2019年07月11日「落としどころ」という意味

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 死ぬほど暇なときに「ワイドショー」を見ることがあります。
 ほとんどのテレビ局が、タレントがキャスターというか司会というかをつとめています。あまり予算のない番組と局アナに任せているようですが、気になるキーワードが1つ。

 今回の問題で「落としどころ」はどこですか?
 「落としどころ」はあるんですか?

 「落としどころ」というキーワードがとっても気になるんですね。

 たとえば、7/4から施行されている「韓国向け輸出管理優遇措置撤廃」。

 優遇措置を解除・撤廃するのに「落としどころ」なんてあるんでしょうか? 「禁輸」でもなんでもありませんよ。いままでが「特別扱い」だったわけで、元に戻します。ほかの国と同じ扱いにしのす、というだけなのに、どうして、日本が「落としどころ」を考えなくちゃいけないんでしょうか。

 日本が「100」の要求をしている。「100」では嫌だと韓国が答えている。だから「50」に緩める。タレントキャスターは「50」というポイントが「落としどころ」と考えてるんでしょうね。

 「日本製品不買運動で報復する」
 「WTOに訴える」

 いま、韓国がしていること、これから韓国がしようとしていることです。

 やればいいんですよ。「もう特別扱いできない」という理由を世界にさらけ出すことができるんですから。
 
 韓国の要求は、「これからもずっと特別扱いしてほしい」「禁輸なんてしないでしょうね」「まさか信用状の保証を止めるなんて言わないでしょうね」ということかもしれませんが、日本政府・経産省は「日韓間の信頼関係が著しく損なわれた」「韓国に関連する輸出管理で不適切な事案が発生した」からだ、と明々白々に理由を回答しているのです。

 これ以上でもこれ以下でもありません。

 「自称徴用工問題で訴えている日本製鉄の資産を7/15に現金化する」
 「慰安婦問題について日韓が結んだ約束を韓国が一方的に破棄して財団を解散している」
 
 こんなことを理由にしているわけではありません。慰安婦財団の資金も半分が不明、核開発・サリン製造に転用できる材料の半分が不明。この絶望的な管理能力の無さが問題なのだ、とすでに回答しているのです。

 「落としどころ」は管理能力を完璧にすること。日本のみならず世界に約束し、実態を定期的継続的に世界に報告すること。

 「100」の要求にはこたえられないから「50」にしてほしい、という「落としどころ」は昔々の政治家が得意としたことです。もともと「50だ」で妥協するつもりだから、あえて「100」とハードルを高くしておく。セールスの手法では「ドア・イン・ザ・フェイス」というヤツですよね。大きな要求のあとなら小さな要求は通りやすい、というものです。

 今回の問題に「落としどころ」はありません。「不買運動」をしてくれるならちょうどいい。「日本に作れるなら韓国でもつくれる」と豪語しているんですから、つくればいいんです。

 韓国人も眺めていますけど、日本国民も注視しています。そして中国人がニヤニヤしながら眺めています。

 「もっとやれ! 日韓が離反すればするほどわが国の思う壺だ、しめしめ」

 トランプも眺めています。彼は一切この問題で韓国の味方をするつもりはないようです。ほったらかしです。G20以前に安倍首相から報告を受けているからです。

 文在寅大統領もそれがわかっています。そして、トランプに仲介してもらおうとも考えていません。なぜか? 米朝会談設定で完璧にこの2人からコケにされたからです。

 「トランプは韓国の味方はしない。すでに同盟国と考えていない。韓国を捨てて北朝鮮をとるつもりだ」 

 だから言ったでしょ(「経済教室」=日米中露そして北朝鮮は韓国を解体するつもり」)。

 最近驚いたのは、この問題について「中央日報」「朝鮮日報」の記事がいいこと。日本メディアのどの記事よりも正確かつ冷静で視点もいい。ひいき目で見ず俯瞰して眺めてますな。感心しました。詳しくは今日の深夜(金曜日配信)「経済教室」でお話しましょう。