2019年06月07日8年前の「通勤快読」全オープン・・・「天才になりたい」(山里亮太著・朝日新聞社)
山ちゃんが結婚! しかも相手は蒼井優さん。女優でんがな。
お笑い芸人の地位向上ではありませんけど、さんまさんと大竹しのぶさん、ハンバーグ部長と安達祐実さん、陣内さんと紀香さん、柳沢真一さんと池内淳子(ちょいと古いか)・・・とか。
柳沢真一さんはもともとジャズ歌手。戦後の学生歌手第1号。日劇500日間出演記録は最多。レコード会社3社の勧誘を全て断った。エノケン・ロッパ・金語楼の喜劇御三家から可愛がられ、榎本健一から「二村定一の後を継ぐのはこいつしかいない」「オレの2代目にする」と言われたほど。主演助演で150本以上の映画出演。テレビの声優は『奥さまは魔女』のダーリン役が有名。
共通するのはみなさん離婚してること・・・かな。メディアは今回も「美女と野獣」というワンパの表現しかできませんけど、逆でしょ。いつも。典型的玉の輿だと思うけど。おそらくいままでつきあった男の中で「ベスト&ブライテスト」をモノにできたわけで、先物買いとして上出来ですよ。
せっかくなんで、「通勤快読」で山ちゃんの作品を取り上げてるんで、引用したいと思います。なんと2011年1月26日なのよ。古いなー。
・・・・・・・・ここから引用・・・・・・・・
本を手に取ったとき、いちばん最初にすること。それは、最後の頁をチェックすること。ま、こんな人いないでしょうな。
ここ、奥付っていうのよね。著者のプロフィールとか、出版社の連絡先とか、発行年月日とかが書かれてるとこ。いわば、本の戸籍謄本みたいなもんですな。刷り数もわかりますしね。
やまさと・りょうた。ふ〜ん。やまざとじゃないんだ。やまさとなんだ。
あれれ、なるほど。やっぱり。
それはCのところ。これコピーライトの略でだれが著作権を持っているかということがわかります。なんとYOSHIMOTOKOGYOだって。そうか、印税は会社に入るようになってるのか。
さすがですな。
で、南海キャンディーズの山ちゃんの本。
こんなの出版してたんだ。しかも芸人本らしくない。まとも・・・。
「芸人になりたい」というヤツは2通りにわかれそうですな。
1つは、人を笑わせることが大好き。快感なヤツ。拍手もらう快感てやつ?
もう1つは、「もてたい」から。イケメンでも頭がいいでも野球やサッカーが巧いでもなく、「芸人」という仕事、ちやほやされるしぃと考えるやつ。
けど、ものすごく勘違いしてるのは、どちらも「売れないと話にならない」ということ。
しかし、ここが芸人になろうと考える思考の持ち主なんでしょうかね。オレだけは売れる、に決まってると思いこんでる。
ここですな、ここ。この勘違いがとにかく本物への第1歩であることは真実ですからね。遠慮してたり、オレなんかじゃ、と考えるやつははなから無理。買わない宝くじは当たりませんわな。
根拠レスの自信。これが芸人になるための絶対条件。
で、山ちゃん。私、この人、大好きです。けど南海キャンディーズの漫才は好みじゃない。M-1で準優勝(2004年度)してたなんてはじめて知りました。そういえば、去年末のラストM-1にも出場してたけど相変わらず好きじゃない。
この人、ピンのほうがいけると思うんですよね。頭の回転が速い。日テレ系の情報バラエティ「スッキリ!!」にも影の声として連日出演してるでしょ。あれはいける。
山ちゃん、ビビる大木。上品なMCやらせたら双璧。
ま、とにかく、山ちゃんは「もてたい」というモチベーションだけで芸人になろう、そのためには吉本だ。大阪だ。
で、大阪弁のCD買って練習したり。
「なんでやねん」
「ちがうか?」
「そやねん」
でも、ネイティブの大阪弁聞いたら話せなくなっちゃって。筆談。私みたいなインチキ大阪弁はやっぱニュアンスがちゃいますからね。
もてるために手相教室(手だけは触れるから)通ったり、かっこいいエピソードか欲しいという理由だけでイタリアに行ったり。
そうそう、山ちゃんコンビ2回解消してピン芸人してたときに、「イタリア人」という芸名だったらしいよ。
よくあるように、子どものときから面白かったのか? 少なくとも母親は「やめときなさい。あんたはそんなにおもしろくない」とずばり。スターがもってるような伝説的な武勇伝もなければ、驚くほど話ができるわけでもない。
小学4年のときにコロッケさんがやる千昌夫さんの物真似が好きで、家、親戚という小さなサークルで受けてただけ。
母親がオーディション番組に応募しちゃった。で、合格。並み居る常連を押しのけてね。
オンエア翌日。団地中が湧いた、商店街が湧いた。ま、そこまでなんだけど。
中学、高校、ぜんぜんいけてない芸人だった山ちゃん。1人親友がいたのね。
「山ちゃん、時々おもしろいこというからお笑いやってみたら」
この何気ない会話に納得しちゃう。で、お笑いを目指す。こういう勘違いが人生、決めちゃうのかもね。
で、大阪に行くため、浪人して関西大学を受験。大学2年の時に吉本興業の養成所の面接を受けるわけ。
すでにコンビで来てるヤツ、ダウンタウンを超えると豪語するヤツ・・・NSC22期は600人もいた。
入るとネタ見せ。入学以来ずっとひよこの中でも「MVP」に選ばれ続けてるヤツがいた。
キングコング。
先輩がこぼす。
「全力疾走したらやっと原付バイクのスピードが出せるようになった。そこにいきなりF1レーサーが突っ込んできた」
衝撃はそのくらいすごかったらしいよ。私、ぜんぜんおもろくないけど。
NSCを卒業したとき、大学4年だった。
コンビを2回解消した。いずれも山ちゃんがネタをつくり、演出を考え、指導する。
「笑いはオレが取る。おれにはできないこと。たとえば、人気。それを相方に求めた」
だから、いつも相方はイケメンを探した。なんか変な関係。。。
相方はいいやつばかりだった。けど、結局は独りよがりの山ちゃんについてこれなくなった。
笑い飯。
千鳥。
バッファロー吾郎さんのイベントに呼ばれて、笑い飯、千鳥と知り合った。巧い、おもしろい。おれたちの漫才とぜんぜんちがう。
「どうしたらああいうネタができるんですか?」
「自分が客席にいたとして、その自分が見て笑うものをやっているだけ」
2人とも答えは同じだった。
(ボクが考えているものには、いつだって自分はいなかった。お客さんは何を言ったら笑うのかばかり考えていた。もう1人の自分を置く? そいつは何を笑ってる?)
大きなヒントになった。
以来、山ちゃんのポジションは「おもしろい人の隣にいる人」。
でも売れなかった。とくに舞台はお客さんの投票で決まるから、吉本ブサイク芸人のベスト3の山ちゃんは不利だった。
後輩とも差が開く一方。この世界、礼義はあるけど、売れたら先輩、後輩は関係なし。後輩がどんどん先輩を追い抜く実力の世界。
「今日、ローカルのネタ番組。めんどくさい」
こっちは舞台にすら出られない。
「今年は学園祭15しか行ってない」
1度も呼ばれてない。
テレビも舞台もなにもないまま・・・。
2001年、朝日放送が「M-1グランプリ」をはじめた。対抗して毎日放送が「漫才アワード」をはじめた。芸歴、プロ、アマ、関係なし。ガチンコ勝負。名だたるテレビの人気者のなか、1人だけ異質のコンビ。麒麟。『ホームレス中学生』ですな。無名コンビ。これを松本人志さんが大絶讃。
麒麟。
嫉妬心は尋常ではなかった。曇の上の勝負。自分はしょうがないという甘えを根こそぎもっていった。
その日からM-1モードに入ります。
NSCの修業時代。ブッちぎりで先頭走ってたキングコングでも、M-1ではボロボロ。若手の台頭にいまや見る影もない。
山ちゃん、なかなかいい味出してる。南海キャンディーズはおもろないけど。
時代をつかむ・・・むずかしい仕事ですな。スリム何とかというラストM-1で準優勝したコンビ。あの漫才、いまだにおもろくない。
自分がおもしろいことを貫く。下手すると、人生、棒に振ることになるかもしれません。大変な仕事。この仕事に比べたら・・・。
・・・・・引用終わり・・・・・・
こんなの書いてたんだよね。しかも、2017年に文庫化されたときに、もう一度、知らずに読んでまたアップしてました。それはいずれ。。。ご縁があれば。
お笑い芸人の地位向上ではありませんけど、さんまさんと大竹しのぶさん、ハンバーグ部長と安達祐実さん、陣内さんと紀香さん、柳沢真一さんと池内淳子(ちょいと古いか)・・・とか。
柳沢真一さんはもともとジャズ歌手。戦後の学生歌手第1号。日劇500日間出演記録は最多。レコード会社3社の勧誘を全て断った。エノケン・ロッパ・金語楼の喜劇御三家から可愛がられ、榎本健一から「二村定一の後を継ぐのはこいつしかいない」「オレの2代目にする」と言われたほど。主演助演で150本以上の映画出演。テレビの声優は『奥さまは魔女』のダーリン役が有名。
共通するのはみなさん離婚してること・・・かな。メディアは今回も「美女と野獣」というワンパの表現しかできませんけど、逆でしょ。いつも。典型的玉の輿だと思うけど。おそらくいままでつきあった男の中で「ベスト&ブライテスト」をモノにできたわけで、先物買いとして上出来ですよ。
せっかくなんで、「通勤快読」で山ちゃんの作品を取り上げてるんで、引用したいと思います。なんと2011年1月26日なのよ。古いなー。
・・・・・・・・ここから引用・・・・・・・・
本を手に取ったとき、いちばん最初にすること。それは、最後の頁をチェックすること。ま、こんな人いないでしょうな。
ここ、奥付っていうのよね。著者のプロフィールとか、出版社の連絡先とか、発行年月日とかが書かれてるとこ。いわば、本の戸籍謄本みたいなもんですな。刷り数もわかりますしね。
やまさと・りょうた。ふ〜ん。やまざとじゃないんだ。やまさとなんだ。
あれれ、なるほど。やっぱり。
それはCのところ。これコピーライトの略でだれが著作権を持っているかということがわかります。なんとYOSHIMOTOKOGYOだって。そうか、印税は会社に入るようになってるのか。
さすがですな。
で、南海キャンディーズの山ちゃんの本。
こんなの出版してたんだ。しかも芸人本らしくない。まとも・・・。
「芸人になりたい」というヤツは2通りにわかれそうですな。
1つは、人を笑わせることが大好き。快感なヤツ。拍手もらう快感てやつ?
もう1つは、「もてたい」から。イケメンでも頭がいいでも野球やサッカーが巧いでもなく、「芸人」という仕事、ちやほやされるしぃと考えるやつ。
けど、ものすごく勘違いしてるのは、どちらも「売れないと話にならない」ということ。
しかし、ここが芸人になろうと考える思考の持ち主なんでしょうかね。オレだけは売れる、に決まってると思いこんでる。
ここですな、ここ。この勘違いがとにかく本物への第1歩であることは真実ですからね。遠慮してたり、オレなんかじゃ、と考えるやつははなから無理。買わない宝くじは当たりませんわな。
根拠レスの自信。これが芸人になるための絶対条件。
で、山ちゃん。私、この人、大好きです。けど南海キャンディーズの漫才は好みじゃない。M-1で準優勝(2004年度)してたなんてはじめて知りました。そういえば、去年末のラストM-1にも出場してたけど相変わらず好きじゃない。
この人、ピンのほうがいけると思うんですよね。頭の回転が速い。日テレ系の情報バラエティ「スッキリ!!」にも影の声として連日出演してるでしょ。あれはいける。
山ちゃん、ビビる大木。上品なMCやらせたら双璧。
ま、とにかく、山ちゃんは「もてたい」というモチベーションだけで芸人になろう、そのためには吉本だ。大阪だ。
で、大阪弁のCD買って練習したり。
「なんでやねん」
「ちがうか?」
「そやねん」
でも、ネイティブの大阪弁聞いたら話せなくなっちゃって。筆談。私みたいなインチキ大阪弁はやっぱニュアンスがちゃいますからね。
もてるために手相教室(手だけは触れるから)通ったり、かっこいいエピソードか欲しいという理由だけでイタリアに行ったり。
そうそう、山ちゃんコンビ2回解消してピン芸人してたときに、「イタリア人」という芸名だったらしいよ。
よくあるように、子どものときから面白かったのか? 少なくとも母親は「やめときなさい。あんたはそんなにおもしろくない」とずばり。スターがもってるような伝説的な武勇伝もなければ、驚くほど話ができるわけでもない。
小学4年のときにコロッケさんがやる千昌夫さんの物真似が好きで、家、親戚という小さなサークルで受けてただけ。
母親がオーディション番組に応募しちゃった。で、合格。並み居る常連を押しのけてね。
オンエア翌日。団地中が湧いた、商店街が湧いた。ま、そこまでなんだけど。
中学、高校、ぜんぜんいけてない芸人だった山ちゃん。1人親友がいたのね。
「山ちゃん、時々おもしろいこというからお笑いやってみたら」
この何気ない会話に納得しちゃう。で、お笑いを目指す。こういう勘違いが人生、決めちゃうのかもね。
で、大阪に行くため、浪人して関西大学を受験。大学2年の時に吉本興業の養成所の面接を受けるわけ。
すでにコンビで来てるヤツ、ダウンタウンを超えると豪語するヤツ・・・NSC22期は600人もいた。
入るとネタ見せ。入学以来ずっとひよこの中でも「MVP」に選ばれ続けてるヤツがいた。
キングコング。
先輩がこぼす。
「全力疾走したらやっと原付バイクのスピードが出せるようになった。そこにいきなりF1レーサーが突っ込んできた」
衝撃はそのくらいすごかったらしいよ。私、ぜんぜんおもろくないけど。
NSCを卒業したとき、大学4年だった。
コンビを2回解消した。いずれも山ちゃんがネタをつくり、演出を考え、指導する。
「笑いはオレが取る。おれにはできないこと。たとえば、人気。それを相方に求めた」
だから、いつも相方はイケメンを探した。なんか変な関係。。。
相方はいいやつばかりだった。けど、結局は独りよがりの山ちゃんについてこれなくなった。
笑い飯。
千鳥。
バッファロー吾郎さんのイベントに呼ばれて、笑い飯、千鳥と知り合った。巧い、おもしろい。おれたちの漫才とぜんぜんちがう。
「どうしたらああいうネタができるんですか?」
「自分が客席にいたとして、その自分が見て笑うものをやっているだけ」
2人とも答えは同じだった。
(ボクが考えているものには、いつだって自分はいなかった。お客さんは何を言ったら笑うのかばかり考えていた。もう1人の自分を置く? そいつは何を笑ってる?)
大きなヒントになった。
以来、山ちゃんのポジションは「おもしろい人の隣にいる人」。
でも売れなかった。とくに舞台はお客さんの投票で決まるから、吉本ブサイク芸人のベスト3の山ちゃんは不利だった。
後輩とも差が開く一方。この世界、礼義はあるけど、売れたら先輩、後輩は関係なし。後輩がどんどん先輩を追い抜く実力の世界。
「今日、ローカルのネタ番組。めんどくさい」
こっちは舞台にすら出られない。
「今年は学園祭15しか行ってない」
1度も呼ばれてない。
テレビも舞台もなにもないまま・・・。
2001年、朝日放送が「M-1グランプリ」をはじめた。対抗して毎日放送が「漫才アワード」をはじめた。芸歴、プロ、アマ、関係なし。ガチンコ勝負。名だたるテレビの人気者のなか、1人だけ異質のコンビ。麒麟。『ホームレス中学生』ですな。無名コンビ。これを松本人志さんが大絶讃。
麒麟。
嫉妬心は尋常ではなかった。曇の上の勝負。自分はしょうがないという甘えを根こそぎもっていった。
その日からM-1モードに入ります。
NSCの修業時代。ブッちぎりで先頭走ってたキングコングでも、M-1ではボロボロ。若手の台頭にいまや見る影もない。
山ちゃん、なかなかいい味出してる。南海キャンディーズはおもろないけど。
時代をつかむ・・・むずかしい仕事ですな。スリム何とかというラストM-1で準優勝したコンビ。あの漫才、いまだにおもろくない。
自分がおもしろいことを貫く。下手すると、人生、棒に振ることになるかもしれません。大変な仕事。この仕事に比べたら・・・。
・・・・・引用終わり・・・・・・
こんなの書いてたんだよね。しかも、2017年に文庫化されたときに、もう一度、知らずに読んでまたアップしてました。それはいずれ。。。ご縁があれば。