2005年12月28日ミシェル・ヨーが抜群! 映画「SAYURI」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 観てきました、「SAYURI」。レイトショーだけどさ。1200円なり。
 原作の『Memoirs of a Gaisha』(アーサー・ゴールデン著・文春文庫)が気に入ってたんだ。ネイティブじゃない人が、よくここまで描けた。アメリカ人が描いたとはとても思えない。それほど表現が繊細で軟らかい。
 だから、封切りしたら行かなくちゃと思ってたわけさ。

 小説は時間無制限だけど、映画は2時間半で伝えなくちゃいけないから大変。
 おかげで、かなりストレートな表現になってます。その分、余韻とか趣きは感じられないけど、こりゃしかたない。

 スティーブン・スピルバーグ製作、『シカゴ』のロブ・マーシャルが監督。
 SAYURI役には花王ASIENCEのチャン・ツィイー。思いを寄せる会長役に渡辺謙。豆葉役はミシェル・ヨーという布陣。

主役のツーショット! 
 貧しい漁村に生まれた千代は9歳の時、置屋に売られます。そこには花街一の売れっ子芸者初桃(コン・リー)がいます。これに徹底的に虐められます。
 稽古もままならず絶望してた時、1人の紳士が声をかけます。
 「こんな良い日和に泣いてはいけない。君のように美しい子がどうしたんだい?」
 たくさんの芸者を引き連れた大阪の電器メーカーの会長さん(渡辺謙)が慰めます。
 「芸者になりたい。芸者になれば、会長さんにもう一度逢えるかも」
 15歳の時、「芸者の中の芸者」と称えられる豆葉が彼女を芸者として育てたいと申し出ます。
 そして、SAYURIとして花開きます。
 しかし、時代はもうそこまで軍靴の音が聞こえてくる頃。運命は2人を飲み込んでいきます・・・。
 あとは映画を観てね。

 ところで、まいったのは主役のチャン・ツィイーかな。
 この人、痩せすぎだよ。ハンガーにKIMONOがかかってる感じだもの。なんといっても、英語が下手すぎる(謙さんは上手だった)。ネイティブじゃない人がネイティブじゃない言語でネイティブじゃないことを演じる限界か?
 まっ、主役は大根でもいいんだね。それとも、たどたどしさが外国人にはウケるのかな。

 最高に良かったのは、ミシェル・ヨーだね。
 SAYURIを芸者として徹底的に仕込む豆葉役ね。「大人の女」を凛として演じてます。この人にそうとう助けられたよ、この映画は。なんて、いい女優なんだろう。

ミシェル・ヨー。「宋家の三姉妹」にも出てたね。さすがボンドガール!
 SAYURIの子ども時代を演じてた女の子。将来、いい役者になると思うよ。いまでもなってるけどさ。大成して欲しいな。
 あと、BGMはどうにかならんかね。やたら、日本風を強調するとかえってうざいわけよ。 
 やっぱ、いい小説の映画化ってハードル高いんだよね。