2018年10月23日サウジのカショギ謀殺問題で相場はこう動く!・・・かも。

カテゴリー中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記」

 忘れないうちに・・・新潟原原幹事の石田さんよりメール。
「新潟メンバーのみなさま。27日が近づいてまいりました。2次会会場はさすがにそろそろネタ切れかと思っていましたが、古町にできたばかりの新店を開拓しました。
 qualityは前回、前々回クラスです。maxで12席ほど。今回も中島先生を囲んで有意義な時間になればと思っております。
 つきましては、週中をめどに出欠の連絡をお願いできますでしょうか。よろしくお願い致します」とのこと。
 
 前回、前々回つうと早い話が「もの凄い!」つうことでしょ? 噂の新潟原原2次会です。

 さて、いつものように1日遅れで「有料サイト」の連載原稿をすこーし転載させて頂きます。あちらは莫大な原稿料。こちらは無料。1日遅れでもちったー役に立つのでは? なお、11月からスタートする
●手にとるようにすぐわかる! どん底マスター中島孝志の「V字反発する“どん底銘柄 特急便”」はゴールドというより具体的な株式銘柄のオンパとなります。

 さてさて、「先週、ダウ平均株価を1100ドルほど下落させたのは『警告』です。今週が本番のはすです。どうなることやら。今週から来週早々には判明するでしょう。」
 前回の原稿ラストにこう書きました。1週間ずれてますから、先週とは「先々週」、今週は「先週」、そして来週とは「今週」のことです。

 ダウと日経平均株価の推移を見ますと、やはりラッセル2000指数のダラダラ下げが効いてます。本日(昨日の深夜)ダウも日経平均株価も大きな下落がなければ反発し、多少の乱高下はあっても、勢いは中間選挙まで続くのではないでしょうか。



 もし大きく下げたら? ダウ暴落は十分ありえます。

 トランプがいま最重視しているのは、もちろん、中間選挙の勝利です。

 敗北すれば再選は限りなく遠のきますし、上院が民主党にとられれば「ロシアゲート=冤罪」であろうと弾劾裁判に追い込まれる可能性があります。安倍政権同様、高い株価あってのトランプ政権。株価下落、いわんや、暴落は命とりですよね。

 ただし、ここ数日、ダウが下落していたのは決算前後で自社株買いができない、という要因もあります。売上増と減税により自社株買いと配当にまわす原資は激増。7-8割を自社株買いに、2-3割は配当にまわします。
 去年と比較すれば、自社株買いボリュームは35-40%も増えていますから、メジャー市場が盛り上がらないわけがありません。

 メジャーと異なり、中小型株のラッセル2000指数は市場の本音(景気がいいのか悪いのか、消費が強いのか悪いのか)を正確に反映しますから、これが一貫してダラダラ下げ続いてるのは、やはり引き続き「暴落サイン」と勘ぐるべきではないか、と私は思っています。



 メディアが報道するほど景気は良くない。ネット販売にしてやられてるとしても、シアーズ、メイシーズ、JCペニー等、老舗の大量閉店、経営破綻が続くのは、消費の地力が弱いと判断せざるをえません。
 不動産の不良債権も増えています。トランプ自身、かつて、アメリカの不動産を買いまくっていた中国とサウジが資金的に追い込まれていることは百も承知。「利上げ」は資金繰りもとくに不動産ビジネスを直撃しますから、12月の「利上げ」を中止に追い込むのでは、といまなお判断しています。



 金価格がここに来て1230ドルに戻ってきました。ボリンジャーその他のチャートで考えると、これから上昇局面に入りそうです。
 米中経済戦争、サウジ制裁、イタリア債券危機、英国ユーロ離脱暗礁を前に、ようやく「金価格」が戻ってきたという感じです。

 中間選挙については、民主党は共和党の5倍もSNSを多用して戦ってるようです。トランプが勝利したときは民主党の2倍超でした。「下院で負けてもオレの責任じゃないぜ」とトランプは下院敗北を予測しているかのように報道されていますけど、今回もメディアは圧倒的に民主党勝利をアピールしてますが、さあ、これからトランプのウルトラCが出てくるはず。

 「利上げ中止」「減税」等々のサプライズではないか、と思うのですが・・・。 利上げさえ止めれば、株価も金価格も反発します。中立金利を目前にゆっくり上げればいいんです。





 乱高下を不安視する投資家のスタンスは「キャッシュボジション」です。せいぜい中心的な「ディフェンシィブ銘柄」に機械的にスイングしているに過ぎません。
 日米ともにすっかりリスクオフ。その分だけ金価格上昇の追い風になっているともいえます。



 カショギ暗殺にサウジ皇太子が関与しているかどうか、という問題は、トランプにとって大きな「阻害要因」といわれていますが、必ずしもデメリットばかりではありません。



 現在、日本は原油輸入の40%をサウジから輸入していますが、かつて20%も輸入していたイランからの原油がどこまで落ち込んでいるかご存じでしょうか?
 わずか4%です。もちろん、アメリカ大統領の命令によって、日本側が何回も自主規制した結果です。 今回も「サウジ制裁+イラン再制裁」となれば、最悪、トータル44%もの原油輸入先を新たに確保しなければなりません。
 イラン経済制裁で、日本の輸入が増えたのはロシアからでした。今回は? アメリカのシェールオイルでしょうね。



 日本にとっては、アメリカの貿易赤字(7兆5千億円)を原油購入(と軍備増強)で賄えますから、ピンチではなくチャンスといってもいいでしょう。




17年1月の原原講義資料ですよ、これ。

 カショギ謀殺にCIAが関わっていたとは思いませんが、少なくとも「狙われてる!」と知ってたはず。普通は「警告」します。けど、しなかった。なぜか? 世間知らずの皇太子にカショギを暗殺させ、その「決定的証拠」は老獪なトランプとエルドアンが握る。あとは恐喝されて言うなりになるだけ。

 カショギは鴨ネギの典型。あの皇太子はいい気になってまんまと嵌められてしまいました。

 実は、トランプは中東との同盟を離脱したくてしょうがないのよ。かつてニクソンショック時に金本位制を離脱し、金に成り代わるものとしてエネルギー資源=原油に目をつけ、代金のドル決済をサウジに強要しました。サウジは受け容れる見返りとして、正統性などさらさらない「砂漠の商人」から「王室」へと格上げしてもらったのです。

 「あんな石油成金、アメリカが手を引いたら元のらくだ商人だぜ」とトランプは内心バカにしてるでしょ。そのサウジがいまや資源ビジネスではアメリカのライバルですから、今回の「謀略」でサウジのシェアを奪い、虎の子のサウジアラムコを手に入れよう、と虎視眈々と狙っているのでは、と勘ぐっています。

 ただ、いまんとこ、12兆円もの商談(武器売却)が決まってるから、あえて皇太子を失脚させることもないやろ。あんなもん、いつでも辞めさせられまんがな、つうこと。
 
 いずれにしても、商売センス抜群のトランプのことですから、今回のサウジ問題を国益にきっちりと落とし込むはずです。つうことは、ドル円相場はどうなりまんねん。わかりまっしゃろ。


 さてさて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「平和バカの壁」(ケント・ギルバート&ロバート・D・エルドリッヂ著・950円・産経新聞)です。