することにあります。
習近平の目玉政策なんだけど、失敗したら中国に未来はありません。成功されたらアメリカに未来はありません。だから米中は鍔迫り合いをしとるのよ。
アメリカのハイテク企業をいつまでも中国に置いておくわけにはいきません。というのも、これらのハイテク企業は中国市場に乗り込むとき、技術のディスクローズを条件にさせられてますからね。
パクリ国家中国にこれ以上、ハイテクを盗まれたら、アメリカに未来はありません。このままでは「アメリカ、ファースト」は達成できなくなってしまいます。
米中貿易摩擦において、アメリカと中国を比較すると、少し高く払えば世界中どこからも買えるのはアメリカです。中国の売りは安さだけ。いまや労賃が高騰する中国で製造するメリットは激減。さっさと工場を閉めろ、とトランプは勧めてるんです。
これ、いつものように莫大な原稿料を頂戴してる「投資有料サイト」の連載(昨日の原稿)の前半部分だけ。長いんでここらへんで止めます。金価格と為替については近々お話します。
今日の「通勤快読」でご紹介する本は「 1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる」(リチャード・ボブデイ著・1,512円・シャステインターナショナル)です。
では、目先の動きにとらわれず、大局観で見てみると・・・。
不思議でなりません。なにが?
どうして上がる銘柄を売ってしまうんでしょ? ふつう、上がる銘柄なら買いますよね? 買わずに売るつうんだから、これは上がらん、と判断してるわけね。
だから、不思議なの。
株価にしても金価格にしても、売り勢力と買い勢力との拮抗点。上がったり下がったりのシーソーゲーム。たまたまある瞬間に止まったポイントが「価格」なのです。だから、こういう価格を「時価」と言います。
なにが言いたいか? 「米中貿易摩擦」についてのでたらめ報道。テレビ屋はしかたないけど、新聞社の経済部はちゃんと見抜かんといかんわな。
世界一の貿易赤字国アメリカが世界一の貿易黒字国中国に対して、「中国はアメリカを過剰に貪っている。国が補助金を与えたり不当に安い値段で販売するなど、アメリカ市場で過剰に儲けている。もっとフェアにやったらどうだ?」「でなければ、報復として大きな関税をかけるぞ!」というわけね。
トランプの主張には一理あります。中国はここ数年、研究開発費が伸びていますが、本来、企業が投資するものを国が肩代わりしてくました。
こんなことは韓国も同じ。本来、企業が払うべき電力コストにしても国民の税金でまかなわれてますもんね。その分、企業コストは低くなりますから安く安く販売できる、結果、日本メーカーは不利になり、シェアをとられる、つうわけ。李なんとかつう大統領のときはウォン安誘導までありましたから、日本の家電メーカーは大変でしたよね。
低価格で世界市場に乗り込んでるからアンフェアだ、つう理屈は十分成立します。日本のメーカーはきちんと電力代金を払って貿易していますもの。
何度も述べてますけど、トランプは金融政策から財政政策に大きく転換しました。FRBから財務省への転換です。具体的に言えば、金利政策から減税政策、インフラ投資政策、レパトリ減税政策そして関税政策への転換です。
そのうちの目玉が関税政策。「鉄鋼25%、アルミ10%」の強制課税に代表されますが、いま、中国、EU、カナダ、メキシコさらには日本も含めて、トランプは世界中を敵に回してます。日本の場合は追加関税の3分の2を解除してもらえたとはいえ、3分の1は解除されてないわけ。
アメリカの関税発表のわずか5時間後に、中国が報復関税を発表すると、さらにトランプは追加関税を発表、つう具合で、「実りのないチキンゲーム」に陥ってます。このままでは米中貿易摩擦は終わりそうにありません。企業収益は激減するでしょう。
ダウが8営業日連続で1000ドル近くも下落しますわな。17年3月以来1年3か月ぶりの出来事だそうで、もし9日連続下落なら1978年2月以来の記録になるところでした。
中国は報復として「航空機」の輸入削減も検討する、と発表しました。そのためにボーイング株が売られたわけ。ダウ平均株価てのは日経平均株価と同じで、銘柄のウエイトで大きく乱高下するように仕組まれてます。
上昇するにしても下落するにしても、いちばん影響力があるのはダントツでボーイング株。
だから不思議でならんのよ。
中国は今後10年間で7800機の航空機が必要なんでしょ。世界中でボーイング以外にこの大きな注文をこなせるメーカーがどこにあんの? 業界2位のエアバスは引き受けられませんよ。つまり、どんなことがあってもボーイングに発注するしかないの。
中国はメンツで張り合ってるだけ。つまり、どんなに売り込まれようと、いずれボーイング株は元値に戻ります。下がれば買い、典型的な押し目買い銘柄。類似の日本メーカーも同じでしょ。
同時にダウも戻ります。なぜか?
おそらく、これからお話することはどのメディアも書いてませんので「初耳」だと思います。先週、名古屋と大阪の原原で講義しました。
米中貿易摩擦つうけど、トランプがマトにかけてるのは「中国企業」ではありません。中国で操業してる「アメリカ企業」なのよ。
中国の国有企業、たとえば、国防総省・米軍で販売禁止としているファーウェイだとかZTE等ではありません。この携帯電話メーカーに嫌がらせしてるのは、ひとえにアップル支援のため。
どうしてトランプはアップルを支援するのか? 「レパトリ減税」にイのいちばんに対応してくれたから。今年2月、アップルは10兆円の内部留保をアメリカ国内に環流する、と発表しました。さらに雇用も積極的に展開するとも約束しました。
この減税は、海外企業が海外でため込んだ内部留保をアメリカ国内に環流してくれたら、本来25%の税金を15.5%にまける、つうもの。アイルランドよりも税率が低いからアマゾンも乗り気でしょ。
トランプは「見返り」としてアジア市場で後塵を拝してるアップル支援を約束したんでしょ。バフェットも先刻承知。だから、アップル株を積み増してきたわけね。
米中貿易摩擦でトランプがマトにかけてる中国企業ってなに?
はい、ボーイング、キャタピラ、3M・・・つまり、中国に進出しとるアメリカ企業をマトにかけてるわけ。
狙いは? 中国の工場など一刻も早く処分して、アメリカに戻ってこい、つうこと。支援はいくらでもしたるでー。けど、もし逆らってこのまま中国で操業を続けるなら、おまえらに大きな関税をかけたるどー、つうわけ。
トランプは米中貿易摩擦を煽ることでダウを暴落させ、時価総額が減るボーイング、キャタピラ、3M等の経営者を脅迫しとるのよ。
♪戻ってこぉぉいぃぃよぉぉ♪
で、米中貿易摩擦のホントの狙いは? トランプが中国からアメリカ企業を国内に戻す狙いは?
はい、「中国製造2025」潰しです。
「中国製造2025」とは、2049年の中国建国100周年までに「世界の製造大国」としての地位を築く、つうもの。いままで中国は潤沢な労働力と低い賃金で衣料品などの大量生産を展開してきました。
しかし、これからは労働構造転換でIT、ロボット、AIを活用した「技術密集型/知能的集合型」にシフトする必要がある、というものですが、狙いは「ダントツの軍事力」を達成することにあります。
習近平の目玉政策なんだけど、失敗したら中国に未来はありません。成功されたらアメリカに未来はありません。だから米中は鍔迫り合いをしとるのよ。
アメリカのハイテク企業をいつまでも中国に置いておくわけにはいきません。というのも、これらのハイテク企業は中国市場に乗り込むとき、技術のディスクローズを条件にさせられてますからね。
パクリ国家中国にこれ以上、ハイテクを盗まれたら、アメリカに未来はありません。このままでは「アメリカ、ファースト」は達成できなくなってしまいます。
米中貿易摩擦において、アメリカと中国を比較すると、少し高く払えば世界中どこからも買えるのはアメリカです。中国の売りは安さだけ。いまや労賃が高騰する中国で製造するメリットは激減。さっさと工場を閉めろ、とトランプは勧めてるんです。
これ、いつものように莫大な原稿料を頂戴してる「投資有料サイト」の連載(昨日の原稿)の前半部分だけ。長いんでここらへんで止めます。金価格と為替については近々お話します。
今日の「通勤快読」でご紹介する本は「 1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる」(リチャード・ボブデイ著・1,512円・シャステインターナショナル)です。