2006年02月12日「同僚の悪口」 村松友視著 毎日新聞社 1600円 

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 これ、読んだことないのに内容知ってるんだよね。
 不思議だなぁ。昔、文芸誌読みあさってたから、その時、読んだのかなぁ・・・。
 
 この本、いつも通り、ずっと置きっぱなしになってたヤツ。
 仕事場を撮影するってんで(おとといのブログご参照のこと)、本棚整理してたんです。
 そしたら、「なんだ、これ?」ってんで手に取って読んじゃったわけ(掃除しろよ)。

 内容は2人の中年サラリーマン。
 結婚披露宴で、上司の悪口三昧。
 「ほら、あの人、スピーチに命賭けてるんだよ。で、パターンは決まってるの」
 「そうそう」
 「だけど、総務の○○ちゃんなんて、憧れてるらしいぜ。あのスピーチに」
 「うそだろ!」
 「ムキになるなよ。さてはご執心かな」
 「そんなことないよ」
 
 仲がいいんだよね、この2人。
 で、私が知ってるエピソードってのがこんな内容なのよ。
 ある時、マーケティング部の美貌社員が煙草ルームに入ってきた。で、こう囁くわけ。
 「あなたに相談がある」ってね。
 ホテルのバーで話してると、「実は部屋を取ってあるの」って言われちゃう。彼女は先に部屋に行ってるってわけさ。
 で、これ、罠なのね。そのまま部屋に行けば、マーケティング部の連中がパーティしてるのよ。
 で、「引っかかった、引っかかった。あんたも好きねぇ」って、笑い笑われて終わり。

 ところが、この男、行かなかったの。ちょっと退っ引きならないわけがあってね。行けなかったんだ。
 で、「素晴らしい!」と評判になっちゃった。

 この女がしつこいというか、プライドが高い女でね。遊びとはいえ、袖にされたことに我慢ならないわけ。
 で、リベンジ。
 「今度は本気です。身持ちの堅いあなたに惹かれました」って、またまた誘うわけよ。
 これも罠なの。この男、根が助平だから、ホントはこの女としたいわけ。この前は逸したけど、ホントはやりたいわけ。ところが、たまたまトイレでマーケティング部の連中の陰謀を聞いちゃうわけさ。
 カラクリがわかったら、醒めんじゃん。で、この女をギャフンとさせるわけ。

 私、どういうわけか、このエピソードを知ってんだよね。
 どうしてかなぁ? 不思議だなぁ? もしかして、テレビでドラマやってた? そうかもしんないなぁ。でも、私、ドラマ見ないからなぁ。
 じゃ、だれかの小説で似たようなプロットがあった? そうかもしんないね。

 まっ、いずれにしても、悪口が言える友達っていいよね。悪口って、そうとう気を許してないと言えないもの。この2人だって、結局、悪口言えてる間が花なのよ。

 私?
 「悪口、言わない人」ってんで有名だよ。よく知ってる連中は、「中島さんて、絶対、他人の悪口言わないね」って言うもの。
 けどさ、これって他人に関心ないってことかもしれないよ。私が関心あるの、明日の自分だけだからね。
 これはいけないんじゃないの。悪口言ってるほうが健全じゃないか。200円高。