2006年06月02日「洗濯機は俺にまかせろ」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

♪抱いて、抱いて、抱いて、セニョリータ♪
 セニョリータつっても、ケーシー高峰じゃないんだかんね。山下智久だかんね。「クロサギ」だかんね。
 「クロサギ」って知ってる?
 ♪シロサギさんからお手紙着いた クロサギさんたら読まずに食べた♪
 そうそうそれそれって、そりゃシロヤギさんだろうが!

 1人ボケ、ツッコミはこのへんに致しまして(放っておくとずっとやってる)・・・さてと、こんな映画あったんですなぁ。
 好きですね、こういうテイスト。俳優のキャラもゆったりしてるし、中性的。私ねぇ、「スローなブギにしてくれ」「ダイヤモンドは傷つかない」「遠雷」「の・ようなもの」「冬の運動会」とか、あんなテイストが好きなのよね。

 主人公の木崎くん(筒井道隆)は大阪出身。漫画家目指して上京してきたんだけど、いまは、葛飾の京成金町の商店街にある、片桐中古電機の店員さん。
 ここ、電機製品専門のリサイクル店なのね。やっぱ専門があって、テレビは得意だけど、冷蔵庫、洗濯機のような白物は苦手だとかさ。で、木崎くんは洗濯機が大得意。それがタイトルになってます。

 この店は支店なんだけど、本店にいる社長の出戻り娘(富田靖子)。これが元ラジオのディスクジョッキーなのね。木崎くんは彼女の番組のファン。で、昔は投書したりしてたわけ。
 もち、憧れてます。

 けど、向かいのパン屋でバイトしてる娘も好きなのよ。デートに漕ぎつけたんだけど、遠くに出戻りを見つけて、気もそぞろ。で、女の子に嫌がられちゃうわけ。

 一方、出戻りはタクシーの運転手(小林薫)。元々は木崎くんの前の店員だったのよ、この人。で、彼が好きだったわけ。


 で、ある時、木崎くんは出戻りが運転手とキスしてるとこを見ちゃうわけ。ショックだよね。

 リサイクルの仕事って、捨てないことが正義なのね。どんどん捨てちゃうけど、愛着のあるものは捨てられない。
 ある老人にとっては、洗濯機もそうなの。製麺機みたいな回転式の絞り機が付いた洗濯機ありましたねぇ。きっと亡き夫と苦労した生活が凝縮された代物なんだろうねぇ。
 捨てるよりは、リサイクルでだれかに使ってもらえたら・・・と思うのね。

 監督は篠原哲雄さん。私の大好きな田中麗奈ちゃん主演の「はつ恋」「きみのためにできること」なんかも撮ってます。「月とキャベツ」もそう。
 プロデューサーは細川慶人さん。元々、吉本でアホの坂田利夫さんのシリアス映画なんかをプロデュースしてた人なんだけど、いま、医療ビジネスを展開してる起業家なのね。

 新品じゃなくて、リサイクルの修理屋という設定がいいね。
 私にしたって、いまさら、新品なんかにゃなれないけど、せめて修理してさ、何度もトライするっていいんじゃない? 七転び八起きって、リサイクル精神だもんね。
 それにしても、筒井道隆の関西弁、下手くそやなぁ。