2020年04月28日「通勤快読」オープン!

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 忘れないうちに(その1)・・・ダウ4連騰でようやく半値戻し。



 忘れないうちに(その2)・・・本日深夜に 「3分でわかる!チャートたっぷり!中島孝志の『経済教室』 を配信します。



 タイトルは 『慶大・南カリフォルニア大・スタンフォード大の「ウイルス抗体調査」が意味すること!「誤答率30%PCR検査」やればやるほど「致死率」は激減する!』 とします。ご期待ください。

 巣籠のみなさんにプレゼント! 「中島孝志の聴く!読む!見る!通勤快読」をオープンします。直近バックナンバーの中から「知っておきたい和食の秘密 前編」(渡辺望著・990円・勉誠出版)をご紹介します。

・・・・・・引用開始・・・・・
 日本のラーメンが世界で大人気、来日する中国人観光客も日本のラーメン屋で行列。日本のパスタは本場イタリアでも大流行。もちろん、寿司や天ぷらは世界を席巻。

 「和食」がユネスコの世界遺産に登録されました。



 「和食」は世界でも独特の特徴を持ったユニークな文化。でありながら、世界でも好きな外国料理のトップを独走してます。
 
 本書は豊富なエピソードで和食の秘密を興味深く解き明かしながら、豊かな日本の食文化と、その底に流れる精神を探求する一冊です。

 この著者がまさかこういう分野の本を書くとは驚きです。



 しかし内容はというと、料理研究家か一流和食料理人が書いたのか、と思わせる力作。感服です。

 食いしん坊にとってはたまらないですねー。「食」に縁がある作家や文学、歴史など魅力的な脱線がわんさか。これが本書の醍醐味かもしれません。



 漱石の『坊っちゃん』の一こま。
 愛媛は松山中学に赴任した坊ちゃんは暇にまかせて街ぶら。まずは天ぷらそばす。団子屋に団子を食べに。
 
 翌朝、学校に行ってみると行動が詳細に黒板に描かれてる。どこかでだれかに見られてる。プライバシーなどありえない。ああ、田舎は嫌だ。田舎者は嫌だ。生まれも育ちもおいら江戸っ子の坊ちゃんには耐えられない屈辱。

 くっそーー。

 『坊ちゃん』という小説、実は私が人生で最初に買った本なんですね。小学4年。あまりのおかしさにこれ1冊で漱石のとりこ。大学生のときに全集購入。三島の全集も書店勤務の先輩に頼んで25%引きで買っちゃいましたけど。

 いまならキンドルだろうなー。紙の全集なんて場所とって大変だもん。



 『三四郎』のカレーライスも取り上げてますけど、私が夢にまで見た美味しい食べ物は・・・あげまん。漱石の『坑夫』という小説だったかなー。たしか。
 これから炭坑に行く主人公がふと見つけたあげまん。古い饅頭をそのままでは食べられないから油で揚げてある。それをねっとりと食べつくす。美味そうだなー。きっと美味いに違いない。主人公も何回かお代わりしてたと思うな。

 漱石はグルメだったと思いますよ。食いしん坊でなければこんなにあちこち「食いもん」が出てくるはずがありませんもの。

 しかし、あの揚げ饅頭は食べたかったなー。あれから半世紀。いまでも夢見るくらいですから。よっぽど美味そうに思えたんでしょうな。

 さて、当の漱石はというと糖尿病で胃弱。結局、胃潰瘍が命取りになるわけですが、食欲と戦いながら仕事をしていたのではないでしょうか。



『美食倶楽部』に登場するのは5人の紳士。正月から年末まで美食とあれば日本全国を奔走する面々。

 ご存じ、谷崎潤一郎の傑作。

 賭博を打つか女を買うか、美味いものを食うか。なんの仕事も持っちゃいない彼らは、東京中の美味いもん屋はもちろん、大阪では鯛茶漬け、下関では河豚。暇と金に任せて食べ歩く。
 
 いまやテレビはグルメ番組がずらり。食いもんなしに番組は成立しませんよ。「谷崎のころにグルメなんて」と不思議がることなかれ。日本人は古今食いもん好きの民族なんです。
 
 江戸時代にお伊勢参りが盛んになりました。「ディスカバー・ジャパン」で日本人はあちこち旅しています。「るるぶ」みたいな情報誌が自然発生的に生まれています。しかも、旅好きたちがみなで情報を収集して作っちゃう。

 日本人はとっくに「ウイキペディア」をやってたんですよ。そればかりか、旅と言えば「旅籠情報」。宿泊情報満載。そして「食情報」もずらり。
 伊勢にたどり着くまで、どこがどう美味しいかまで編集しちゃう。江戸では美味い店番付までできちゃう。

 日本人はとっくの昔に「ミシュランガイド」までつくってたんです。

 「伯爵はその卓越した嗅覚でもって浙江会館という看板のある木造3階建ての西洋館に辿り着いた」

 浙江省の中国人が食する料理を食べたい。残念ながら食べられなかったけれども、異次元の美食を会員たちに供することには成功します。

 「舌をもって味わうばかりでなく、眼をもって、鼻をもって、耳をもって、ある時は肌膚をもって味わわなければならなかった」



 『春琴抄』の春琴、『痴人の愛』のナオミ。彼女たちは揃ってグルメで健啖家、つまり、大食い。食って実は性欲と比例します。アルコールは反比例してると思いますけどね。下戸は性欲が強いと思うけどなー。食ってエネチャージだもん。

 食の細いヤツが性に強いはずがない。女というか動物のメスも大食いの男・オスに惹かれます。精力が強い、エネルギーが強い。生きるパワーが強い。そういうDNAを残したい、と女性は潜在意識で感じているのでは?

・・・・・・引用終了・・・・・

 サイト左右に「聴く!通勤快読」と「読む!通勤快読」のサイトがありますんでクリックよろしくです。中島孝志が独断と偏見でほぼ毎日10分から15分ほどミニ講義してます。

 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は 『新型肺炎、経済崩壊、軍事クーデターで さよなら習近平 後編』(宮崎正弘著・1,320円・ビジネス社)です。とてもいい本です。